前回は中華WindowsノートPCのJumper Ezbook Airに日本語Windows10をクリーンインストールしたことを紹介しました。
今回はベンチマークソフトをEzbook Airで実行して、性能を確認してみたいと思います。
結果についてはChuwi Hi8 ProとTeclast X98 Plus IIという中華Windowsタブレットとも比較してみます。Chuwi Hi8 ProとTeclast X98 Plust IIについては下記を参照してください。
ベンチマークソフトを実行する際には、CPU性能が最大まで出るように付属のUSB-ACアダプタで給電している状態で行いました。
今回使用しているJumper Ezbook Airは通販サイトのGearBestから提供していただきました。
Jumper Ezbook Airの販売は既に終了しており、いまは再生品(Refurbished)が流通しているのみのようです。
JumperのノートPCのコンパクトな製品といえば現時点では11.6インチのJumper EZbook X1になるようです。EZbook X1はGeekBuyingで269.99ドル(2019/03/02時点)で販売しています。
GeekBuyingで購入にトライしようと思う方は下記サイトを参照してみてください。
またJumperの製品はクーポン対象になりやすいので、クーポンをチェックすることをおすすめします。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows7まであったWindowsエクスペリエンスインデックスというスコアを表示する機能がありました。
実はこのスコアはWindows10でも表示させることができます。
これは「コマンドプロンプト(管理者)」を開いて「winsat formal -restart clean」というコマンドを実行するとテストが実行されます。
「コマンドプロンプト(管理者)」はスタートメニューを右クリックすると表示されるメニューから出てきます。
「winsat formal -restart clean」はバッテリー駆動状態では実行できないので付属のUSB-ACアダプタで給電しておきましょう。
結果は「c:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」に格納されます。ファイルはいくつか生成されますが重要なのは「実行日時 Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml」です。
このファイルを取り出してWinSAT Viewerにドロップすると結果が表示されます。
以下がEzbook Airでの実行結果の例です。
ゲーム用グラフィックスのスコアはWindows10では表示されないとのことです。
私が所有しているWindows10タブレットとスペックと測定結果を比較すると次のようになります。
機種 | Jumper Ezbook Air |
Teclast X98 Plus II |
Chuwi Hi8 Pro |
|
---|---|---|---|---|
スペック | CPU | Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8300 |
Atom x5 Z8300 |
RAM | 4GB | 4GB | 2GB | |
ストレージ | 128GB | 64GB | 32GB | |
測定結果 | プロセッサ | 5.2 | 5.8 | 6.1 |
メモリ (RAM) |
5.9 | 5.9 | 5.5 | |
グラフィクス | 4.1 | 3.9 | 4 | |
ゲーム用 グラフィクス |
– | – | 9.9 | |
プライマリ ハードディスク |
6.8 | 6 | 5.75 |
プロセッサはEzbook AirのAtom X5-Z8350が一番高性能なはずなのですが、スコアは一番低くなっているのが意外です。
それ以外についてはEzbook Airのスコアが上回っています。実際使っていてもこれらのタブレットよりもEzbook Airのほうが快適に感じます。
CrystalMark
けっこう古いフリーソフトとなりますが、CrystalMarkでもベンチマークを取ってみました。
Ezbook Airでの実行結果は次の通りです。
ここでも私の所有しているタブレットと比較してみます。
機種 | Jumper Ezbook Air |
Teclast X98 Plus II |
Chuwi Hi8 Pro |
|
---|---|---|---|---|
スペック | CPU | Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8300 |
Atom x5 Z8300 |
RAM | 4GB | 4GB | 2GB | |
ストレージ | 128GB | 64GB | 32GB | |
測定結果 | 総合 | 81525 | 80304 | 76585 |
ALU | 18468 | 21377 | 21303 | |
FPU | 15323 | 18019 | 18025 | |
MEM | 17238 | 16702 | 17342 | |
HDD | 22291 | 16010 | 11111 | |
GDI | 2850 | 3723 | 3884 | |
D2D | 2583 | 1474 | 2075 | |
OGL | 2772 | 2999 | 2845 |
総合スコアはEzbook Airがトップとなりましたが、CPU関連の項目(ALUとFPU)ではEzbook Airのスコアが低くなっています。
Ezbook Airの総合スコアがトップになった理由にはHDD(内蔵ストレージ)のスコアが、比較対象と比べてかなり高いからのようです。
Ezbook AirのCPUはAtom X5-Z8350で、比較対象のタブレットのCPUであるAtom X5-Z8300よりも高速な動作ができるはずです。
しかしベンチマークでスコアが伸びないということは、何らかの理由で動作クロックが抑えられていたのかもしれません。
実際に使った感じでは、Teclast X98 Plus IIより快適にWindows10が動作しますので、CPU関係のスコアの低さは気にしなくてよいと思います。
CrystalDiskMark
システム全体のベンチマークではありませんが、ストレージのベンチマークとしてCryistalDiskMarkを使用してみました。
Ezbook Airの内蔵ストレージに対して実行すると次のような結果になりました。
ここでも私の所有しているタブレットと比較してみます。
機種 | Jumper Ezbook Air |
Teclast X98 Plus II |
Chuwi Hi8 Pro |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
スペック | CPU | Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8300 |
Atom x5 Z8300 |
|||
RAM | 4GB | 4GB | 2GB | ||||
ストレージ | 128GB | 64GB | 32GB | ||||
測定結果 | 方向 | Read | Write | Read | Write | Read | Write |
Seq Q32TI |
142.8 | 70.98 | 99.34 | 47.42 | 76.61 | 36.05 | |
4K Q32TI |
24.59 | 27.53 | 10.18 | 3.423 | 13.68 | 2.005 | |
Seq | 164.2 | 76.55 | 107.2 | 55.78 | 68.78 | 36.7 | |
4K | 17.22 | 26.71 | 10.96 | 3.215 | 7.212 | 1.975 |
同じような構成の3機種ですが、明らかにEzbook Airのほうが高速なことが分かりました。
これはこれまでのベンチマークの結果で、Ezbook AirのHDDが高速という結果が出たのと同じです。
おそらくEzbook Airで採用している東芝のeMMCが高速なのではないかと思います。
ストレージの速度は快適性に直結するので、これは大きなアドバンテージです。
残念ながらJumper EZbook Airの販売は終了してしまいました。
現在はGearBestで再生品(Refurbished)を取り扱っています。
JumperのコンパクトのノートPCとしてはJumper EZbook X1があります。
まとめ
今回は格安中華WindowsノートのEzbook Airでいくつかベンチマークソフトを動かしてみました。
Ezbook AirはWindowsタブレットと同じようなパーツ構成として価格を下げていると思われますが、ベンチマーク結果から見ると従来の中華タブレットより高速なストレージを採用しており、それが体感性能の向上につながっていると考えられます。
次回はEzbook AirのUSB機能を試してみたいと思います。
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