前回まではボリビアのプリペイドSIMカード事情を紹介してきました。
今回は南米つながりでチリのプリペイドSIMカード情報です。
チリには2015年にいったことがあり、そのときに現地のSIMカード情報を調べています。
しかし3年近く経過していることから、今回の渡航前に調査し直しました。
チリ以外のプリペイドSIMカードについては下記のまとめページを参照してください。
チリのSIMカードの入手性
2016年にチリに旅行をしたときには、町のパソコンショップでプリペイドSIMカードを購入することができました。
しかし、2017年9月より法令が変わり、チリのSIMカードを利用するには、使用するスマートフォンのIMEの事前申請が義務づけられました。
この規制のせいで、空港や町中のお店でSIMカードを気楽に購入することができなくなったという情報をもらいました。
この規制は、盗難されたスマートフォンのIMEIをブラックリストとして管理することで、盗難のスマートフォンを使えないようにするためとされています。このような規制をかけることで、スマートフォンの盗難が減ることを期待しているようです。
しかし、このような規制があると困るのが旅行者です。旅行中という限られた時間にIMEIの事前申請をするというのはなかなか困難です。
そこで2018年7月に新たなルールが導入されました。この新たなルールでは、海外から持ち込んだデバイスは30日間はIMEIの登録なしに利用できることになりました。
つまり再び旅行者でもチリでSIMカードを使うことができるようになりました。
ドコモのローミング情報
いつものように渡航前にドコモのローミング情報を確認します。
この情報でドコモ端末で確実に通信ができる携帯電話会社を把握することができます。また、3G対応やサービスエリアについても確認可能です。最近ではLTEのローミング情報も記載されています。
ドコモのチリでのローミング情報は下記のページから入手することができます。
2019年10月からドコモのローミング情報サイトが変更になり、選択した機種のローミング情報のみが表示されるようになってしまいました。
ちょっと使いにくくなった気がします。
2019年03月の状況は下記の通りです。
EntelとMovistarの2社とローミング可能ですが、3Gが使えるのはMovistarのみとなっています。
2016年の調査時の情報とMovistarでLTEが利用できる点が新しくなっています。
ドコモのローミング情報ではEntelではLTEと3Gが使えないことになっていますが、ドコモ端末で使用できる周波数と異なる周波数を利用しているからのようです。
Wikipediaの情報
Wikipediaには各国の携帯電話会社の情報がまとまっています。
チリの情報は下記になります。
2019年3月時点の情報は次の通りです。
ドコモのローミング情報に出ていた2社のほかにClaroとWOMという会社、そしてMVNOとして6社が記載されています。
WOMは2年前はかなり小さい会社だったのですが、着実にユーザを増やしているようです。しかし、まだ上位三社と比べると規模は小さい状況です。MVNOについては情報が少なく旅行者にはハードルが高いので、選択肢はMovistar・Entel・Claroの3社と考えてよいと思います。
上の表で赤の線を引いたのが3Gの情報、緑の線がLTEの情報です。
気になる周波数(バンド)の状況は以下の通りです。
Entel | 3G | Band 2 (1900MHz), Band 8 (900MHz) |
---|---|---|
LTE | Band 2 (1900MHz), Band 7 (2600MHz), Band 28 (700MHz) | |
Movistar | 3G | Band 2 (1900MHz), Band 5 (850MHz) |
LTE | Band 7 (2600MHz), Band 28 (700MHz), Band 38 (2600MHz) | |
Claro | 3G | Band 2 (1900MHz), Band 5 (850MHz) |
LTE | Band 2 (1900MHz), Band 7 (2600MHz), Band 28 (700MHz) |
太字になっているのは主に使用されていると思われるバンドです。
こうやって比較してみると、LTEの周波数に関しては3キャリアはほとんど同じと思ってよいでしょう。
LTEのBand 28については日本でもドコモ・ソフトバンクが利用しているので日本で売られているスマートフォンでも利用できる可能性が高いでしょう。
インターネット上の情報
渡航前に自分のブログを保存していったのですが、やはり最新の情報は英語のサイトの方が頼りになります。
今回は下記のサイトをメモって行きました。
なお、チリ通貨のペソは2019年3月現在で約6年=1ペソという状況です。チリ・ペソ価格を1/6すれば大体の日本円での価格になります。
Entel
- プリペイドSIMカードの入手
- スーパーマーケット等で「Super Chip」という名前で入手可能
- 価格は3,500~4,000ペソ、初期残高は1,000ペソ
- アクティベーションは販売店にやってもらう。自力で行う場合は「301」に電話する
- インターネットパッケージ
- 「bolsas prepago」という名前でサービスを展開
- 「*119#」で購入可能
- 調査時の状況は以下の通り
データ量 通話 期間 価格 100MB なし 3日間 500 200MB なし 7日間 1,000 300MB 50分 3日間 1,000 500MB なし 15日間 2,500 800MB 100分 7日間 2,000 1GB なし 30日間 5,000 1.5GB 150分 7日間 3,000 2GB なし 2日間 2,000 3GB 200分 15日間 5,000 4.5GB 200分 30日間 8,000 - 2019年からはEntelアプリで申し込める無制限(データ・音声)のパッケージ(Prepower)が提供された
期間 価格 1日間 890 4日間 3,290 7日間 5,290
- APN情報
APN imovil.entelpcs.cl ユーザ名 entelpcs パスワード entelpcs - コマンドなど
- 残高確認: 「*103#」
- データ残量確認: 「*102#」
Movistar
- プリペイドSIMカードの入手
- スーパーマーケット等で入手可能
- 価格は2,000ペソ、初期残高はなし
- LTEを使いたい場合は、LTE用のSIMカードを入手する必要あり
- アクティベーションは販売店にやってもらう。自力で行う場合は「103」に電話する
- インターネットパッケージ
- 「*303#」で購入可能
- 自動更新のパッケージ (PrePlan)
データ量 通話 期間 価格 1GB 160分 7日間 2,000 1.6GB 200分 7日間 3,000 3GB 300分 15日間 5,000 4GB 400分 30日間 7,000 6GB 600分 30日間 10,000 - 自動更新なしのパッケージ (Bolsas Prepago)
データ量 通話 期間 価格 100MB なし 1日間 500 200MB 20分 1日間 500 2GB 60分 2日間 2,000 100MB なし 3日間 1,000 300MB 50分 3日間 1,000 200MB なし 5日間 2,000 800MB なし 7日間 3,000 1.5GB 180分 7日間 3,000 1.5GB なし 15日間 5,000 3GB 250分 15日間 5,000 2GB なし 30日間 7,000 4GB 350分 30日間 7,000 - データ無制限のパッケージ (Bolsas de Internet Illimitadas)
期間 価格 1日間 (24時間) 1,000 2日間 (48時間) 2,000 3日間 (72時間) 3,000
- APN情報
APN web.tmovil.cl ユーザ名 web パスワード web - コマンドなど
- 残高確認: 「*303#」 (1回 70ペソ)
Claro
- プリペイドSIMカードの入手
- Claroの店舗などで購入可能
- 価格は1,000~2,500ペソで、初期残高はなし
- インターネットパッケージ
- アクティベーションコードをSMSで2020に送信することで購入可能
- 調査時の状況は次の通り
データ量 期間 価格 アクティベーション
コード100MB 24時間 500 IM500 200MB 3日間 1,000 IM1000 400MB 3日間 1,500 IM1500 700MB 7日間 2,000 IM2000 1GB 15日間 3,000 IM3000 2GB 15日間 5,000 IM5000 3GB 30日間 7,500 IM7500
- APN情報
APN bam.clarochile.cl ユーザ名 clarochile パスワード clarochile
まとめ
今回は事前に調査したチリのプリペイドSIMカード事情について紹介しました。
2017年の法律変更で、チリはプリペイドSIMカードを利用するためにスマートフォンのIMEIを登録する必要がありました。
しかし、2018年7月より、海外のスマートフォンを持ち込んだ場合は、30日間は登録不要で利用できるようになりましたので、再び旅行者もプリペイドSIMカードが利用可能になりました。
次回はチリでプリペイドSIMカードを購入したことを紹介します。
コメント