アメリカでプリペイドSIMを使う その3: スマートフォン選び(iPhone編)

マンハッタン アメリカ
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前回はアメリカで使用できるAndroidスマートフォンと最適なキャリアを調べてみました。これはアメリカの携帯電会社の使用している周波数(バンド)が他の国と異なり、SIMフリースマホを持ち込んでも3GやLTEが使えない場合があるからでした。

今回は同じ調査をiPhoneでやってみようと思います。

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iPhone選びの基準

iPhoneは世界中で売られているのですが、アメリカ向けだけは若干中身が違ったりします。そのため、結局は現地でiPhoneを買うのが一番確実なのですが、今回は「日本とアメリカの両方で使えるiPhoneを日本で調達する」ということで考えたいと思います。

Androidの場合は、CDMA2000に対応したSIMフリースマホを日本で入手するのが困難なので、アメリカの3G(VerizonとSprintがCDMA2000を使用している)については要注意なのですが、iPhoneはCDMA2000対応のものが多いためこれはあまり問題ではありません。

むしろどのようにSIMフリー版のiPhoneを調達するのか、ということが重要です。iPhone6sはキャリアでSIMロック解除をできるようになった(購入から180日後)ので、それを利用するのが無難です。あるいはアップルから直接SIMフリー版を入手するのがよいでしょう。

SIMロック解除に対応しているないiPhoneを持っている場合は、SIMロック解除業者を使う必要があるのかもしれません。しかしながら、私はiPhoneを使用しておらず、この辺の事情が分からないので、今回は何らかの手段でSIMフリーのiPhoneが入手できているという前提とさせてください。

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表の見方について

以下で紹介する表は縦にバンド(周波数)をならべ、横にはまず米国のキャリア(A: AT&T, T: T-Mobile, V: Verizon, S: Sprint)を次に日本のキャリア(D: ドコモ, S: ソフトバンク, K: KDDI)を並べています。それぞれのキャリアがサービスを展開しているバンドに〇がついています。

さらに右にはiPhoneのモデルが並び、各モデルが対応しているバンドに〇を入れています。「△」あるい「?」は注釈がありますので、表の下の同じ番号の注釈を確認してください。

アメリカのキャリアが使用しているバンドについてはオレンジ色で色づけしてあります。したがって単純に考えるとオレンジついているますに「〇」がついている数が多いほどアメリカで使い勝手がよいということがいえると思います。

現実的には、日本で使用しているキャリアとアメリカで利用しようと思っているキャリアを決めて、その両方で使っているバンドに「〇」が多くついている機種を選ぶとよいでしょう。なお、日本でMVNO(格安SIM)を使われている場合は、MVNOが利用しているネットワーク提供元を確認してください。たとえば、たとえばIIJmioのSIMを利用いるのならばドコモをみればOKです。

iPhoneの対応状況

今回の調査対象は比較対象は以下の6モデルです。いずれも日本で購入可能なモデルのはずです。またSIMロックは解除済みであるのは大前提です。

  • iPhone 6s (A1688)/iPhone 6s Plus (A1687)
  • iPhone 6 (A1586)/iPhone 6 Plus (A1524)
  • iPhone 5s (A1453)
  • iPhone 5c (A1456)
  • iPhone 5 (KDDI用) (A1429)
  • iPhone 6 (ソフトバンク用) (A1429)

3Gの対応状況 (WCDMA)

まずはWCDMA(UMTS/FOMA)の対応状況です。この通信方式はアメリカだとAT&TとT-Mobileが、日本だとドコモとソフトバンクが採用しています。

この表を見るとすべてモデルでAT&T・T-Mobileが使えます。ただ、iPhone5についてはバンド4に対応していないので、T-MobileよりAT&Tのほうがよいでしょう。

バンド 周波数 米国
キャリア
日本
キャリア
6s
6s Plus
6
6 Plus
5s 5c 5
KDDI
5
Softbank
A T V S D S K A1688
A1687
A1586
A1524
A1453 A1456 A1429 A1429
1 2100
2 1900
3 1800
4 1700
5 850
6 800
7 2600
8 900
9 1700
10 1700
11 1500
12 700
13 700
14 700
19 800
20 800
21 1500
22 3500
25 1900
26 850
32 1500

3Gの対応状況(CDMA2000)

次はCDMA2000の対応状況です。この通信方式はアメリカだとVerizonとSprintが、日本だとKDDIが採用しています。

注意する必要があるのは、ソフトバンク用のiPhone5だけです。このモデルは一切CDMA2000をサポートしていないので、Verizon・SprintのSIMと組み合わせて利用することができません。

それ以外のモデルでは実質的に差異はありません。iPhone5c以降を利用しているのであれば、VerizonやSprintのSIMを使うのもありだと思います。

バンド 周波数 米国
キャリア
日本
キャリア
6s
6s Plus
6
6 Plus
5s 5c 5
KDDI
5
Softbank
A T V S D S K A1688
A1687
A1586
A1524
A1453 A1456 A1429 A1429
0 800
1 1900
2 800
3 800
4 1800
5 450
6 2100
7 700
8 1800
9 900
10 800
11 400
12 800
13 2500
14 1900
15 1700

LTEの対応状況

最後にLTEについてです。LTEについてはキャリアごとにちがう方式を使っているようなことはなく周波数(バンド)さえ一致すれば使用することができます。

アメリカでも日本でもLTEのサービスエリアはかなり広がっているので、LTEの対応状況が最も重要です。

表にしてみると、iPhone6s~5cとiPhone5では状況がかなり違います。iPhone5であればAT&Tを使うのが無難そうです。KDDI向けのiPhone5であるならばSprintもありかもしれません。

iPhone6s~5cであるならば、AT&T・T-Mobile・Verizonのいずれでも大丈夫だと思います。

バンド 周波数 米国
キャリア
日本
キャリア
6s
6s Plus
6
6 Plus
5s 5c 5
KDDI
5
Softbank
A T V S D S K A1688
A1687
A1586
A1524
A1453 A1456 A1429 A1429
1 2100
2 1900
3 1800
4 1700
5 850
6 800
7 2600
8 900
9 1700
10 1700
11 1500
12 700
13 700
14 700
17 700
18 800
19 800
20 800
21 1500
22 3500
23 2000
24 1600
25 1900
26 850
27 850
28 700
29 700
30 2300
31 450
32 1500
33 TDD
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44

おすすめのキャリア

わかったことは、iPhone5c以降のiPhoneはかなり対応バンドが多く、日本でもアメリカでも問題なく利用できる可能性が高いことです。特にiPhone6s/6s Plusの対応バンド数の多さは特筆ものです。

モデルごとのお勧めのキャリアを選ぶと次にようになるのではないでしょうか?

もちろん、いずれもiPhoneがSIMフリーであることが前提です。

  • iPhone 6s/6s Plus ・・・ AT&T・T-Mobile・Verizon・SprintのいずれもOK
  • iPhone 6/6 Plus ・・・ AT&T・T-Mobile・Verizon・SprintのいずれもOK
  • iPhone 5s ・・・ AT&T・T-Mobile・Verizon・SprintのいずれもOK
  • iPhone 5c ・・・ AT&T・T-Mobile・Verizon・SprintのいずれもOK
  • iPhone 5 (KDDI向けのSIMロック解除できたら) ・・・ AT&TかSprint
  • iPhone 5 (ソフトバンク向けのSIMロック解除できたら) ・・・ AT&T

iPhoneて便利ですね。

まとめ

今回はアメリカでのiPhoneの対応状況を調べてみました。

iPhone 5s/5c以降の対応バンド数はかなりのもので、アメリカも日本もほぼカバーしている状況です。うまくSIMフリー版を入手することができたら、日本でもアメリカでも快適に利用できることでしょう。

次回は到着した空港でのプリペイドSIMカードの販売状況を紹介したいと思います。

コメント

  1. シーサー より:

    以前iPhone5sのアメリカ向けを持っていました。最初は「アメリカ国内ではキャリア別SIMロック、海外(アメリカ以外)ではシムフリー」という仕様でしか出ていなかったので、どこのキャリア向けにするか迷いました。アメリカで使うときは購入したキャリアの制限がかかるためです。
    しかも日本の5sと同一のモデルはスプリントが採用。日本のモデルはロックがかかっていますからspモードが使いたい場合のシムフリーは当初スプリントしかありませんでした。日本のシムフリー発売は電撃発表でした。
    現在は日本でもアメリカでもアップル公式シムフリーが出ていますし、spモードも開放されましたから、あえて使いにくいスプリントのiPhoneを購入しなくてもよくなりましたが、iPhoneもシンプルそうに見えて実にいろいろややこしいです。
    台湾やタイでも買えますが、同じモデル名でもCDMAは使えない仕様です。アップルも明示していない情報が多く、新作がでるたび調査(や人柱様の報告)が欠かせません…。

    • scratchpad より:

      コメントありがとうございます!

      自分はiPhoneは全く使ってないのでイマイチiPhoneの事情が分からず、Web等を使って四苦八苦しながら調べました。
      確かに同じモデル名でモデムが違う機種があるようで厄介ですね。

      資金が潤沢にあれば自分で試すのですが、そうもいかないので、
      もし間違えがあれば、ぜひ読者の方に指摘していただきたいところです。

  2. A より:

    ちなみにverizonは基本彼らが販売してる端末のIMEI以外受け付けないですよ。
    AndroidのNexus6 sim freeでverizonを使おうとしたけど、販売されたIMEIリストには載ってなかったのでactivationできないと。裏技じゃないけど即にactiveされたアカウントのsimを使うと使用可能だったとか。ただ友人がアメリカに来た時、試しにiphone5sをverisonのプリペイドで試したら、なぜかactivationできた。iphoneだったからできたのか、なぜできたのかは不明。仮にiphoneなら大丈夫ならiphoneはどこでも使えて最強ですね。
    自分はandroid派なので日本に帰った時、mnpでソフトバンクからnexus 6pを7,200円で買い、sim lock解除したのちアメリカで使う予定です。そのうちverizonでもnexus 6p販売すると思うで、そしたらverizonにまた戻る予定です。結局verizonが一番問題なく使えるんで。それまではgoogleのproject fi試してみます。

    • scratchpad より:

      コメントありがとうございます。

      確かに調べてみるとVerizonはいろいろガードが堅いみたいですね。アクティベーションの容易さを考慮すると結局AT&TかT-Mobileになって、ネットワークの差でAT&Tの一択になる気がします。

      Verizonの情報はあとで追記しておきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。

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