EOS R10とUSB充電・USB給電

カメラ
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[前回]((https://scratchpad.jp/canon-eos-r10-4)はEOS R10と複数のSDメモリカードを組み合わせて使ってみました。

今回はEOS R10のUSB充電・USB給電を試してみたいと思います。

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EOS R10のスペック

EOS R10は本体にないにセットしたバッテリーをUSBポート経由で充電することができます。

キヤノン:製品マニュアル|EOS R10|USB電源アダプターを使って充電/給電する

このUSB充電機能を使うとバッテリーチャージャーを忘れた状況などでもEOS R10のバッテリーを充電できます。

またUSB給電という機能もあり、USBチャージャーからの電力でEOS R10を動かすことができます。USB給電を使うとバッテリー切れを心配することなく撮影ができます。

使用できるUSBチャージャーについてはCANONからは次の情報が提供されています。

【ミラーレスカメラ】EOS R7/EOS R10で市販のモバイルバッテリーを使ってUSB充電・給電ができますか?

動作確認が取れているのは

  • キヤノン純正アクセサリー「USB電源アダプター PD-E1」
  • Anker PowerPort III 65W Pod + Anker「Powerline III USB-C to USB-C 0.9m」

だけのようです。

純正のUSB電源アダプターPD-E1の仕様は次のようになっています。

【カメラアクセサリー】USB電源アダプターPD-E1 製品仕様

注目すべきは定格出力です。

USB電源アダプターPD-E1の定格出力

このUSB電源アダプターの最大出力は27W(9W/3A)となっているので、27W以上の出力をサポートしたUSBチャージャー(USB PD対応)が必要と想像できます。

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用意したUSBチャージャー

これまで中華通販でいろいろなUSBチャージャーを購入したのでいろいろ試してみました。

TQUQ PD-048PT (100W)

1個目は100W出力に対応したUSBチャージャーです。

100W出力対応のUSBチャージャーTQUQ PD-048PTを試す
今回は中華通販で購入した100W出力対応のUSBチャージャーを紹介します。手元にある機材では100W出力は試せませんでしたが、60W対応のSurface Pro 7やMacbook Proに対しては純正のチャージャーと変わらないスピードで充電ができました。純正のチャージャーは持ち歩きようにして、今回購入したUSBチャージャーは据え置きようとして使ってみたいと思います。

USBスタンダードAが2ポート、USB Type-Cが2ポートありますが、USB Type-Cポートの出力は次のようになっています。

  • 5V/3A
  • 9V/3A
  • 12V/3A
  • 20V/5A

純正のPD-E1と同じ%V/3Aと9V/3Aをサポートしているので、スペック上はEOS R10の充電ができるはずです。

Xiaomi 6ポートUSBチャージャー

2個目は60W出力に対応したUSBチャージャーです。

Xiaomiの6ポートUSBチャージャーを試す
今回はXiaomiの6ポートUSBチャージャーを紹介します。このUSBチャージャーは、USB PD 18Wに対応したType-Cポート・Quick Chargeに対応したポートを含む6ポートあり、USB PDポートとQuick Chargeポートは他のポートの使用状況に影響を受けずに電力を供給することができます。コンパクトな製品ですし、複数のデバイスをお持ちの方にはお勧めできる製品です。

USBスタンダードAが5ポート、USB Type-Cが1ポートあり、USB Type-Cポートの出力は次のようになっています。

  • 5V/3A
  • 9V/2A
  • 12V/1.5A

このポートはUSB PDに対応しているっぽいのですが、最大が18WということでEOS R10の充電ができるかどうかは微妙な感じです。

Xiaomi USBチャージャー(30W / 1A1C)

3個目はコンパクトなUSBチャージャーです。私は旅行などでは常にこのチャージャーを持ち歩いています。

Xiaomi USBチャージャー(30W / 1A1C)を試す
今回はXiaomiのUSB PDに対応したUSBチャージャーを紹介します。このチャージャーはUSB Type-CとUSB Type-Aを各1ポートを備え、電源プラグが折りたためるコンパクトな製品です。スペック上は最大出力30Wのため、スマートフォンへの充電でしたら両ポートを同時に急速充電することができます。コンパクトで持ち歩きしやすいので、旅行時などにはカバンに入れておきたい製品です。

USBスタンダードAとUSB Type-Cが1ポートずつあり、USB Type-Cポートの出力は次のようになっています。

  • 5V/3A
  • 9V/3A
  • 12V/2.75A
  • 15V/2A

このUSBチャージャーは純正のPD-E1と同じ%V/3Aと9V/3Aをサポートしているので、スペック上はEOS R10の充電ができそうです。

Toocki 67W GaN USB C Charger

4個目は最近購入したUSBチャージャーです。

GaN採用のUSBチャージャーを試す (Toocki 67W GaN USB Charger)
今回はAliExpressで購入したToockiというブランドのUSBチャージャーを紹介します。窒化ガリウム(GaN)を採用していると言うことで小型ながら67Wの出力が可能な製品です。MicrosoftのモバイルPCであるSurface 7 Proに対してもUSB給電ができることを確認しました。お出かけバッグに一つ入れておくと安心な製品です。

海外通販のAliExpressで約1500円ぐらいで入手しました。

Toocki 67W GaN USB C Charger

USBスタンダードAが1ポート、USB Type-Cが2ポートあり、USB Type-Cの出力は次のようになっています。

  • 5V/3A
  • 9V/3A
  • 12V/3A
  • 15V/3A
  • 20V/3.35A

このUSBチャージャーも5V/3Aと9V/3Aをサポートしているので、EOS R10に使えそうな気がします。

ただ複数のポートを同時に使うと出力に制限が出るので、今回はUSB Type-Cポートのみを使って充電します。

用意したUSBケーブル

USB PDで充電するにはUSBケーブルも結構重要になります。そこで今回は3本のUSB Type-C=USB Type-Cケーブルを用意しました。いずれもUSB PDに対応していると主張しています。

セリアの100円 60Wケーブル

1本目はセリアで見つけたUSB PDに対応したケーブルです。60W対応とパッケージに書かれています。

セリアの100円 60Wケーブル 表 セリアの100円 60Wケーブル 裏

パッケージの情報を見るとこの製品のようです。

超急速PD60W充電対応Type-Cケーブル1m(AT-PDCASTCC02)
型番:AT-PDCASTCC02JAN:4560452322328入数:10/480

パッケージから出してみると柔らかいケーブルで使い勝手が良さそうです。

セリアの100円 60Wケーブル

ただ、このケーブルは充電専用でデータ通信はできないので注意が必要です。

Toocki 60Wケーブル (1m)

2本目はUSBチャージャーと同じToockiというメーカーのケーブルです。

Toocki 60Wケーブル (1m) 2本セット
この記事作成時点で5.46ドル(約750円)

セールだったので1.79ドル(約270円)で購入できました。2本でこの価格なのでなかなかお買い得だったと思います。

Toocki 60Wケーブル (1m) 表 Toocki 60Wケーブル (1m) 裏

ケーブルはプラグ部分が長くなっており耐久性が高そうです。またケーブル自体が非常に柔らかく取り回しが良いのが好印象です。

Toocki 60Wケーブル (1m)

販売サイトの情報によるとこのケーブルはデータ通信はUSB2.0(480Mbps)までサポートしているようです。

Essager 60Wケーブル (50cm)

3本目もAliExpressで購入したケーブルで、Essagerというメーカーのものです。

Essager 60W/100W ケーブル
長さは50cm / 1m / 2m / 3mから選択可能

1mのケーブルは既に購入していたので私は50cmのケーブルを購入しました。1.82ドルだったので日本円では270円程度です。

Essager 60Wケーブル (50cm) 表 Essager 60Wケーブル (50cm) 裏

プラグ部分に「60W」と書かれているのはいろいろケーブルが混在したときにスペックがわかりやすくて助かります。ケーブルはナイロン編みになっており耐久性が高そうです。

Essager 60Wケーブル (50cm)

販売サイトの情報によるとこのケーブルもデータ通信はUSB2.0(480Mbps)までサポートしているようです。

USBチェッカー

USBの給電状況を確認できるようにUSBチェッカーを用意しておきました。

USB Type-C対応のUSBチェッカーを入手する
今回はUSB Type-Cに対応したUSBチェッカー(USBテスター)を購入したことを紹介します。この製品はUSB Type-Cだけでなく、USB Type-Aポートの測定にも対応しているので、これを一つ持っておけば様々な環境での充電状況をチェックできるはずです。またBluetooth付きバージョンを購入すると、測定データをスマートフォンやPCで確認することができるのも便利です。

ただ、このUSBチェッカーを介してしまうと充電状況が変ってしまうかもしれないので、参考程度と考えてください。

USB充電の実験

EOS R10のマニュアルを見るとUSB充電については次のように書かれています。

EOS R10のマニュアル

充電が始まるとアクセスランプが緑色に点灯すると言うことなので、USBジャージャーとUSBケーブルで接続してアクセスランプが緑色に点灯するかどうか確認します。

結果は次の通りです。○が充電できた組み合わせで、×が充電できなかった(アクセスランプが点灯しなかった)組み合わせです。

セリアケーブル Toockiケーブル Essagerケーブル
TQUQ PD-048PT
Xiaomi 6ポート
Xiaomi 1A1C
Toocki 67W

相性や出力の問題で充電できない組み合わせもあるかと思ったのですが、いずれも充電できるようでした。

ただUSBチェッカーでみるとどの組み合わせも約5V/約1Aで充電しているようでした。わずか5Wになります。

充電中の状態

実はテストしたときはバッテリーの容量が十分にある状態でした。充電の終盤と言うことでゆっくり充電するフェーズだったかもしれないと思い、バッテリーを空にしてから試してみましたが、やはり約5V/約1Aでの充電でした。

USB充電だと満充電にするのにかなり時間がかかるかもしれません。

USB給電の実験

EOS R10のマニュアルを見るとUSB給電については次のように書かれています。

EOS R10のマニュアル

USB給電中はバッテリーの残量表示がグレーになると言うことなので、グレーになるかどうかを確認します。

USB給電中

結果は次の通りです。○が給電できた組み合わせで、×が給電できなかった(バッテリー残量表示がグレーにならない)組み合わせです。

セリアケーブル Toockiケーブル Essagerケーブル
TQUQ PD-048PT
Xiaomi 6ポート × × ×
Xiaomi 1A1C
Toocki 67W

給電の実験ですがUSBチャージャーによって差が出ました。

最大18W出力のXiaomiの6ポートUSBチャージャーでは給電することができませんでした。

USB給電ができている状態をUSBチャージャーで確認してみると電圧は約9Vとなっていて、電流は約0.3A程度でした。このときカメラはライブビュー状態です。

ライブビュー中の給電状況

これなら18W出力のUSBチャージャーでも大丈夫そうですが、カメラの動作状況によってはもっと電力を消費するのかもしれません。そのため18W出力のUSBチャージャーでは不足する可能性があるとしてUSB給電が無効になっていると思われます。

実際に4Kで動画を撮ってみたところ、電流が約0.8Aまで増加しました。

4K撮影中の給電状況

さらにメカシャッターで連写しているときは約1.2Aまで増加しました。

メカシャッター連写中の給電状況

これでも消費電力量は9.5Wということで、Xiaomi 6ポートのUSBチャージャーの上限18Wからみるとかなり余裕がありますが、安全をみてUSB給電を使うには9V/3Aの出力のUSBチャージャーが必要となる模様です。

ここで紹介した以外の手持ちのUSB Type-Cケーブルをいろいろ試してみましたが、いずれも給電できました。 USBケーブルに対する依存性は少ないのかもしれません。

Anker PowerPort III 65W Pod
CANONで動作確認済みのUSBチャージャー

まとめ

今回はCANONのミラーレスカメラEOS R10でUSB充電とUSB給電を試してみました。

いくつかUSB PDに対応したUSBチャージャーを用意してみましたが、USB充電に関しては5V/3Aの出力に対応していればできそうです。しかし、USB給電については9V/3Aへの対応が必要となるようです。

次回はEOS R10を車で充電できるようにしてみます。

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