前回はタイのDTACのプリペイドSIMカード間で残高を転送する方法を紹介しました。
今回はタイの3キャリア(AIS・DTAC・TrueMove)で速度を比較してみました。
といっても厳密に測定したわけでもないので参考程度に考えてください。
測定条件
速度の測定にはXiaomi(シャオミ)のMi5sというスマホ (いわゆる中華スマホ)を使いました。
このスマホはCPUにSnapdragon 821を採用しており、1世代前のハイエンドスマホという位置づけになると思います。Snapdragon 821のLTEモデムとしてはCategory 12までサポートしています。
測定にはspeednet.netというアプリを利用しています。
各キャリアのインターネットパッケージは速度制限がないものを選んでいます。
測定は3キャリアで同じ場所で行うようにしました。しかし、電波状況はキャリアによって違いますし、時間によって変化もしますので、あくまでも参考として考えてください。
また、何度か繰り返し測定すべきだったのかもしれませんが、時間の関係で測定回数は数回にとどめています。
思ったより速度が出ないときに何度か測定するようにしました。
1回目: スクンビット付近 夜 19時頃
1回目の測定は旅行者が滞在するであろうスクンビットエリアのショッピングモールで行いました。
人も多い場所ですし、時間は夜の19時頃だったので、ネットワーク的には混雑することが予想されます。あまり良い条件ではなかったかもしれません。
AIS
AISのSIMでデータ通信を行ったところ、アンテナピクトの表記は「4G+」となり、SIMのステータスを確認するとキャリアグリゲーションになっていることがわかります。
Network Signal Guruというアプリで信号状況を確認すると、バンドは3を利用していました。
キャリアアグリゲーションをしていると、赤字の「LTE」という文字が「LTE 2×CA」というような表示になるのですが、このときはタイミングが悪かったのか「LTE」のままでした。
この状態で測定した結果が下記です。
かなり速い速度が出ました。正直なところ驚きました。
DTAC
DTACはこの場所ではアンテナピクトの表記は「4G」のままで「4G+」にはなりませんでした。
SIMのステータスを見ても「LTE」のままで「LTE_CA」とはなっていません。
電波の状況は次の通りです。LTEのバンドは1です。このバンドは日本でも広く使われているバンドです。しかし、帯域幅が5MHzとなっており、15MHzのバンド3に比べると速度的には不利になっています(一般的に帯域幅が広い方が速度が速くなります)。
このときの測定結果は次の通りです。
普通に見ればまずまずの速度ですが、AISの結果と比べると見劣りするのは確かです。
AISのバンド3での周波数帯域に対して3分の1なので、速度も3分の1と考えれば妥当かもしれません。
TrueMove
TrueMoveはAISと同様に4G+(キャリアアグリゲーション)でした。
周波数もAIS同様にバンド3です。また、「LTE 2×CA」となっていてキャリアアグリゲーションしていることがわかります。
なぜかTrueMoveは3回測定していたので3回分の結果を紹介します。
ほぼ同じような結果となりました。AISよりは遅いですが、DTACよりは十分に早くなっています。
これはバンド3を使っていることが効いていると思います。
2回目: スクンビット付近 深夜 2時頃
2回目の測定はスクンビットエリアのホテルで行いました。深夜なので電波は空いていることが期待できます。
2回目はサーバ側の影響を考えて、測定アプリでサーバを手動で選択しました。
測定は3回行い、1回目はTrueのサーバを、2回目はAIS、3回目はDTACを選択するようにしました。
AIS (バンド 3)
しばらく待っているとアンテナピクトの表記が「4G+」となったので、そのタイミングで測定してみました。
周波数は1回目と同じくバンド3です。
1回目と同じ条件なのでスピードが出るのではないかと思い、3回ほど測定してみました。
一番早い2回目はAISのサーバです。サーバによって差が出ていると言うことは、モバイルネットワークの速度よりも、基地局から測定サーバ間の通信速度が影響を与えているのかもしれません。
いずれもLTEとしては十分早いですが、1回目のように80Mbpsというようなスループットは出ませんでした。
半分以下なのでキャリアアグリゲーションできていなかったのでしょうか?
AIS (バンド 8)
Network Signal Guruで電波の状態を見ているとAISはバンド8でつながることがあることがわかりました。
キャリアアグリゲーションもしていませんし、周波数帯域が5MHzなのであまりスピードが出ない可能性がありますが、この状態でも測定してみることにしました。
いま思えば、Network Signal Guruの機能でバンドを固定すれば良かったのですが、このときはそのまま測定してしまいました。
測定中にバンド8から多のバンドに乗り変わってしまった可能性もあります。
バンド3を使用した場合に比べ通信速度は三分の一程度になりました。
やはり割り当てられる周波数帯域が狭いバンドではスピードが出ないようです。
DTAC
DTACの状況は1回目の測定と同じくバンド1です。
3回測定した結果は次のようになりました。
サーバによる影響は出ておらず、全体として安定しています。しかしLTEとしてはちょっと物足りない感じです。
1回目に比較しても半分になってしまっています。
TrueMove
最後にTrueMoveでの測定です。電波状況としてはバンド3でキャリアアグリゲーションしています。
1回目と同じように50Mbps越えを期待していたのですが・・・ 残念ながら10~20Mbpsの間に収まりました。
DTACよりは早いですが、AISのバンド3にはかなわないという感じです。
まとめ
今回はタイの3キャリアの通信速度をバンコク市内で測定してみました。
測定は2回だけだったので厳密な比較というわけではありませんが、通信速度はAIS > TrueMove > DTACという感じです。ただし、高速なバンド3を利用しているかどうかで結果は大きく影響を受けます。
また、深夜のホテルよりの夕方のショッピングモールの方が早かったのが意外です。ショッピングモールは人が集まるので、基地局を強化しているのかもしれません。
コメント
こんにちは やはりAISが安定しているようですね
さていつも相談で申し訳ありません
タブレット用で 期間は1か月 データーのみ2G位で
キャリアはどこでもよくコスパがいい
最適なシムはどれでしょうか
アドバイス頂ければと思います。
コメントありがとうございます。
しばらく留守にしていたため、回答が遅れ申し訳ありません。
ちょっと調べる時間がないのですが、
バンコクなど都市部であれば一般的にはTrueMoveがコストパフォーマンスがよい気がします。
「4G NET SIM」が入手できればちょうど良いかと思います。
(しかし店員さんは旅行者には基本的に旅行者用のSIMを売ろうとしてきますが・・・)
お世話になります
やはりAISが安定ですね
質問ですがタブレット用にデーターSIMを考えています
2G位で期間は1か月 電話番号は継続しなくてよく
スマホはAISですが
キャリアは問わずコスパのいいのはどれでしょう
宜しくお願い致します
ありがとうございます
夏版も読ませて頂きました
30日4.5bの AISかDTACあたりを使ってみようと思います
調べてみたところAISは大容量のインターネットパッケージが見当たらなくなっています。
30日4.5GBならばDTACかTrueMoveがおすすめです。
https://scratchpad.jp/prepaid-sim-in-thailand-68/
なるほど有難う御座います