前回は個人輸入した北米版Google Pixel 4の初期設定を紹介しました。
今回はこの北米版Google Pixel 4でMotion Senseと呼ばれるレーダー機能が使えるのかどうかを調べてみたいと思います。
このレビューで使っているPixel 4は北米版のPixel 4です。国内版とは違っているかもしれないのでご注意ください。
Motion Senseと国内版Pixel 4
Motion Sense (モーションセンス)は、Pixel 4に内蔵されたSoliといわれるレーダーを使って手を触れずにPixel 4を操作することができる機能です。
できることは公式サイトに記載されています。
単にジェスチャーで操作できるようになるだけではなく、顔認証を開始する前に顔がスマートフォンに近づいてきたことをMotion Senseで認識して、より素早く顔認証をする役割もあるようです。
この機能はPixel 4で初めて搭載されました。
新機能ということであればいち早く試してみたいという気持ちになりますが、一つ問題があります。
Motion Senseで使用しているレーダー (60GHzの電波)は2019年12月現在国内での使用が法令で認められていないということです。
現在総務省で60GHzの電波の使用を認める方向で法改正の準備が進んでいるようですが、現在のところの見通しとしては解禁は2020年春頃になるといわれています。
従って、国内版Pixel 4ではMotion Senseがまだ解禁されていない(使用できない)という状況です。
GoogleのPixel 4のスペックを説明するページでもMotion Senseについては次のような注意書きがされています。
北米版Pixel 4の状況
そこで登場するのが個人輸入した北米版のPixel 4 (モデル番号 G020I)です。
Googleの説明でもMotion Senseができる国に「米国」は含まれています。
この北米版Pixel 4を使えばMotion Senseをちょっとだけ早く体験できるのではないか、と期待してしまいます。
そこで「設定」→「システム」を確認してみると・・・
「Motion Sense」が見事にグレーアウトしています。
横にある「!」をタッチしてみると「この国では使えない」とのメッセージが表示されてしまいました。
残念ですが北米版Pixel 4でも日本国内ではMotion Senseは使えないようです。
悪あがきをしてみてる
これだけだとつまらないのでいろいろ条件を変えて試してみました。
SIMカードを替えてみる
日本のSIMカードを挿していたのでそのせいかもしれないと思い、いろいろ試してみることにしました。
なお、Wi-Fiはオフにしてあります。
試した結果は次の通りです。
SIMカード | Motion Sense | SIMの状態 |
---|---|---|
SIMカード無し | × | – |
Lycamobile (デンマーク) | × | ○ |
Orange (ポーランド) | × | ○ |
SFR (フランス) | × | × |
T-Mobile (アメリカ) | × | × |
Public Mobile (カナダ) | × | × |
中華電信 (台湾) | × | × |
China Unicom (香港) | × | × |
DTAC (タイ) | × | ○ |
Snail Mobile (中国) | × | × |
「SIMの状態」というのはSIMが生きているかどうかです。古いSIMを引っ張り出してきたので、一部のSIMカードは既に無効になっていました。
Googleの説明よれば、試したSIMのうち「アメリカ」「カナダ」「ヨーロッパ(デンマーク・ポーランド・フランス)」「台湾」ではMotion Senseが解禁されているはずですが、これらのSIMを用いてもMotion Senseは有効になりませんでした。
タイムゾーンを変えてみる
SIMを変えてはダメなのでスマートフォンの設定の「タイムゾーン」を変えてみました。なおSIMカードはT-Mobile(アメリカ)を挿入してあります(だたし既に有効期限切れのSIMカード)。
まず「設定」→「システム」→「日付と時刻」で「ネットワークから提供されたタイムゾーンを使用する」をオフにします。
続いて「設定」→「システム」→「日付と時刻」→「タイムゾーン」を選び、「地域」で「アメリカ合衆国」→「ニューヨーク」を選択します。
念のため再起動してから「設定」→「システム」を確認してみると・・・
やっぱりMotion Senseはグレーアウトされたままです。
言語を変えてみる
もはや諦め気味ですが言語も変えてみました。
「設定」→「システム」→「言語と入力」→「言語」→「言語を追加」で「English (United States)」を選択します。
追加した「English (United States)」を1番上に持ってきます。
そして念のため再起動してから「設定」→「システム」を確認してみると・・・
やっぱりMotion Senseはグレーアウトされたままです。
位置情報を無効にしてみる
「設定」→「位置情報」で位置情報の使用を「OFF」にしてみます。
これで再起動してみましたが、やっぱりMotion Senseは使えませんでした。
ググってみる
自分の力ではどうにもならないのでググってみたところ、あっさりと情報が出てきました。
このサイトには次のように書かれていました。
Motion Sense gestures only work if your Pixel 4 is connected to a carrier in 1 of 53 whitelisted regions
翻訳すると
Motion Senseジェスチャーは、Pixel 4が53ヶ国のホワイトリスト(Motion Senseが解禁されている国)のいずれかのキャリアと接続しているときのみ機能する
と書かれています。
つまり、Motion Sense解禁国のSIMカードを差しても、日本にいると日本のキャリアに接続(ローミング) されてしまい、Motion Senseが使えなくなってしまうということです。
ついでにこのサイトにはむりやりMotion Senseを有効にする手段も書かれていました。どうやらルート化してゴニョゴニョすれば良いようですが、これはまた今度にしたいと思います。
まとめ
今回は北米版Pixel 4でSoliレーダーを使ったMotion Senseが使えるかどうかを試してみました。
Motion Senseが解禁されている国のSIMカードを探してみていろいろ試してみましたが、残念ながらMotion Senseは無効のままでした。
どうやら 北米版Pixel 4をもってしても日本国内にいる限りはMotion Senseは使えないようです。
次回はPixel 4でベンチマークソフトを動かしたいと思います。
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