前回はDJI OSMO POCKET用のスマホアプリを紹介しました。
今回はこのDJI OSMO POCKETを使って撮影したサンプル映像を紹介したいと思います。比較用の機材としてはカメラに定評のあるスマートフォンのPixel 4を利用しました。
今回使用しているDJI Osmo Pocketは通販サイトのBanggoodで購入しました。
BanggoodではDJI Osmo Pocketをたびたびセールをしています。セール中ではAmazonや楽天で購入するよりもかなり安くOsmo Pocketを購入することができますので、セール情報を確認してみてください。
歩行時の動画撮影
まずは歩きながら撮影です。
OSMO POCKETのジンバルの効果が期待されるシーンです。
OSMO POCKETを持ちながら撮影した場合と、Pixel 4を手持ちで撮影した場合を比較してみました。
OSMO POCKET・Pixel 4ともに4Kで撮影したのですが、編集ソフトの都合で1080Pに解像度を落としています。また、圧縮率も上がっています。
このため画質は落ちていますので、画質については無視してください。
手持ち撮影 vs チルト固定
「チルト固定」は、OSMO POCKETがジンバルを制御してチルトとロールについては変化しないようにしてくれます(パンのみはフォローします)。
チルト固定モードで撮影したOSMO POCKETの動画と手持ち撮影したPixel 4の動画を比較したのが下の映像です。上半分がOSMO POCKETの映像で、下半分がPixel 4の映像です。
スマートフォンで撮影する場合、しっかりと脇を締めて歩けばある程度手ぶれを防ぐことができます。
このためこの比較では少々差が出にくくなっています。
よく見ると上側のOSMO POCKETの映像の方が揺れが少なくスムーズに感じられるという程度と思います。
そこで今度は小走りで撮影してみました。今回も上半分がOSMO POCKET、下半分がPixel 4です。
これだとOSMO POCKETのジンバルが効いていてPixel 4の映像より安定していることがわかると思います。
ただし、OSMO POCKETのジンバルはロール・チルト・パンの3軸のみで、上下の動作はキャンセルしてくれません。
このため上下の揺れは残ってしまいます。この点は注意する必要があります。
今回のようなシチュエーションでの撮影では、OSMO POCKETを立てて持つより、斜めに持った方がチルト方向のジンバルが効いて映像の揺れが少なく感じると思います。
手持ち撮影 vs フォロー
「フォロー」は、OSMO POCKETがジンバルを制御してロールについては変化しないようにしてくれます(パンとチルトはフォローします)。
フォローモードで撮影したOSMO POCKETの動画と手持ち撮影したPixel 4の動画を比較したのが下の映像です。上半分がOSMO POCKETの映像で、下半分がPixel 4の映像です。
固定モードのときと同様に、手持ちのPixel 4の映像との差は小さくなっています。
一方、小走りで撮影してみると、はやりOSMO POCKETの方が映像が安定していることがわかります。
手持ち撮影 vs FPV
「FPV」ではOSMO POCKETはカメラを固定せず、手で向けた方向にカメラが向きます。
ジンバルによりなめらかに方向が変わるように制御されます。これを「フォロー」と呼んでいます。
FPVモードで撮影したOSMO POCKETの動画と手持ち撮影したPixel 4の動画を比較したのが下の映像です。上半分がOSMO POCKETの映像で、下半分がPixel 4の映像です。
OSMO POCKETの映像がちょっと下向きなのは失敗です。
FPVモードではジンバルで固定されないので、両方とも歩行時の上下の揺れはほぼ同じという感じです。
小走りの映像で比較してみます。
既に紹介したOSMO POCKETの「固定モード」と「フォローモード」の場合は小走りでも揺れがおさえられていましたが、FPVモードの場合はスマートフォンでの手持ち撮影と同様に映像に揺れが現れてます。
FPVモードは撮影方向(画角)を自由に操作できる反面、ジンバルによる安定した映像は得られません。うまく使い分けたいところです。
静止しての動画撮影
画質を比較するために静止して撮影した映像を紹介します。静止といっても手持ちになりますので、若干の揺れは残っているものと思います。
OSMO POCKETは4Kの60fps、Pixel 4は4Kの30fpsで撮影しています。
まずはOSMO POCKETの映像です。元々の画像のビットレートは約95Mbpsです。
さすが4Kだけあって、水面の揺れ、細い草木もしっかりと描写できています。晴天時という良いコンディションだったこともありますが、これだけ写っていれば満足度は高いです。
強いて難癖をつけるとすれば、中央奥の草木が潰れているところでしょうか。被写体が細く、また、日陰でやや暗いこともあって描画しきれなかったようです。
続いてPixel 4の映像です。元々のビットレートは約45Mbpsです。フレーレートがOSMO POCKETの半分であることを考えれば、圧縮率としてはほぼ同等と考えてよいでしょう。
こちらも綺麗に描画できていると思います。
正直なところOSMO POCKETとPixel 4の映像を比べると甲乙をつけがたいところです。
カメラ性能に定評があるPixel 4と遜色がないとすると、OSMO POCKETの映像もなかなか良いと言えそうです。
静止画撮影
ついでに静止画を撮影してみました。
まずはOSMO POCKETです(画像を選択すると元のサイズで見ることができます)。
一方、ほぼ同じ場所で撮影したPixel 4の画像は次のようになります(画像を選択すると元のサイズで見ることができます)。
両者の画像のExifを比較してみました。
OSMO POCKET | Pixel 4 | |
---|---|---|
Make | DJI | |
Camera Model Name | Osmo Pocket | Pixel 4 |
Image Width | 4000 | 4032 |
Image Height | 3000 | 3024 |
Exposure Time | 1/1000 | 1/3906 |
F Number | 2.0 | 1.7 |
Exposure Program | Program AE | Program AE |
Exposure Mode | Auto | Auto |
White Balance | Auto | Auto |
ISO | 100 | 59 |
Shutter Speed Value | 1/1000 | 1/3902 |
Aperture Value | 2.0 | 1.7 |
Metering Mode | Center-weighted average | Center-weighted average |
Light Source | Daylight |
– |
Flash | No flash function | Off, Did not fire |
Focal Length | 4.6 mm | 4.4 mm |
Focal Length In 35mm Format | 26 mm | 27 mm |
Field Of View | 69.4 deg | 67.4 deg |
Speed X | +0.00 |
– |
Speed Y | +0.00 |
– |
Speed Z | +0.00 |
– |
Pitch | +0.00 |
– |
Yaw | +0.00 |
– |
Roll | +0.00 |
– |
Camera Pitch | +10.50 |
– |
Camera Yaw | -1.9 |
– |
Camera Roll | +0.30 |
– |
画像を見ると画角はほぼ同じように見えますが、焦点距離はOSMO POCKETの方が若干短く、広角寄りであることがわかります。
一方、Pixel 4のレンズの方が明るいようで、ISO値は低く抑えられている上に、シャッター速度も高速になっています。
また、面白いことに、OSMO POCKETのEXIFにはジンバルの状態を表す数値も入っていました。使い道はわかりませんが、ジンバル内蔵カメラのならではの情報です。
ピクセル等倍に拡大してみます。拡大したのは次の3ポイントです。
Pixel 4との比較は次のようになります。
OSMO POCKET | Pixel 4 | |
---|---|---|
1 | ||
2 | ||
3 | ||
4 |
基本的にOSMO POCKETよりPixel 4の方が解像度が高いようです。特に4の部分ではOSMO POCKETでは電線が潰れてしまっていますが、Pixel 4ではちゃんと描画できています。
1の草の部分はOSMO POCKETの方が詳細に描画できています。Pixel 4の撮影時に風で草木が揺れていたのかもしれません。
とはいえ、比較対象のPixel 4のカメラはスマートフォンの中でもトップクラスの画像といわれていますので、OSMO POCKETの画像は決して悪いものではありません。
OSMO POCKETのディスプレイだと構図を決めるのが大変ではありますが、OSMO POCKETは動画だけでなく静止画の撮影についても活躍してくれると思います。
パノラマ撮影
同じ場所で水平180度のパノラマ撮影をしてみました。
OSMO POCKETでパノラマ写真を撮影すると、OSMO POCKETのmicroSDカードにはHTMLファイルとバラバラになった静止画が記録されます。
記録されるHTMLファイルは次のようになります。
<html><head> <meta http-equiv="Content-Language" content="zh-CN"> <meta HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html; charset=gb2312"> <meta http-equiv="refresh" content="0;url=../PANORAMA/100_0018/"> <meta data-PANOMODE="180 "> </head></html>
そして「PANORAMA/100_0018フォルダ」には次のように静止画ファルが記録されます。
この画像をつなげる(ステッチング)するためにはDJI Mimoアプリを使います。
DJI MimoアプリでOSMO POCKET内の写真を確認するとパノラマアイコンがついた写真があるはずです。
この写真を選択するとステッチングが始まります。
1、2秒でステッチングが終わりパノラマ画像ができあがります。
できたパノラマ画像はOSMO POCKETに装着したmicroSDカードには保存されず、スマートフォンに保存されます。
生成されたパノラマ写真は次のようになります(選択するとオリジナル画像を表示します)。
生成されたパノラマ写真のサイズは4040×1078でした。ステッチングされる前のバラバラの画像は4000×3000です。
ステッチングによりかなり解像度が落とされているは残念ですが、手軽にパノラマ写真が撮れるのは面白いと思います。
まとめ
今回はOSMO POCKETで実際に動画・静止画を撮影して見ました。
スマートフォンPixel 4で手持ち撮影した映像と比べると、走りながらの撮影などの条件では明らかに揺れの少ない動画を撮影することができます。
また、画質も十分で、OSMO POCKETは旅行などに持って行くと大活躍してくれそうなカメラです。
次回はOSMO POCKET用のコンバージョンレンズを紹介します。
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