前回まではVS Codeなど開発ツール類を紹介してきました。
今回は久しぶりの製品レビューとしてSHOKZ社の骨伝導ワイヤレスヘッドホンOpenRun Proを紹介したいと思います。
今回紹介する骨伝導ヘッドホンOpenRun Proはメーカー様より提供していただきました。
この骨伝導ヘッドフォンは2022年6月現在、メーカー直販サイトで23,880円(税込み)で販売しています。
Shokz社について
Shokz社は骨伝導技術をコアにヘッドホン製品を開発・発売している会社です。
下記が公式サイトになります。
以前は「AfterShokz」というブランド名でしたが、2021年末にShokzに改名をしました。まだShokzという名前がなじんでないのか「旧AfterShokz」と併記されることが多いようです。
Shokz社が強みとしている骨伝導技術ですが、こちらも公式サイトに詳しく紹介されています。
従来のヘッドホンと大きく異なるのは、音を鼓膜ではなく骨(頬骨)を通して送るという点です。
このためShokz社のヘッドホンは耳を塞ぎません。これは「周囲の状況を把握できる」「耳が痛くならない」など様々なメリットを生み出し、それが製品の魅力となっていると感じます。
このブログでもAfterShokz時代の製品をレビューしたことがあります。
いずれも魅力的な製品でした。
骨伝導ヘッドホン OpenRun Pro
今回レビューするのはShokz社の最新ハイエンドモデルOpenRun Proです。
スタンダードモデルのOpenRunと一世代前のハイエンドモデルAeropexと比較しつつスペック紹介すると次のようになります。
こう比べてみると、OpenRun Proは骨伝導テクノロジーが更新されバッテリーが強化された一方、防水仕様は低下していることがわかります。
ただ、防水仕様の低下と言ってもIP55は「突発的な雨の中でのワークアウト、イヤホンに汗がついても水で洗い流せるくらいの防水・防塵規格」とのことなので、実用上は問題なさそうです。
防水仕様のIP67は完全な防塵構造で水没でも浸水無し、IP55は粉塵から保護があり水の直接噴流でも影響を受けない、となります。
ただし、OpenRunとAeropexの防水仕様IP67には「水泳除く」との注釈があります。
また、OpenRunとAeropexを比較するとかなりスペックが近いことがわかります。Aeropexの販売は終了というステータスなので、Aeropexの後継がOpenRunということになりそうです。
OpenRun Proのパッケージ
早速OpenRun Proの紹介をしていきます。まずはパッケージです。
私が入手したのは「ブルー」の製品で、パッケージの男性も同じ色のOpenRun Proを装着しています。
おそらく製品の色によってパッケージが変るのだと思います。
パッケージは正面・底面を含め日本語の表記はありません。
以前入手したAeropexでは2年保証のシールは日本語でしたが、今回入手したものでは「2 YEAR WARRANTY」と英語の記述になっていました。
パッケージの背面にはこの製品の特徴が紹介されています。
取り上げられている特徴は7つで、7言語で記載されていますが、残念ながら日本語はありません。
ざっと訳すと
- 骨伝導テクノロジーによる耳を塞がないデザイン
- Shokz TurboPitchテクノロジー
- デュアルノイズキャンセリングマイク
- チタンフレーム
- IP55の防水性能
- 10時間の再生と通話
- 急速充電
という感じです。
パッケージの底面には各種認証ロゴや・シリアルナンバーなどが記載されています。
なお、ここには日本の認証マークである技適マークがありませんが、技適マークについては本体にありますので問題ありません。
パッケージを確認したので開封していきます。パッケージの外側は筒状になっており、横から引き出すようにすると内側の箱が出てきます。
この内側の箱をあけるとOpenRun Proが入ったケースが出てきます。
このケースのしたには取扱説明書などのドキュメント類も入っています。
ケースとドキュメント類を取り出したのが下の写真です。ケースについていた保護シートは外しています。
ドキュメント類は
- ユーザガイド
- シリアルナンバーカード
- アプリケーションカード
- 法律上のご注意
になります。
ケースを開けると、中にはOpenRun Pro本体と充電ケーブルが格納されています。
OpenRun Proの内容物詳細
それではパッケージの中身をチェックしていきます。
OpenRun Pro本体
私の入手した「ブルー」のOpenRun Proはブルーとダークブルーのツートンカラーとなっています。
写真だと色の再現が難しいのですが、ややグリーン寄りのブルーという感じです。
この形状やパッケージの写真からわかるように、ダークブルーの部分は首の後ろに回し、アーチ状の部分を耳に掛けて使用します。
チタンフレームと言うことで変形してしまうようなことはありません。というか形状記憶合金の様に変形させても元の形状に戻ってくれます。
全体はシリコンゴムと思われる素材でカバーされているため、手触りは優しく、チタンフレームと言っても金属質で痛いと言うことはありません。ただ、以降の写真でも気づくように少々ホコリや手の脂がつきやすいのが難点です。
さてShokzの製品で特徴的な振動部(耳の前の骨に当てる音を伝える部分)をみていきます。下の写真は左側用の振動部を内側から見たところです。
肌に触れる部分については完全にフラットな面になっています。しかし前方の側面にはメッシュ状の穴が空いています。
下側の面にもメッシュ状の穴が空いています。
さらに上側にはスリット状の穴があります。
写真を撮り忘れましたが、実は後方側面にもメッシュ状の穴があります。
このように振動部に穴があるのが、前モデルのAeropexとの大きな違いです。Aeropexの振動部はは密閉構造でした(マイク用の穴は有りました)。
おそらくこれは骨伝導テクノロジーが「第9世代骨伝導技術 Shokz TurboPitch」になったことによるものと思われます。第9世代となって重低音が強化されたとのことですが、それがこのデザインの違いに影響しているのでしょうか。
一方、このようなデザインは防水的にはマイナスのはずで、それが防水仕様がIP55になった主要因と思います。
次に操作・マイク関係をチェックしていきます。
電源ボタン・ボリュームボタンは右側に設けられています。この場所は装着した時に耳の裏に位置する部分で、ボタンは押しやすいと思います。特に電源ボタン兼ボリュームプラスボタンは指で触ってわかるように凸凹加工されており、操作性は良好です。
ボリュームマイナスボタンの下に見えるのは充電用の端子です。本体の形状に沿って斜めに配置されています。実際に充電ケーブルを接続した様子は後ほど紹介したいと思います。
もう一つのボタンは左側の振動部に用意されています。
このボタンはマルチファンクションボタンで様々な操作を行うことができます。
このボタンで行うことができる主な操作は次のようになっています。
- クリック1回:
- 音楽の再生・停止、
- 電話への応答(電話着信時)
- 通話の終了(通話中)
- クリック2回: 次の曲へ
- クリック3回: 前の曲へ
マイクは右側にあります。
2つの穴がおそらくマイクです。2つのマイクを利用するので「デュアルノイズキャンセリングマイク」という名前がついているのだと思います。
最後にロゴ等の情報を確認しておきます。ロゴは左右の内側に印刷されていますが、日本の技適マークは右側にあります。
ちゃんと認証を受けているので、日本国内で利用しても電波法違反にはなりません。
左側にはアメリカのFCCマークのほか型番や充電仕様が書かれています。
ここの情報から、この製品の型番は「S810」で、充電仕様は「5V=300mA」であることがわかります。
前モデルのAeropexは「5V=120mA」だったので、スペック上は2.5倍の速度で充電できることになります。
充電ケーブル
OpenRun Proの充電端子は特殊な形をしているので、充電ケーブルも専用の物が付属します。
付属する充電ケーブルは1本です。前モデルのAeropexでは2本付属していたので、このコストダウンはちょっと残念ですが、必要であれば追加購入することも可能です。
充電は通常のUSBチャージャーから行うため、ケーブルの一方は普通のUSB端子です。
もう一方のOpenRun Proに接続する側の端子は特殊な形状をしています。
このコネクタにはマグネットが埋め込まれており、OpenRun Proの充電端子を近づけるとピタッと接続することができます。
マグネットですので反対向き(間違った向き)に装着しようとしても反発してできません。このため誤装着がなく安心です。
ちなみにAeropexに付属していたケーブルと同等のようです。AeropexのケーブルでOpenRun Proを充電することができました。
ただし、充電時間(充電速度)まで同じかどうかは確認できていません。
ケース
今回のOpenRun Proのケースはファブリック製です。
Aeropexのときはシリコン素材のバッグだったため、ホコリがつきやすかったのですが、OpenRun Proのケースはそんなことはありません。
ただ、サイズは実測で15×12.5×6cmとOpenRun Pro本体に比べやや大型です。これはケース内でOpenRun Proをしっかり固定できるような造りになっているからだと思います。
この造りのおかげでケースに入れておけばそう簡単にOpenRun Proが破損するようなことはなさそうです。
ちなみにOpenRun Proと充電ケーブルを格納した状態の重量は129グラムでした。
これくらいのサイズ・重さであれば、ビジネスバッグ・リュックに突っ込んでおいてもそれほど気にならないのではないかと思います。
ドキュメント類
ドキュメント類は4種類入っていました。簡単に紹介しておきます。
ユーザガイド
ユーザガイドは多言語で記載されています。
しかしメインは英語で、日本語の説明は簡易的なものです。
日本語の詳細なユーザガイドは下記のページからPDFで入手可能です。
このPDFでは詳細に使い方が説明されているので、まずはPDFを参照する方が良いと思います。
シリアルナンバーカード
「WARRANTY CARD」と書かれているカードです。
英語で2年保証があり、カスタマーサポートは「customer.service@shokz.com」に問い合わせるように記載されています。
また、裏面にシリアルナンバーが印刷されたシールが貼られています。サポートや保証を受ける際にはシリアルナンバーが必要になると思うので、このカードをなくさないようにしましょう。
アプリケーションカード
スマホアプリを紹介するカードです。
このカードにはQRコードはないので、下記のリンクからアプリを取得すると良いでしょう。
スマホアプリでは「マルチポイントペアリングの管理」「ファームウェアのアップグレード」「EQモードの変更」などができるとされています。
法律上のご注意
各国で記載が求められる注意事項が記載された冊子です。
この冊子も多言語で書かれており、開いていくと日本語の表記を見つけることができます。
なお内容についてはダウンロードできるユーザガイドのPDFに同等のことが記載されていますので、そちらを見る方が良いでしょう。
Aeropexとの比較
これまでAeropexのことも言及してきたので、写真でも比較してみます。
下の写真は左側がAeropex、右側がOpenRun Proです。
こうして写真を見るとOpenRun Proの方が微妙に小さく見えますが、比べてみるとサイズに違いはみられませんでした。色による印象の違いかもしれません。
次の写真は底面から見た写真です。今回は左がOpenRun Pro、右がAeropexです。
この2モデルの違いは電源・ボリュームボタンがついている部分(バッテリーを内蔵している部分)であることがわかります。
Aeropexでは電源・ボリュームボタンと充電端子が同じ面に一列に並んでいるますが、OpenRun Proでは充電端子が移動して斜めに取り付けられています。これによりボタンが若干大型化して操作性が向上しています。
一方で、このレイアウトの影響で、バッテリーを格納する部分のサイズがOpenRun Proの方が若干小さくなっています。バッテリ容量が減って利用時間が短くなってもおかしくないところですが、実際には連続使用時間は8時間から10時間に伸びています。
このあたりはAeropexからOpenRun Proで内部設計が大きく変ったことがうかがえます。
まとめ
今回はShokz(旧Aftershokz)の骨伝導ヘッドホンOpenRun Proを入手したことを紹介しました。
前モデルのAeropexから様々な面を強化し、Shokzの新たなフラグシップとなる製品です。基本的なデザインは踏襲していますが、様々な強化が図られているようなので使って見るのが楽しみです。
次回はこのShokz OpenRunを実際に使って見たいと思います。
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