前回は中華タブレットTeclast X98 Plus IIのWindows10を日本語化したことを紹介しました。
今回はベンチマークソフトをインストールして性能を確認してみたいとおもます。
結果についてはChuwi Hi8 Proという別の中華タブレットとの比較もしています。Chuwi Hi8 Proについては下記を参照してください。
ベンチマークソフトを実行する際には、CPU性能が最大まで出るようにUSBで給電している状態で行いました。
今回使用しているTeclast X98 Plus IIは海外通販サイトGearBestから提供していただきました。
私が使用したTeclast X98 Plus IIは販売終了となっています。Teclast社の10インチクラスで高解像度ディスプレイを備えた機種だと、いまはTeclast T10がお勧めです。
Teclast T10はGearBestで209.99ドルで販売しています。
GearBestで購入に挑戦しようという方は下記を参照してみてください。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows7まであったWindowsエクスペリエンスインデックスというスコアを表示する機能がありました。
実はこのスコアはWindows10でも表示させることができます。
これは「コマンドプロンプト(管理者)」を開いて「winsat formal -restart clean」というコマンドを実行するとテストが実行sれます。
「コマンドプロンプト(管理者)」はスタートメニューを長押しすると表示されるメニューから出てきます。
「winsat formal -restart clean」はバッテリー駆動状態では実行できないのでUSBケーブルを電源アダプタにつなげておきましょう。
結果は「c:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」に格納されます。ファイルはいくつか生成されますが重要なのは「実行日時 Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml」です。
このファイルを取り出してWinSAT Viewerにドロップすると結果が表示されます。
以下がTeclast X98 Plus IIでの実行結果の例です。
以前にChuwi Hi8 Proで同じベンチマークを行った時は「ゲーム用グラフィクス」の結果も出たのですが、Teclast X98 Plus IIでは表示されませんでした。Windows自体が若干更新されているのかもしれません。
下記がTeclast X98 Plus IIでディスプレイの拡大率・画面方向を変更した場合の実行結果は次の通りです。また、参考に以前にChuwi Hi8 Proで実施した結果も記載しておきました。
機種 | Teclast X98 Plus II | 参考: Chuwi Hi8 Pro | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
拡大率 | 100% | 200% | 100% | 200% | ||||
画面方向 | 縦 | 横 | 縦 | 横 | 縦 | 横 | 縦 | 横 |
プロセッサ |
5.8 |
5.8 |
5.8 |
5.8 |
6.1 |
6.1 |
5.9 |
6.1 |
メモリ(RAM) |
5.9 |
5.9 |
5.9 |
5.9 |
5.5 |
5.5 |
5.5 |
5.5 |
グラフィクス |
3.9 |
3.9 |
3.6 |
3.9 |
4 |
4 |
3.9 |
4.1 |
ゲーム用グラフィクス |
– |
– |
– |
– |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
プライマリハードディスク |
6 |
6 |
5.7 |
5.9 |
5.75 |
5.85 |
5.85 |
5.9 |
画面の設定はあまり結果に影響しないようでした。
Chuwi Hi8 Proと比較すると
- プロセッサ: スペック上は同じだが、スコアは若干悪くなっている。原因は不明。
- メモリ(RAM): スペック上の容量はTeclast X98 Plus IIが2倍。そのせいかスコアがよくなっている。
- グラフィクス: GPUは同じだがスクリーンサイズ(解像度)はTeclast X98 Plus IIの方が高い。そのせいか若干スコアが悪くなっている。
- プライマリハードディスク: スペックの差は不明(容量はTeclast X98 Plus IIが2倍)。スコアは若干良くなっている。
という感じです。プロセッサのスコアが下がったのが謎ですが、全体的にはChuwi Hi8 Proより良くなっていると思います。
CrystalMark
けっこう古いフリーソフトとなりますが、CrystalMarkでもベンチマークを取ってみました。
こちらもディスプレイの拡大率や画面方向を変えてみたのですがあまり結果は変わりませんでした。
どのパターンにおいても大体こんな感じです。
Teclast X98 Plus IIとChuwi Hi8 Proの比較は次通りです。
Teclast X98 Plus II | 参考: Chuwi Hi8 Pro | |
---|---|---|
総合 |
80304 |
76585 |
ALU |
21377 |
21303 |
FPU |
18019 |
18025 |
MEM |
16702 |
17342 |
HDD |
16010 |
11111 |
GDI |
3723 |
3884 |
D2D |
1474 |
2075 |
OGL |
2999 |
2845 |
ほぼ互角ですが、HDDでTeclast X98 Plus IIがほぼ2倍のスコアを出しています。Teclast X98 Plus IIのほうが良い内臓ストレージ(eMMC)を使っているのでしょうか。
CrystalDiskMark
システム全体のベンチマークではありませんが、ストレージのベンチマークとしてCryistalDiskMarkを使用してみました。
Teclast X98 Plus IIの内蔵ストレージに対して実行すると次のような結果になりました。
Teclast X98 Plus IIとChuwi Hi8 Proの比較は次の通りです。
Teclast X98 Plus II | 参考: Chuwi Hi8 Pro | |||
---|---|---|---|---|
Read | Write | Read | Write | |
Seq Q32TI |
99.34 |
47.42 |
76.61 |
36.05 |
4K Q32TI |
10.18 |
3.423 |
13.68 |
2.005 |
Seq |
107.2 |
55.78 |
68.78 |
36.7 |
4K |
10.96 |
3.215 |
7.212 |
1.975 |
ほぼすべての項目でTeclast X98 Plus IIのほうが高速になっています。コントローラ側はChuwi Hi8 Proと同じなはずなので、採用しているeMMCチップの違いによるものだと思います。他のベンチマークでTeclast X98 Plus IIのHDDが早く出たのは間違えではなかったようです。
ストレージの速度は快適性に直結するので、これは大きなアドバンテージです。
ドラクエベンチマーク
タブレットPCをゲームマシンとして使う方もいると思うので、ドラクエのベンチマークソフトを走らせてみました。
実行結果は次のような画面で表示されます。
評価の内容については次のサイトを参考にしてください。
ディスプレイの拡大率をデフォルトの200%にした場合の結果は次の通りです。
画面方向 | 横 | 縦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
解像度 | 1920×1080 | 1280×720 | 1280×720 | |||
表示方法 | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ |
スコア |
841 |
814 |
1390 |
1301 |
– |
1320 |
評価 |
動作困難 |
動作困難 |
重い |
重い |
– |
重い |
ディスプレイの拡大率を100%に解像度をあげると結果は次のようになります。
画面方向 | 横 | 縦 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
解像度 | 1920×1080 | 1280×720 | 1280×720 | |||
表示方法 | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ |
スコア |
866 |
865 |
1492 |
1396 |
– |
1386 |
評価 |
動作困難 |
動作困難 |
重い |
重い |
– |
重い |
いずれも「グラフィックス設定」は「標準品質」にしています。
ドラクエベンチマークを連続して動かすと、かなりTeclast X98 Plus IIの背面が熱くなります。
このことに気づいて、拡大率100%の時のベンチマークは扇風機で空冷しながら行いました。拡大率を200%の方が若干スコアが低いのは、熱対策でCPUのクロックが低下していたのかもしれません。
このドラクエベンチマークの結果を見ると、このままでゲームをするのはちょっと苦しいようです。解像度を640×480まで落とすか、グラフィクス設定を「低品質」にする必要がありそうです。
ちなみに解像度を640×480にしたときの結果は「やや重い(2748)」でした。
なお、Chuwi Hi8 Proの結果は次の通りです。
拡大率 | 100% | 200% | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
画面方向 | 横 | 縦 | 横 | 縦 | ||||
解像度 | 1920×1080 | 1280×720 | 1280×720 | 1280×720 | 1280×720 | |||
表示方法 | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ | フル | ウィンドウ | ウィンドウ | ウィンドウ |
スコア | 840 | 891 | 1503 | 1613 | 1575 | 1173 | 1022 | 930 |
評価 | 動作困難 | 動作困難 | 重い | 重い | 重い | 重い | 重い | 動作困難 |
同じような設定で比較すると優劣はまちまちです。いずれにしても高い解像度ではゲームが厳しいのは同じ状況です。
Teclast X90 Plus IIは既に販売中止となっています。
Teclast社の10インチクラスで高解像度ディスプレイを備えた機種としては、Teclast T10・Teclast T20・Teclast M20があります。
Teclast T20とTeclast M20はLTEに対応しています。
まとめ
今回は中華タブレットTeclast X98 Plus IIでいくつかベンチマークソフトを動かしてみました。
中華タブレットChuwi Hi8 ProとCPUは同じですが、メモリサイズが倍増していたり、eMMCが高速になっていたりして、若干は快適になっているようです。しかし、ゲームを動かすのは少々厳しいかもしれません。
次回はTeclast X98 Plus IIでマウスとキーボードを使ってみます。
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