中華圏でプリペイドSIMを使う その6: 中国移動香港のローミングSIMの中国本土で使ってみる

中国
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前回は中国移動香港(チャイナモバイル香港)のローミング対応プリペイドSIMカードの初期設定を紹介しました。

今回はこのプリペイドSIMカードを実際に使った様子を紹介したいと思います。

使用したのは中国本土(四川省)です。このプリペイドSIMカードを買う方は中国本土に行く方が多いのではないかと思います。

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中国での接続状況

今回購入した中国移動香港のプリペイドSIMカードは4G(LTE)に対応しています。このため、四川・成都でアクティベーションするとあっさりLTEでつながりました。

LTEで接続中

電波状況を調べてみると、LTE-TDDのB38で接続していました。そして周囲にはB40とB41の電波も飛んでいることがわかります。日本ではまずお目にかからないバンドです。

TDD LTE B38で接続中

また別のタイミングで調べてみると、今度はB38の他に、B1・B3・B8の電波も確認できました。

周囲の電波

B1・B3・B8は日本でも使われているLTEバンドなのでこれらの電波が飛んでいるエリアならば日本国内向けのスマホでもLTEが使える可能性があります。

しかし、チャイナモバイルの主力はTDD-LTEであるB38・B39・B40・B41なので、TDD-LTE対応するスマートフォンを利用するのが確実です。

今回は四川・成都と九寨溝の間をバスで旅行したのですが、周囲に建物がある場所であればLTEでつながるのですが、郊外になってしまうと幹線道路上でもLTEでつながらない(GSM/Edgeになってしまう)ことがありました。

GSMでの接続中

また中国の一大観光地である九寨溝においても、端の方の湖になると、LTEではなくEdgeになることがしばしばありました。

中国移動香港のSIMカードでLTEが使えないときも、同時に利用していた中国聯通香港のローミングSIMではLTEあるいは3Gが使えたことから、正直なところカバレッジには不満を感じました。

しかし、チャイナモバイル(中国移動)は中国最大のキャリアでカバレッジが低いということは考えにくいです。

私が使っていたPixel 2がチャイナモバイルのTDD-LTEの全バンドに対応していないせいではないかと思います。

チャイナモバイルのTDD-LTE B38・39・40・41に完全に対応していないスマートフォンを利用する場合は中国聯通香港のローミングSIMを使うことをお勧めします。

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通信速度

気になる通信速度を調べてみます。

測定にはSpeedtest.netというアプリを利用しました。

Speedtest - インターネット速度
Speedtest - インターネット速度
‎Speedtest - インターネット速度
‎Speedtest - インターネット速度

成都市内では3回測定しました。

1回目は成都中心部の早朝です。

成都での通信速度 1回目

なかなか高速な結果となりました。

2回目は同じく成都中心部となりますが、時間は夜の23時です。

成都での通信速度 2回目

1回目に比べてかなり遅くなりました。夜ということもあって回線が混んでいたせいかもしれません。

3回目は成都・双龍空港です。時間は朝の7時半頃です。

成都での通信速度 3回目

今度はまずまずという状況です。

これだけのサンプルではなんとも言えませんが、チャイナモバイルはユーザ数が多いので、混雑状況に影響を受けやすいのかもしれません。

なお、九寨溝のホテルで測定してみたところ、LTEとしてはかなり悲惨な結果となりました。

九寨溝での通信速度

九寨溝はかなり僻地にあるのでインフラが整っていないのかもしれません。

規制対象アプリの利用

香港発行のSIMカードを中国本土で利用する最大の理由は中国のインターネット規制を回避するためです。

実際に規制対象のアプリ・サービスを使ってみるとどうであったか紹介します。

LINE

ご存じのメッセージングアプリです。LINEは中国本土では規制されていて使えません。

中国国内だと全く使えないのですが、中国聯通香港のSIMを使えば問題なく利用することができます。

スタンプ・写真・動画の送受信も可能です。

LINE通話も問題なくできました。

Gmail

メールアドレスとしてGmailを使っている方は多いと思います。このGmailも中国本土では規制対象です。

こちらも中国移動香港のSIMを使えば利用可能です。

Googleマップ

中国では地図は国家機密として管理されています。

中国における地理的データの制限 - Wikipedia

このため定番であるGoogle Mapは使えません。

もちろんこの規制も中国移動香港のSIMカードを使って回避することができます。

しかし、Googleマップの利用についてはもう一つ落とし穴があります。それは「中国国内でGPSがずれる問題」です。

中国では別体系の座標系を使っているらしく、Google Mapでは実際の位置から500mほど西南西にずれて表示されます。

この問題は現地のSIMを使った場合にも発生します。

正しい地図を表示したい場合には百度マップのような中国製の地図を使うしかありません。

ステータスの確認方法

プリペイドSIMカードだと気になるのはあとどれくらい使えるかと言うことです。

パッケージには「*140#」で確認できるようなことが書いてありましたが、試してみたところ正解は「*#130#」でした。

ステータス確認

これでまず画面に残高(通常は0香港ドルのはずです)と有効期限が表示されます。

有効期限

そして続けてSMSが送られてきて、その中にどれだけデータを消費したのかということが書かれています。

データ通信量の確認

このSMSを受信した時点では「1705.79MB」を消費していることになります。またあと99分の通話と100通のSMSが利用可能であることもわかります。

後半のSMSは言語の変更方法なので無視してもOKです。

なお、今回購入した中国移動香港のSIMカードのパッケージには「2GB」と記載されていましたが、Amazonでは「3GB」として売られていました。

試しに帰国する直前に動画などを再生してデータを消費してみたところ2GBを超えて利用できました。おそらく3GBまで使えるのではないかと思います。

しばらく使った感想

さて中国滞在中にこの中国移動香港のローミグ対応SIMカードを使った状況ですが、都市部ではまずまずの快適さでした。

しかし上記のように郊外でLTEで接続できずGSM(Edge)になることもしばしばありストレスを感じました。通信速度の上限は中国移動の方が上かもしれませんが、LTEでつながらないと話になりません。

私のスマートフォン(Pixel 2)の問題かもしれませんが、正直なところ中国聯通香港のローミグ対応SIMカードの方が使い勝手が良いと感じました。

中国移動香港のローミグ対応SIMカードのメリットは通話とSMSが利用できることですが、実際に通話を使うことはほとんどないはずです。

通話が必須でない場合は中国移動香港のローミグ対応SIMカードを利用する方が無難と思います。

まとめ

今回は中国移動香港のローミング対応SIMを実際に中国本土で利用した様子を紹介しました。

スマートフォンがTDD-LTEに対応していて都市部であれば中国聯通香港のローミングSIMよりも高速に通信できる可能性があります。

ただ、スマートフォンによっては郊外でのつながりが悪くなるようですので、僻地に旅行に行く方は注意した方が良いかもしれません。

次回からはしばらく中華ガジェットを紹介したいと思います。

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