お名前.com VPSへ移転 その10: WordPress引越し前の準備1

建築中

前回はお名前.com VPSにインストールしたKernel 4.0.0のベンチマーク結果を紹介しました。

今回からはいよいよというかようやくWordPressの引っ越しを実行したいと思います。今回は準備編としてWordPressに必要なパッケージのインストールをしていきます。

ただ、Debianの新バージョン(jessie)がリリースされたばかりというタイミングで若干混乱している状況もあったりします。

WordPressに必要なパッケージ

WordPressに必要なパッケージは大きく分けて下記の5つです。

  • WoredPress自体
  • Webサーバ
  • データベース
  • PHP
  • その他

これらを順次インストールしていくことになりますが、依存関係としてはWordPressを最後にインストールすることになります。

Webサーバのインストール

WebサーバにはNginxを利用します。Nginxの入手先は3つあります。

  • Debianの公式のjessie用のパッケージ: 1.6.2
  • Nginx開発元提供のパッケージ: 1.9.0 (まだjessie用は用意されず)
  • dotdeb提供のパッケージ: 1.6.3 (jessie用は準備中とのこと)

Deianがwheezyのころはdotdeb提供のパッケージを利用していたのですが、この状況を見るととりあえずDebian公式のパッケージをインストールするのがよさそうです。

この場合は単純に次のコマンドを入力すればOKです。

sudo apt-get update
sudo apt-get install nginx

この段階でWebウエブブラウザからVPSのIPアドレスに接続してみると、「Welcome to nginx!」というWebページが表示されるはずです。

設定がうまくいったら、次のようにiptablesの設定を変更して一時的に自分のPCからの接続だけを受け付けるようにしておきます。

sudo iptables -I INPUT -p tcp -d AAA.AAA.AAA.AAA -s BBB.BBB.BBB.BBB --dport 80 -j ACCEPT
sudo iptables -I INPUT -p tcp -d AAA.AAA.AAA.AAA -s BBB.BBB.BBB.BBB --dport 443 -j ACCEPT

「AAA.AAA.AAA.AAA」はVPSのIPアドレスで、「BBB.BBB.BBB.BBB」は接続テストに使う自分のPCです。

データベースのインストール

データベースの事情はちょっと厄介です。WordPressのデータベースには通常はMySQLを利用するのですが、MySQLから分離したMariaDBというデータベースも存在します。箇条書きにすると次のようになります。

  • Debianの公式のjessie用のパッケージ: MySQL 5.5
  • Debianの公式のjessie用のパッケージ: MariaDB 10.0.16
  • dotdeb提供のパッケージ: MySQL 5.6 (wheezy用のみ、jessie用は計画なし?)

安全を見るとDebian公式のjessie用のMySQLを利用するところですが、動向をみると今後はMariaDBの方が主流になりそうな雰囲気です。

せっかくなので今回はMariaDB 1.0を利用することにしました。Debianの公式パッケージなのでインストールは簡単です。

sudo apt-get update
sudo apt-get install mariadb-client mariadb-server

ついでにMySQLとMariaDBをsysbenchというベンチマークソフトで比較してみました。MariaDBはストレージエンジンをMyISAMとInnoDBの両方で測定しています。数値がよいところを青背景にしています。

お名前.com VPS

64bit Debian

Kernel 4.0.0

(Virtio: ON)

MySQL 5.5

MyISAM

お名前.com VPS

64bit Debian

Kernel 4.0.0

(Virtio: ON)

MariaDB 10.0

MyISAM

お名前.com VPS

64bit Debian

Kernel 4.0.0

(Virtio: ON)

MariaDB 10.0.16

InnoDB

平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差
1 スレッド 23.7902 0.00 25.0908 0.00 50.4969 0.00
2 スレッド 27.0136 0.00 26.7436 0.00 24.5725 0.00
4 スレッド 25.9938 0.00 27.3846 0.00 14.9554 0.00
8 スレッド 27.1775 0.01 27.0754 0.01 12.2356 0.00
16 スレッド 26.4026 0.01 27.5577 0.01 11.9408 0.00

ストレージエンジンをMyISAM同士で比較するとMySQL 5.5とMariaDB 10.0はほぼ同じです。一方、ストレージエンジンをInnoDBにしてみたところ、シングススレッドでは性能が悪いですがスレッド数が多くなるにつれてMyISAMより速くなりました。

WordPressでは同時に複数のアクセスを受け付けることになるのでデータベースエンジンはInnoDBのほうがよいかもしれません。

PHPのインストール

PHPはDebian wheezyのころはPHP 5.4だったのですが、Debian jessieになってPHP 5.6に更新されています。Debian wheezy用のPHP 5.6を配布していたdotdebでもjessie用のPHP 5.6に移行すべきとと記載されているので素直にDebian公式のパッケージを使うものとします。

sudo apt-get update
sudo apt-get install php5 php5-common php5-cli php5-fpm php5-mysql php-pear phpmyadmin

どうもphp5をインストールするとWebサーバのapacheがインストールされてしまうようなので、削除しておきます。

sudo apt-get purge apache2 apache2-bin apache2-data apache2-utils

その他のパッケージのインストール

その他WordPressに必要なパッケージがあれば入れておきます。過去のWordPressの設定から行くとmemcachedとimagemagickが必要になります。

まずはmemcachedのインストールです。

sudo apt-get update
sudo apt-get install memcached php5-memcache php5-memcached

memcachedの設定ファイル/etc/memcached.confをみてmemcachedが使用するメモリサイズは64MBとなっていることを確認しておきます。

次にimagemagickのインストールです。これは既にインストールされているかもしれません。

sudo apt-get update
sudo apt-get install imagemagick

WordPressのインストール

ようやくWordPressのパッケージのインストールです。Debian wheezyのころはWordPress 4.xを使うにはかなり苦労しました。

今回はDebian 7(wheezy)でjessieのWordPressパッケージ(バージョン4.1)を使う準備を整えます。 その結果jessieのWordPressパッケージをwheezyで使おうとすると、libcパッケージも一緒にアップグレードされてしまうことがわかりました。
今回はWordPressをアップデートする前に、念のためとして各種ファイルをバックアップします。 Debian wheezyでjessieのWordPressパッケージを使うとWordPress以外のパッケージもつられてアップグレードしまいリスクがあります。最悪のケースを考えてデータをバックアップしておきましょう。
今回はDebian wheezyの環境でWordPress4.xを利用するためにjessieのWordPressパッケージをインストールします。 WordPress以外のパッケージがちょっと心配だったのですが、思い切って実行してみた結果無事にインストールすることができました。しばらくこれで運用したいと思います。

しかし、jessieの場合はWordPress 4.1が公式のパッケージになっているので、そのまま使うことができます。

sudo apt-get update
sudo apt-get install wordpress

Webサーバのapacheがインストールされてしまうようなので、削除しておきます。

sudo apt-get purge apache2 apache2-bin apache2-data apache2-utils

備忘録: dotdebのパッケージの利用

結局今回はdotdebのパッケージを使うことがありませんでした。

忘れないようにdotdebのパッケージの導入方法をメモっておきます。まず次の内容のファイルをdotdeb.listという名前で/etc/apt/source.list.dに作成します。

deb http://packages.dotdeb.org jessie all
deb-src http://packages.dotdeb.org jessie all

さらにこのパッケージのキーファイルをインストールします。

wget -O - http://www.dotdeb.org/dotdeb.gpg | sudo apt-key add -

準備ができたら次のコマンドでインストールします。

sudo apt-get install パッケージ名

まとめ

今回はお名前.com VPS上のDebian jessieでWordPressを動かすために必要なパッケージをインストールしました。

Debian jessieは数日前にリリースされたばかりなので、今回はDebian jessieの公式パッケージだけで最新に近い環境が構築できそうです。注意する点といえばデータベースをMySQLにするかMariaDBにするかというところぐらいでしょう。

次回は今回インストールしたパッケージの設定を行い使えるようにします。