前回は個人輸入したSurface Pro 7の初期状態を確認してみました。今回はこのSurface Pro 7でベンチマークテストを実行してみたいと思います。
Surface Pro 7のスペック
Surface Pro 7には複数のモデルがあります。
私が購入したのはちょうど中間グレードとなる「第10世代 Intel Core™ i5-1035G4」を搭載したモデルです。RAMは8GB、ストレージは256GBになります。
アメリカで売られているSurface Pro 7を入手しましたが、HW的には日本で売っているモデルと同じはずです。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows7まではWindowsエクスペリエンスインデックスというスコアを表示する機能がありました。
実はこのスコアはWindows10でも表示させることができます。
これは「Windows PowerShell (管理者)」を開いて「winsat formal -restart clean」というコマンドを実行するとテストが実行されます。
「Windows PowerShell (管理者)」はスタートメニューを右クリックして表示されるメニューから出てきます。
「winsat formal -restart clean」はバッテリー駆動状態では実行できないので付属のUSB-ACアダプタで給電しておきましょう。
結果は「c:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」に格納されます。ファイルはいくつか生成されますが重要なのは「実行日時 Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml」です。
このファイルを取り出してWinSAT Viewerにドロップすると結果が表示されます。
以下がSurface Pro 7での実行結果です。
ゲーム用グラフィックスのスコアはWindows10では表示されないとのことです。
このスコアがどんな物かわからないと思いますので、かつて私が所有していた中華ノートPC・タブレットと比較してみたいと思います。
機種 | Microsoft Surface Por 7 |
Chuwi LapBook 12.3 |
Teclast Tbook10 S |
Jumper Ezbook Air |
Teclast X98 Plus II |
Chuwi Hi8 Pro |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
スペック | CPU | Core i5 1035G4 |
Celeron N3450 |
Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8300 |
Atom x5 Z8300 |
RAM | 8GB | 6GB | 4GB | 4GB | 4GB | 2GB | |
ストレージ | 256GB | 64GB | 64GB | 128GB | 64GB | 32GB | |
測定結果 | プロセッサ | 8.8 | 7.1 | 6.0 | 5.2 | 5.8 | 6.1 |
メモリ (RAM) |
8.8 | 7.4 | 5.9 | 5.9 | 5.9 | 5.5 | |
グラフィクス | 7.7 | 3.6 | 3.4 | 4.1 | 3.9 | 4 | |
ゲーム用 グラフィクス |
– | – | – | – | – | 9.9 | |
プライマリ ハードディスク |
8.7 | 6.7 | 5.9 | 6.8 | 6 | 5.75 |
価格帯が全く異なるので当然とも言えますが、Surface Pro 7のスコアが一番良くなりました。
特にグラフィクスのスコアの伸びが大きく、Intelの内蔵グラフィックコアの性能改善が大きいことがわかります。
CrystalMark
けっこう古いフリーソフトとなりますが、CrystalMarkでもベンチマークを取ってみました。
Microsoft Surface Pro 7での実行結果は次の通りです。
ここでも私が所有している中華ノートPC・中華タブレットと比較してみます。
一部のスコアは古いCrystalMarkによるスコアです。
CrystalMarkの作者によると「ベンチマークスコアは 2004/R2/R3 とほぼ同じですが微妙に異なります」とのことです。
ベンチマークソフト | CrystalMark 2004R7 |
CrystalMark 2004R3 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
機種 | Microsoft Surface Pro 7 |
Chuwi LapBook 12.3 |
Teclast Tbook 10 S |
Jumper Ezbook Air |
Teclast X98 Plus II |
Chuwi Hi8 Pro |
|
スペック | CPU | Core i5 1035G4 |
Celeron N3450 |
Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8350 |
Atom x5 Z8300 |
Atom x5 Z8300 |
RAM | 8GB | 6GB | 4GB | 4GB | 4GB | 2GB | |
ストレージ | 256GB | 64GB | 64GB | 128GB | 64GB | 32GB | |
測定結果 | 総合 | 326271 | 101121 | 72966 | 81525 | 80304 | 76585 |
ALU | 111296 | 29670 | 20811 | 18468 | 21377 | 21303 | |
FPU | 42089 | 15343 | 12534 | 15323 | 18019 | 18025 | |
MEM | 80642 | 29462 | 14987 | 17238 | 16702 | 17342 | |
HDD | 61291 | 15618 | 15780 | 22291 | 16010 | 11111 | |
GDI | 15556 | 5918 | 3232 | 2850 | 3723 | 3884 | |
D2D | 4502 | 1402 | 2754 | 2583 | 1474 | 2075 | |
OGL | 10895 | 3808 | 2668 | 2772 | 2999 | 2845 |
こちらはSurface Pro 7のスコアが圧倒的に高くなりました。はやり数万円程度の中華ノートPC・タブレットとは基本性能が違います。
実際に使っていてもストレスが全然違うので、このスコアの差は納得です。
Geekbench 5
もう少し新しめのベンチマークソフトとして、Geekbench 5を使ってみました。
CPUベンチマークの実行結果は次の通りです。
Geekbench 5ではさらにOpen CLとVulkanを使ったテストができます。これらのベンチマークテストはGPUを含めた計算能力を測定していると考えてよいと思います。
下記がOpen CLの結果です。
そして下記がVulkanでの結果になります。
これだけだと良いか悪いのかわからないので、下記で紹介されている15インチモデルのMicrosoft Surface 4の結果と比較してみたいと思います。
この記事で使用しているSurface 4では「Radeon™ グラフィックス Microsoft Surface® エディション (8 コア) 搭載 AMD Ryzen™ 7 4980U モバイル プロセッサ」というCPUを利用しているのが特徴です。
私のSurface Pro 7の結果と上記記事のSurface 4の結果を比較したのが下の表です。
モデル | Surface Pro 7 | Surface 4 |
---|---|---|
CPU | Core i5-1035G4 |
Ryzen 7 4980U (Surface Edition) |
Single-Core | 1215 | 561 |
Multi-Core | 4326 | 4096 |
OpenCL | 7925 | 14745 |
Vulkan | 5468 | 17896 |
結果を比較してみるとCPUの計算能力としてはSurface Pro 7に搭載している第10世代のCore i5プロセッサの方が優秀でした。
Ryzen 7 4980Uは8コアを搭載しており同時に16スレッドの処理が可能です。これはCore i5-1035G4の2倍に当たります。
それでもCore i5-1035G4を搭載したSurface Pro 7のSingle-Core/Multi-Coreのスコアが上回ったのは意外でした。
一方、GPUを含めた計算能力を測定するOpenCLとVulkanではSurface 4が大きくリードしています。
CPUに内蔵されているGPUがRyzen 7 4980Uの方が優秀なためこのような差になっているのだと思います。
PassMark Performance Test
もう一つPassMark Performance Testというソフトを使ってみました。
ただ動かしてみるとグラフィックスのテストで次のようなエラーが出てしまいました。
そのため結果では次のように3Dグラフィックスのスコアは無効となってしまっています。
このPassMark Performance Testの結果もRyzen 7を搭載したSurface 4のスコアがGigazineに載っていたので比較してみます。
モデル | Surface Pro 7 | Surface 4 |
---|---|---|
CPU | Core i5-1035G4 |
Ryzen 7 4980U (Surface Edition) |
CPU | 5368.6 | 18140 |
2D Graphics | 329.1 | 657 |
3D Graphics | N/A | 2570 |
Memory | 1960.6 | 2287 |
Disk | 12900.8 | 14900 |
Total | 2836.9 | 4712 |
なんと全てのスコアで後塵を拝してしまいました。
CPUに関していて場、Geekbench 5ではCore i5を搭載したSurface Pro 7の方がスコアが高かったのですが、PassMark Performance Testでは逆転されてしまっています。
おそらくPassMark Performance Testの方がマルチコアに最適化されているのだと思います。
この結果を見るとPCとしての実力はRyzen 7版のSurface 4の方が優秀と言えると思います。
まとめ
今回はSurface Pro 7でベンチマークテストを実行してみました。
当然ではありますが、数万円クラスの格安のノートPCと比較すると大きく改善しています。しかしながらRyzen 7を搭載したSurface 4と比較すると後塵を拝するという結果となりました。
次回はSurface Pro 7でモバイルディスプレイを利用してみたいと思います。
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