前回はインドのプリペイドSIMカード事情を調べてみました。今回はいよいよ現地に購入です。
今回はインド南部カルナータカ州のバンガロール(ベンガルール)に空路で到着しました。空港は数年前に新しくなっており、現在はケンペゴウダ国際空港(バンガロール国際空港でも通じます)となっています。バンガロールへの旅行者はそれほど多くないと思いますが、バンガロールはインドのIT産業中心地なので出張で行かれるが多いと思います。
なお、私のスマートフォンはSIMロックを解除してあります。海外でプリペイドSIMを使おうと思っている方は、SIMロック解除してあること(いわゆるSIMフリー状態)を確認してください。
はじめに
コーチン国際空港ではパスポートの提示のみで簡単に購入できたとの情報もいただいております。私はバンガロールで大変苦労しましたが、特殊な例かもしれません。
インドでプリペイドSIMカードを購入にチャレンジされた方は是非情報をお寄せください!
いつもなら私の体験した内容を順次まとめていくのですが、インド編は最初に注意事項を記載しておきたいと思います。
最終的に私はAirtelのプリペイドSIMカードを購入することに成功しましたが、非常に困難でした。これまで30ヶ国近くでプリペイドSIMカードを購入しておりますが、インドはプリペイドSIMカードの購入がこれまでの中で最も困難な国でした。万全の準備をしてから挑戦することをお勧めします。
インドでプリペイドSIMカードを購入しようとする方は下記を準備しておくことをお勧めします。
- パスポート(必須)
購入する際に身分証明書が必要です。外国人の場合はパスポートを提示する必要があります(コピーされます)。
パスポートについてはインドに行く際に持っているはずなので特に問題ないと思います。 - パスポート用サイズの写真 2枚 (必須)
購入時の申込書に添付するために必要です。
現地でも写真を撮れないこともありませんが時間がかかります。日本で用意しておくことをお勧めします。 - 現地の住所 (必須)
滞在しているホテルの住所か、仕事で出張中ならば勤務先(訪問先)の住所でもよいと思います。
ホテルのバウチャー等を持って住所がわかるようにしておきましょう。 - 自分を知っている現地の人の電話番号(必須)
購入時の申込書に第三者の電話番号を記入する必要があります。
SIMの購入後に購入した人が実在の人かどうかを問い合わせる電話がかかってくるそうです。現地の友人の電話番号を把握しておいた方がよいでしょう。
もしかしたらホテルの電話番号とかでもよいかもしれません。いずれにしろ、後で確認の電話がかかってくることを伝えておきましょう。 - 十分な現金(必須)
クレジットカードは受け付けてくれない可能性があります。現金を用意しておきましょう。最低500ルピーはあったほうがよいです。 - 日本の住所が英語で確認できる公的書類(推奨)
私の場合はこれが一番もめました。
SIMカードの販売店は住所を証明する書類のコピーを取りたかったようなのですが、日本のパスポートは住所は印刷されていないため使用することができません。
私は最終的には何とか交渉で切り抜けましたが、何らかの日本の住所を証明する公的な書類があると手続きがスムーズにいくと思います。おそらく国際運転免許が妥当なのでないかと思います。 - SIMカードカッターかアダプタ(推奨)
自分のスマートフォンのSIMカードサイズがマイクロSIMの場合は要注意です。
通常サイズのSIMとナノSIMしか売っていない可能性もあります。店がカットしてくれない可能性もあるので、マイクロSIMが必要な場合は、通常サイズを自分でカットするか、ナノSIMをアダプタを介して使うことになるかもしれません。 - 案内してくれる現地の人(推奨)
何らかのトラブルになった時にインド人の人がいると非常に心強いです。インド人との交渉はインド人に任せるのが一番です。 - タクシー・ハイヤーなど信頼のおける交通手段(推奨)
AirtelやVodafoneのお店に行くのに交通手段が必要です。インドで公共交通機関を使うのはなかなかハードルが高いので自由につかえる車があると安心です。 - 十分な時間(推奨)
交通渋滞、店の混雑、店員ののんびり、、、などなど、インドでは予想外のことが起こります。
十分な余裕がないとプリペイドSIMカードの購入にさける時間がなくなる可能性があります。余裕を持って行動しましょう。 - 英会話能力(推奨)
プリペイドSIMカードを購入するためにも店員さんと会話する必要がありますが、さらに、プリペイドSIMカードをアクティベーションするときにもオペレータと電話で会話する必要があります。
誰かに代わってもらうこともできるかもしれませんが、ある程度の会話はできた方がよいです。
これらは私がバンガロールでAirtelのプリペイドSIMカードを購入した経験からリストアップしたものです。他の地域や他の携帯電話会社だと異なるかもしれません。しかし、同様の準備はしておいた方がよいと思います。
バンガロール国際空港の状況
さてプリペイドSIMカードの購入ですが、まずは、到着したバンガロール国際空港で探すことにしました。
空港に到着したのは夜中の12時ぐらいでした。税関をぬけて到着ロビーを抜けましたが特に売店のようなものは見当たりません。
そこで空港の案内係にプリペイドSIMカードを売っているか聞いたところ、無いといわれてしまいました。
どうやら空港ではプリペイドSIMカードを取り扱っているお店はないようです。
バンガロール市内でプリペイドSIMカードを購入!
結局、バンガロール市内の携帯電話ショップに行くことにしました。現地の人に聞いたところ、Airtel(エアルテル)がNo 1なのでお勧めということで、近くのAirtelのお店にタクシーで向かいました(渋滞で1時間かかりましたが・・・)。
また、現地のインド人が一人付き合ってくれました。結果としてこれが大きな助けになりました。
申込書の記入
まず、Airtelの店舗で店員さんにプリペイドSIMカードの購入を告げると、申込書の記入を求められます。申込書には次のような情報を記入する必要があります。
- 自分の氏名
- 家族の名前(父、母、あるいは配偶者)
- 電子メールアドレス
- 国籍
- パスポート番号・有効期限
- 職業
- 現地の住所(インドでの住所)
これはホテルなどでOKのはずです。 - 恒久的な住所(日本の住所)
- 現地の人の名前と連絡先
外国人がプリペイドSIMカードを買う場合は現地の人の紹介(Reference)が必要です。私は買い物に付き合ってくれたインド人の名前と電話番号を記入しました。 - サイン
項目が多くて面倒ですが、一つ一つ埋めていけばよいので特に問題はないと思います。実際、ここまでは全く問題ありませんでした。
身分証明書の提示
しかし、この後に第一の問題発生です。記入が終わるとパスポートの提示を求められます。コピーを取って申込書と一緒に保管するのと、申込書に記載している内容が正しいかどうか確かめるためです。パスポートを持っていたのでそれを渡したまでは良かったのですが、「住所はどこに記載されているのか」と聞かれます。日本のパスポートには住所の欄はないと伝えても、「住所が印刷されていないとプリペイドSIMカードを売ることはできない」と言い張るのです。どうやら、
- インドのパスポートには住所が印刷されているので印刷されていないのはおかしい
- パスポートに住所が印刷されていないとお前の住所が確認できない
- したがって、プリペイドSIMカードは売れない
という論理構成のようです。
何とか日本のパスポートには住所がないということを理解してもらっても、日本の住所を証明するものを出せと言われてしまいます。国際運転免許があれば公的な書類ですし住所が印刷されているのでよかったのですが、インドで運転する予定はなかったので持ち合わせていませんでした。結局、一緒に行ったインド人が店の偉い人に掛け合ってくれて、書類による住所の確認はなしでOKとなりました。トラブルを避けるためには、日本の住所を示す何らかの公的書類(もちろん英語)を用意しておいた方がよいでしょう。
顔写真
ようやく住所問題を切り抜けたと思ったら第二の問題発生です。ようやく店の偉い人から売ってよいという話になったと思ったら、次は顔写真を2枚要求されました。しかし、私はそんなことを知らなかったので写真は持ち合わせていなかったのです。写真なしで何とかしてくれとお願いしたのですが、さすがにそれはだめでした。
店員に近くに写真屋(Photo Studio)はあるか?と聞いたところ、この先にあるということなので、待たせておいたタクシーでPhoto Shopに向かいます。しかし、言われたところに行ったところ、閉まってしまっているのか発見することができません。結局、タクシーの運転手が周りの人にいろいろ聞いて写真屋を見つけてくれました。そこで写真撮影と印刷をお願いして8枚80ルピー(即印刷の追加料金込み)で何とか写真を手に入れることをに成功しました。
ちなみに、申込書の写真欄のサイズは3cm×3cmなのでこのサイズでよいと思いますが、店員にはパスポートサイズ(4.5cm×3.5cm)といわれました。写真があればよく、あまり厳密ではないようです。
私のようにインドで写真を撮影するのはかなり困難ですし時間もかかります(写真屋さんは動きがものすごいのんびりでした)。写真は日本で用意していった方がよいでしょう。
写真を手に入れたら急いでAirtelショップに戻って店員に渡します。ちなみに、この時点で夜の7時を回っており閉店の時間でした。しかし、写真撮影に行っている間に店を閉められないように、同行してくれたインド人が店に残っていてくれました。
写真を2枚渡すとようやく書類がそろったことになるので、支払いをするとようやくプリペイドSIMカードを手に入れることができます。
ついに入手!
今回購入したプリペイドSIMカードは次のようなものでした
- スマートフォン用のプリペイドSIMカード(THE SMARTPHONE NETWORK)
- 価格は280ルピー
- インターネット 500MB(30日間有効)と通話150ルピー込み
- 有効期限は90日
- サイズは通常SIMサイズ
SIMカードのサイズは通常サイズとナノサイズしかないとのことです。私のスマホはマイクロSIMなので、通常サイズのSIMをカットするようにお願いしたところ、それはできないと断られました。どうやら自己責任でカットしてくれ、ということのようです。
そして最後の注意点が
- SIMカードが使えるようになるには1日ほどかかる
- アンテナが立ったら「59059」に電話をしてアクティベーションが必要
とのことです。
なんと、プリペイドSIMカードを入手してもすぐに使えないのです・・・ これにはがっくり来ましたが何とかプリペイドSIMカードを入手するという目的を果たしたということで、この日は満足することにしました。
下記が今回入手したプリペイドSIMカードのパッケージになります。
まとめ
今回はインド・バンガロールの市内でAirtelのプリペイドSIMカードを入手したことを紹介しました。
住所を証明する書類を求められたり、顔写真が必要だったり、かなり苦労しました。現地人のサポートがなかったらもっと苦労したことでしょう。インドでプリペイドSIMカードを買う場合は現地の人に付き添ってもらった方がよいと思います。
次回はこのプリペイドSIMカードをアクティベーションして使えるようにします。
コメント
こんにちは。
一昨日インドに入り、SIMカードを購入してみました。結論から言うと、コーチン国際空港ではパスポートの提示のみで5分程度で購入できました。パスポートやビザのコピー、住所証明もホテルのリファレンスレターも必要なく、写真もその場でスマホで撮っただけでした。書類も全部Airtelの人が記入してくれて、私が書いたのは自宅住所とサインだけです。SIMカッターも不要で、スマホを渡して、気がついたらすべて設定済みで返ってきました。
説明では1時間で回線が繋がるので(実際には15分後にはアンテナが立っていました)、アンテナが立ったら59059に電話をして、英語を選んで、パスポートの下4桁を入れるとアクティベートされるということでした。
私の場合、その後データ通信に繋がらなく、試行錯誤の上、スマホのネットワークオペレーターが自動選択になっていたのを手動でAirtelに設定して、再起動したら繋がるようになりました。
かかった費用は合計500rs。係員の説明が正しければ、30日間3GBのデータが使えて、残額が170rsということでした。3G Balanceがrsでしか出てこないので、本当に3GBなのかどうかよく分からないです。
現在のバランスはこんな感じです。
Balance: Rs.161.0. Validity: 10/07/2032.
3G Balance: Rs. 989.0. Validity: 06/03/2016
情報ありがとうございます!
コーチンの空港ではそんなにあっさりだったのですか!?
インドでは州どころか人が違うだけでいうこともやることも全然違うことはよくありますが、ここまで違うとは・・・!驚きです。
ITで有名なバンガロールのほうが遅れているのかもしれませんね。
貴重な情報ありがとうございました!