前回はXiaomiの2ポートUSBチャージャーを紹介しました。
今回は同じXiaomiのUSBチャージャーですが、6ポートの製品を紹介したいと思います。
USBチャージャーについて
ここではコンセントに差してUSBデバイスに電力を供給できる製品をUSBチャージャーと呼んでいます。
これまでいろいろ買ってきましたが、いずれ持ち歩き用のコンパクトな製品でした。
今回は机や枕元における据え置き型のUSBチャージャーを探すことにしました。
Xiaomi 6ポートUSBチャージャー (60W 急速充電)
USB Type-Cポートがある据え置き型のUSBチャージャーを探していて見つけたのが、XiaomiのCDQ06ZMという型番の製品です。
この製品は、USB Type-Cが1ポート、QuickChargeに対応したポートが1ポート、最大2.4AのUSBポートが4ポートあり、合計で60Wの出力に対応するという製品です。
以前はGearBestでも取り扱っていたのですが、私が購入しようとした時点で入手可能だったのはAliExpressでした。
公式サイト(中国語)は下記になります。
この公式サイトの情報を参照するとスペックは
- 入力: 100-240V, 50/60Hz
- 出力
- 4×USB-A: 5.0V = 4.8A (1口あたり最大2.4A)
- 1×USB-A: 5.0V = 3.0A / 9V = 2.0A / 12 = 1.5A
- 1×USB-C: 5.0V = 3.0A / 9V = 2.0A / 12 = 1.5A
となります。
4×USB-Aが最大で24W、1×USB-Aが最大で18W、1×USB-Cが最大で18Wで合計60Wの出力ができることになります。
注意が必要なのが1ポート用意されているUSB Type-Cポートです。USB Power Deliveryという規格では最大100Wの充電ができることになっていますが、この製品では最大18Wとなります。
18Wあればスマートフォンやタブレットの充電は問題ないと思いますが、ノートPCの充電にはパワーが不足することになると思います。
配送状況
海外通販の場合に気になるのは配送です。
この製品は次のような日程で届きました。
イベント | 日付 |
---|---|
注文 | 2019/11/30 |
出荷 | 2019/11/30 |
輸出 | 2019/12/3 |
日本到着 | 2019/12/16 |
入手 | 2019/12/18 |
届くまでは日数にして18日、土日を除いた営業日だと13日です。ちょっと遅めという感じです。
なお配送は追跡番号が発行される配送方法ですが、ePacketという簡易配達のため、ポスト投函での受取りとなりました。
到着した製品
到着した製品は黒いビニール袋に入っていました。エアキャップなどでくるんではありません。
中からはこんなパッケージが出てきました。Xiaomiらしく白を基調としたパッケージです。
ただ、梱包がビニール袋だけだったせいか、角が潰れています。
日本だとパッケージも製品の一部という感覚ですが、海外だとパッケージはあくまでも梱包材なので多少のダメージも気にしないようです。
パッケージを読み取りやすいようにスキャナでスキャンしてみました。
まずはパッケージの正面です。製品の写真と中国語での製品名が印刷されています。
背面は製品の特徴と型番・スペックなどが記載されています。
この記載を見ると、
- USB Type-Cポートは最大18W出力対応
- オレンジ色のUSB Type-AポートはQuick Charge 3.0対応
- その他のUSB Type-Aポートはインテリジェント出力
となっていることがわかります。
パッケージ開けると、USBチャージャー・電源ケーブル・取扱説明書が入っていました。
USBチャージャーの上面にはXiaomiのロゴ(Mi)が記載されているだけで、シンプルなデザインです。
ちなみにこのMiロゴ下あたりには白色LEDが埋め込まれていて、コンセントにつなぐと点灯します。
底面には四隅に足となるぽっちがあるだけです。
ただこの足はプラスチックで滑り止め効果はありません。滑りやすい面にこのUSBチャージャーを設置する場合は滑り止めシートや転倒防止ジェルマットなどを利用した方が良さそうです。
正面にはUSBポートの絵が描かれたシールが貼られていました。
このシールを剥がすと、USB Type-Cが1ポート、USB Type-Aが5ポート出てきます。
左から二番目のオレンジ色のポートはQuickCharge 3.0対応のポートです。
背面の中央には電源ケーブルを挿すコネクタと、その左右には型番・仕様などの情報が書かれています。
背面の右側には準拠している規格のロゴがありますが、中国の安全規格であるCCCロゴはある物の、日本の安全規格であるPSEマークはありません。ちなみに一番右のロゴはQuickCharge3.0のロゴです。
なお、付属の電源ケーブルは約1mで、電源プラグは平型なので日本のコンセントにそのまま挿すことができます。USBチャージャー側のコネクタはいわゆるめがね型なので市販のケーブルと交換可能です。
サイズは実測で11cm×8cmです。厚さは28mmです。厚さは2cmです。
重さは176グラムです。
コンパクトなので持ち歩きも可能なサイズと思います。
最後に説明書を紹介しておきます。説明書は中国語のため解読はなかなか難しい物があります。
実際の使用状況
それでは実際に使ってみたいと思います。
用意した機材は次の通りです。
- 充電対象
- Google Pixel 4 (USB Type-C, USB PD対応, QC非対応)
- Google Pixel 2 (USB Type-C, USB PD対応, QC非対応)
- Xiaomi Mi 5s (USB Type-C, USB PD非対応, QC3.0対応)
- Ulefone Power 6 (USB Type-C, USB PD非対応, QC非対応, 独自急速充電対応)
- ケーブル
- ABOAT金メッキUSB Type-Cケーブル 1m (Type-A=Type-C)
- ABOAT USB Type-Cケーブル 1m (Type-A=Type-C)
- Google Pixel 4付属USBケーブル 1m (Type-C=Type-C)
- 測定器
測定は実際に充電をしてみてそのときの電圧・電流を測定するというものです。
電圧・電流は多少上下するので安定したと思われる時点の数値を記録しました。
USB Type-Cポートを1ポート利用の場合
まずはUSB PDに対応しているというUSB Type-Cポートに充電対象のスマートフォンを一つずつ挿していきます。
結果は次の通りです。
Pixel 4 (USB PD対応) |
Pixel 2 (USB PD対応) |
Mi5s (USB PD非対応) |
Power 6 (USB PD非対応) |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
USB Cポート | 13.97 W | 7.20 W | 11.59 W | 14.53 W | ||||
9.13 V | 1.53 A | 9.00 V | 0.80 A | 6.20 V | 1.87 A | 5.17 V | 2.81 A |
USB Type-Cポートの最大出力は18W(9V=2A)なのですが、USB PD対応と明記しているPixel 4でもこの上限には届きませんでした。
まあ、Pixel 4付属のUSBチャージャーを使っても同じような数値なので、USBチャージャーの問題ではなさそうです。
なお、Ulefone Power 6はUSB PDに対応しているとは記載されていないですが、このUSBチャージャーのUSB Type-Cの5V出力時の上限近くの電力を引き出せているのが以外でした。
QC3.0対応のUSB Type-Aを1ポート利用の場合
次にQuick Charge 3.0に対応しているオレンジ色のポートを利用しています。
一つずつ挿したときの結果は次の通りです。
Pixel 4 (QC非対応) |
Pixel 2 (QC非対応) |
Mi5s (QC3.0対応) |
Power 6 (独自高速充電) |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
USB Aポート (QC3.0対応) |
7.08 W | 7.03 W | 12.12 W | 7.70 W | ||||
5.02 V | 1.41 A | 5.02 V | 1.40 A | 6.00 V | 2.02 A | 5.00 V | 1.54 A |
当然ながらQuick Chargeに対応しているXiaomi Mi5sに対しては大きめな電力が供給されました。ただ、Quick Charge 3.0ポートの上限は18Wであることから見ると、ちょっと不足気味なのも確かです。
通常のUSB Type-Aポートを1ポート利用の場合
高速充電規格に対応していない通常USBポートでも確認してみます。一つずつスマホを挿して電力を計測してみました。
Pixel 4 | Pixel 2 | Mi5s | Power 6 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
USB Aポート | 7.01 W | 6.96 W | 7.97 W | 2.40 W | ||||
4.97 V | 1.41 A | 4.97 V | 1.40 A | 4.95 V | 1.61 A | 5.00 V | 0.48 A |
このUSBチャージャーのスペックとしては、通常のUSB Type-Aポートは5V=2.4Aの出力(12W)ができることになっていますが、確認できたのは1.5A程度(7.5W程度)でした。
USB BCの規格とすると、5V=1.5Aが最大なので妥当といえば妥当です。
ただ、Ulefone Power 6に最低限の電力しか供給できなかったのは気になります。
複数ポート同時利用の場合 その1
USB Type-CポートとQC3.0対応ポートを使いながら、4つのスマホを使ってなるべく高速に充電する組み合わせを試してみました。
USB Cポート | USB Aポート (QC3.0対応) |
USB Aポート | USB Aポート | 合計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パターン1 | Pixel 4 | Mi 5s | Pixel 2 | Power 6 | 42.58 W | ||||
14.40 W | 15.10 W | 5.24 W | 7.83 W | ||||||
9.00 V | 1.60 A | 6.19 V | 2.44 A | 4.90 V | 1.07 A | 4.99 V | 1.57 A | ||
パターン2 | Power 6 | Mi 5s | Pixel 2 | Pixel 4 | 36.97 W | ||||
13.36 W | 10.97 W | 5.13 W | 7.09 W | ||||||
5.06 V | 2.64 A | 6.20 V | 1.77 A | 4.89 V | 1.05 A | 4.99 V | 1.42 A |
パターン1は、USB Type-CポートにUSB PD対応のPixel 4を接続したケースです。Quick Charge 3.0対応のポートにはQuick Charge 3.0対応のXiaomi Mi5sを接続しました。
このパターン1では、USB Type-CポートもQC3.0対応ポートもいずれも15Wぐらいの出力がでており、4台を同時に充電しても電力の低下が起こらないことが確認できました。
パターン2は、USB Type-Cポートから最大の電力を引き出せたUlefone Power 6をUSB Type-Cに接続したケースです。Quick Charge 3.0対応ポートにはパターン1と同様にXiaomi Mi5sを接続しています。
このパターン2では、なぜかQuick Charge 3.0のXiaomi Mi 5sの電力が下がってしまいました。何かタイミングが悪かったのかもしれません。
複数ポートを持つUSBチャージャーの中には、同時利用すると各ポートの電力が落ちるケースがありますが、少なくてもこのXiaomiのUSBチャージャーのUSB Type-CポートとQuick Charge 3.0対応ポートは電力が落ちることはなさそうです。
複数ポート同時利用の場合 その2
次に通常のUSB Type-Aポート4つを同時に使ってみました。
USB Aポート 1 | USB Aポート 2 | USB Aポート 3 | USB Aポート 4 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Mi5s | Pixel 2 | Power 6 | Pixel 4 | 23.99 W | ||||
8.59 W | 6.09 W | 2.27 W | 7.04 W | |||||
5.05 V | 1.70 A | 4.99 V | 1.22 A |
5.03 V |
1.40 A | 5.03 V | 1.40 A |
このUSBチャージャーの仕様は通常のUSB Type-Aポートは4つで合計24W(5V=4.8A)となっており、その数値通りの値となりました。
供給電力の上限に達しているため、このときはUlefone Power 6だけが供給電力が極端に低くなっていました。
試しにポートを入れ替えてみると、やっぱりUlefone Power 6が一番電力が少なくなりました。
USB Aポート 1 | USB Aポート 2 | USB Aポート 3 | USB Aポート 4 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Pixel 4 | Power 6 | Pixel 2 | Mi5s | 24.38 W | ||||
7.28 W | 3.83 W | 6.57 W | 6.70 W | |||||
5.02 V | 1.45 A | 5.04 V | 0.76 A |
4.94 V |
1.33 A | 5.04 V | 1.33 A |
なぜかUlefone Power 6は負けてしまうようです。
なお、このときは合計出力がUSBチャージャーの仕様上の上限24Wを超えていますが、これは測定値を読むタイミングの問題と思います。
まとめ
今回はXiaomiの6ポートUSBチャージャーを紹介しました。
このUSBチャージャーは、USB PD 18Wに対応したType-Cポート・Quick Chargeに対応したポートを含む6ポートあり、USB PDポートとQuick Chargeポートは他のポートの使用状況に影響を受けずに電力を供給することができます。
コンパクトな製品ですし、複数のデバイスをお持ちの方にはお勧めできる製品です。
次回はUSB Type-Cケーブルについて紹介します。
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