CPUをRyzen 7 5700Xにアップグレードする

4.0
Windows PC
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前回はXiaomiのBluetooth対応温度・湿度計の紹介をしました。

今回は少し話題を変えてPCのCPUをアップグレードした話を紹介します。

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現在の環境

私はメインのPCは下記の記事で紹介したものをベースとしています。

Windows10でCPUとマザーボードを交換する
今回はWindows10で使用しているPCのマザーボード・CPUを交換してみます。Windows10を利用している場合は、Windows10がインストールされているHDD/SSDを新しいマザーボード付け加えるだけで環境を移行することができます。インターネットに接続すれば勝手にドライバ類もアップデートされるので、ドライバを探す必要もありません。Windows10になってからかんたんにマザーボードの交換ができるようになったのではないかと思います。

この記事は2019年7月に作成したものだったので、当時はWindows 10でしたが、いまはWindows 11に更新しています。

またHW的にも、NVMeのストレージを追加、RAMを64GBに増量、グラフィックスカードをGTX1660に変更など行ってきました。

これらの更新の一部は記事で紹介しています。

M.2 NVMe SSD トランセンド TS1TMTE220Sを導入する
今回はトランセンドのNVMe SSDであるTS1TMTE220Sを導入したことを紹介します。容量1TBのこのSSDは、楽天でうまくセールやポイントを使うと13,000円程度で購入することができます。シーケンシャルリード・ライトの速度は3000MB/sを超えており、この価格帯のNVMe SSDではかなりコストパフォーマンスが高い製品と言えると思います。自分のPCをパワーアップしたいと思っている方にはお勧めの製品です。<
中華通販でグラフィックスカードColorful iGame GTX 1660 Ultraを買ってみる
今回は中華通販BanggoodでグラフィックスカードColorful iGame GTX 1660 Ultraを購入してみます。中華通販ですが1週間もかからずに到着し、製品も未開封の正規品でした。輸送に伴うパッケージのへこみが気にならなければ、中華通販からの購入もありかもしれません。GTX 1660は私の用途から考えると高性能で処理能力にはかなり余裕がありそうです。

その結果、最新の状況は次のようになっています。

製品
CPU AMD Ryzen 7 2700 (8コア16スレッド, 最大4.1GHz, TDP 65W)
CPUファン サイズ CPUクーラー 虎徹 Mark II (SCKTT-2000)
マザーボード ASRock B450 Steel Legend (Socket AM4, ATX)
メモリ 64MB (DDR4-2666)
グラフィックス Colorful iGame GTX 1660 Ultra
ストレージ NVMe SSD 1TB + SATA SSD 480GB + SATA HDD 2TB
光学ドライブ DVDマルチドライブ (SATA)
OS Windows11 Home

ちなみにこの状態でのCPU-zの結果は次のようになります。

CPU-Zの結果

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CPUのアップグレード

潤沢にメモリを積んでいることもあり、この構成でそれほど困っていることはなかったのですが、

  • AM5ソケットが導入されたこともあり、AM4ソケットに対応したRyzenシリーズの価格が低下してきたこと
  • CPUを更新してから3年以上経過していること

から、そろそろCPUをアップグレードする時期かなと思い始めました。

どのCPUにアップグレードする火という話になりますが、マザーボードはそのまま使い続けたいので「AM4ソケット対応のRyzenシリーズ」と言うことは確定です。

また、コア数・スレッド数が減らないようにすることを考えるとRyzen 7シリーズかRyzen 9シリーズになりますが、価格帯を考えればRyzen 7シリーズが妥当です。

となると候補は次のようになります。いずれも8コア16スレッド、AM4ソケット対応になります。

モデル コア ベース
クロック
最大
クロック
2次
キャッシュ
3次
キャッシュ
TDP その他
Ryzen 7 5800X3D Zen3 3.4 4.5 4MB 96MB 105W 3D V-Cahe採用
Ryzen 7 5800X Zen3 3.8 4.7 4MB 32MB 105W
Ryzen 7 5700X Zen3 3.4 4.6 4MB 32MB 65W
Ryzen 7 5700G Zen3 3.8 4.6 4MB 16MB 65W GPU内蔵
Ryzen 7 3800XT Zen2 3.9 4.7 4MB 32MB 105W
Ryzen 7 3800X Zen2 3.9 4.5 4MB 32MB 105W
Ryzen 7 3700X Zen2 3.6 4.4 4MB 32MB 105W

2023年の時点でZen2のCPUを導入するメリットはないので、選ぶのはZen3のモデルになります。

これまで利用しているRyzen7 2700のTDPが65Wで、気温が高い夏でも安定して動作したことを考えるとTDPは65Wをキープしたいところです。

そうなると選択肢は「Ryzen 7 5700X」と「Ryzen 7 5700G」のいずれかになります。

私はグラフィックスボードを所有しているので、GPU内蔵の有無は関係ありません。ベースクロックはRyzen 7 5700Gの方が高く、3次キャッシュはRyzen 7 5700Xの方が大きいので、どちらを優先するかになります。

実勢価格はほぼ同じでした。

この違いがどうパフォーマンスに影響するかは微妙なところです。ゲームなど単一のプログラムでCPUに負荷をかけるならベースクロックが高いRyzen 7 5700G、様々なアプリを切り替えて使うならキャッシュが大きいRyzen 7 5700Xの方が向いているのかなと思います。

私の場合はゲームはしないのでRyzen 7 5700Xを選択することにしました。

私は楽天のJoshin Webで購入し28,800円でした。ポイントもいろいろあって3000ポイントぐらいは付いたと思います。

この記事作成時点では価格が32,800円に上がっていました。良いタイミングで購入できたのかもしれません。

また、同時にシリコングリスも購入しました。

シリコングリスは送料がかかる場合があるので、CPUと一緒に購入すると良いでしょう。私の場合は楽天のJoshin Webで394円でした。

AMD Ryzen 7 5700X

購入したのはリテールパッケージなのでちゃんと化粧箱入りで届きます。

パッケージ

Ryzen 7 5700XにはCPUクーラーが同梱されないので、Ryzen 7 2700のパッケージよりコンパクトになっています。

これだけだとモデルがわかりませんが、モデル名などの詳細は側面で確認できます。

パッケージ側面

パッケージの中身は、CPUとステッカーが入ったプラスチックトレーと取扱説明書、注意事項のカードです。

パッケージの中身

カードには「Ryzen 5000シリーズをサポートしたBIOSにアップデートされたAM4ソケットのマザーボードで利用できる」と書かれています。

マザーボードによってはBIOSのアップデートが必要になります。

私が利用しているマザーボードASRock B450 Steel LegendでもBIOSのアップデートが必要でした。

CPUはこんな感じです。Ryzen 5 5700Xはチップレットですが、プレートの下なので目視することはできません。

AMD Ryzen 7 5700X

ちなみに一緒に買ったシリコングリスはこんな感じです。

シリコングリス

使ってみる

CPUをRyzen 7 2700からRyzen 7 5700Xを変更するための手順はシンプルです。

  1. マザーボードのBIOSを最新のものに更新する
  2. PC電源をオフする
  3. PCの筐体を開き、マザーボードからCPUクーラーと古いCPUを取り外す
  4. CPUクーラーは再利用するので、古いシリコングリスをきれいに拭き取る
  5. マザーボードに新しいCPUを装着する
  6. シリコングリスを少量CPU中央に乗せ薄く広げる
  7. CPUクーラーを装着し、PCの筐体を閉じる
  8. PCの電源を投入し、BIOS画面でCPUのモデルを確認する

ポイントは、マザーボードのBIOSを更新しておくことと、使用するシリコングリスは少量にすることです。

私はマザーボードとしてASRock B450 Steel Legendを利用しているので、下記から「4.60」をダウンロードして更新しておきました。

ASRock B450 Steel Legend
AMD AM4 ソケット Ryzen™ 2000, 3000, 4000 G-Series, 5000 および 5000 G-Series Desktop ProcessorsDDR4 3533+ (OC)2 PCIe 3.0 x16, 4 PCIe 2.0 x1AMD Quad CrossFireX™グラフィックス出力オプション: DisplayPort, HDMI7.1 チャンネル HD オーディオ (Realtek ALC892/897 オーディオコーデック)6 SAT...

シリコングリスはCPUとCPUクーラーの間に塗布するものですが、CPUクーラーはかなり強い力でCPUに押しつけられることになります。シリコングリスが多いと押し出されてしまいます。CPUのピンやマザーボード状の端子などに付いてしまうと故障のを引き起こしかねないので注意しましょう。

CPUの交換後に電源を入れるときには緊張します。BIOS画面で新しいCPUのモデル情報が表示されれば一安心です。

BIOS画面での確認

Windowsを立ち上げてCPU-Zを動かすと、Ryzen 7 5700Xであることが確認できました。

CPU-Z

Ryzen 7 2700ではプロセスが12nm・コア電圧が1.376Vだったところが、Ryzen 7 5700Xはプロセスが7nm・コア電圧0.944Vとなっているのに進化をを感じます。

Ryzen 7 2700とRyzen 7 5700Xの比較

スペックの比較は次のようになります。

項目 Ryzen 7 2700X Ryzen 7 5700X
アーキテクチャ Zen+ Zen3
コア数 8 8
スレッド数 16 16
ベースクロック 3.2GHz 3.4GHz
最大クロック 4.1GHz 4.6GHz
2次キャッシュ 4MB 4MB
3次キャッシュ 16MB 32MB
TDP 65W 65W

アーキテクチャの更新だけでなく、クロック・キャッシュでも強化されていることがわかります。

どのベンチマークを使うか迷ったのですが、手頃に使えるものとしてMicrosoft Storeで配布されているCINEBENCH R23を使ってみました。

Cinebench - Official app in the Microsoft Store
How powerful is your computer? Test it with Cinebench! Cinebench leverages the same powerful 3D engine found in the award-winning animation software Cinema 4D Release 23 to accurately evaluate CPU rendering performance capabilities across v...

まずは変更前のRyzen 7 2700での結果です。

Ryzen 7 2700での結果

続いてCPUを換装してRyzen 7 5700Xにしたあとの結果です。

Ryzen 7 5700Xの結果

項目 Ryzen 7 2700X Ryzen 7 5700X 比較
Single Core 903 1525 69%向上
Multi Core 8216 13314 62%向上

スペック上は、向上したのはベースクロックで言うとわずか0.2GHz(6%)、最大クロックでいうと0.5GHz(12%)なので、ベンチマークのスコアで60%以上向上しているというのは驚きです。

三次キャッシュの増量もありますが、アーキテクチャの更新が大きいのだと思います。

AMDによると、Zen+からZen2でIPCは15%向上、Zen2からZen3でIPCは19%向上しているとのことです。

単純計算では、Zen+からZen3でIPCとして37%ほど向上していることになります。クロックの向上分を加味しても今回のベンチマークスコアの向上はかなり大きく出ていると思います。

実際普通に使っていても、Winodows全体が軽快になった感触はあります。

が、すぐになれてしまいましたが・・・

とりあえずこれであと3年ぐらいは使っていけそうです。

まとめ

今回は普段使っているPCのCPUをRyzen 7 2700からRyzen 7 5700Xに換装したことを紹介しました。

TDPを65Wに維持したまま性能の向上を果たすことができました。AM4ソケットではおそらくRyzen 5000シリーズが最後になると思います。Ryzenの古いモデルを利用している方は価格が安くなっているタイミングでRyzen 5000シリーズに替えると良いと思います。

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