前回はお名前.com VPSにインストールしたDebian 7で最低限のユーザを作りSSHの設定を行いました。
今回はこれに引き続いてネットワーク関係の設定をしていきます。前回SSHの設定を行ったので、以降はSSHで接続して行います。
IPv6の無効化
いまのところはIPv6は使う予定がないのでいったん無効化しておきます。/etc/sysctl.dに下記の内容でdisable_ipv6.confというファイルを作成します。
net.ipv6.conf.all.disable_ipv6 = 1 net.ipv6.conf.default.disable_ipv6 = 1 net.ipv6.conf.lo.disable_ipv6 = 1 net.ipv6.conf.eth0.disable_ipv6 = 1
作成したら次のコマンドで反映します。
sudo sysctl -p /etc/sysctl.d/disable_ipv6.conf
ifconfigコマンドで「inet6アドレス」が表示されなければOKです。次回からは起動時にこの設定が有効になるため、IPv6は無効になります。
iptableによるファイヤウォールの設定
まず、Linuxのiptableという機能を使って外からのアクセスを遮断します。いわゆるファイアウォール機能です。
このiptableの設定については以前ServersMan@VPSで設定したときのメモが残っていたので、それに従って行いました。
ただし、すでにIPv6は無効化しているのでIPv6(ip6tables)の部分はやっていません。ip6tablesの設定をしてしまうと、無駄なカーネルモジュールがロードされてしまうので、IPv6をつかなわい方は設定しない方がよいでしょう。IPv6を有効化している場合はip6tablesの設定は当然必要です。
なお、この設定を行った後は/var/log/syslogにiptablesが遮断したパケットが出力されます。どんどん出力されますので、ファイヤウォールを設定してよかったと思うはずです。
NTPによる時刻合わせ
サーバを構築する以上、時刻は正確に合わせておいた方がよいです。私のサーバはなぜか日本時間から15時間も遅れた状態になっていました。
時刻合わせをするソフトウェアとしてはNTPが事実上標準なので、これをインストールして使いましょう。
sudo apt-get install ntp
お名前.comでは公開NTPサーバは用意していないそうなので、こちらを参考にして公開NTPサーバを設定します。
今回は下記の四つを設定することにしました。
- ntp.nict.jp
- ntp1.jst.mfeed.ad.jp
- ntp2.jst.mfeed.ad.jp
- ntp3.jst.mfeed.ad.jp
/etc/ntp.confというファイルのserverで始まる行にあるホスト名を、上記に書き換えればOKです。
IPv6を無効にしている場合は設定ファイルの書き換えはこれでOKです。
IPv6を有効にしている場合は、IPv6が悪さをするようなのでNTPに関してはIPv4だけを使って同期するようにします。このためには、再び/etc/ntp.cofを編集して次の行を削除します(あるいは先頭に「#」を挿入します)。
restrict -6 default kod notrap nomodify nopeer noquery restrict ::1
さらに/etc/default/ntpを次ののように編集します。
NTPD_OPTS='-g -4'
IPv6を無効にした場合にも、IPv6を有効にしている場合にも、設定ファイルの編集が終わったらNTPサーバを再起動しましょう。
sudo service ntp restart
これで時間が自動的に調整されます。動作は次のコマンドで確認します。IPv6を有効にしている場合は「sudo ntpq -4 -p localhost」としてください。
sudo ntpq -p
remote refid st t when poll reach delay offset jitter ============================================================================== *ntp-a3.nict.go. .NICT. 1 u 16 64 377 1.328 0.197 0.103 ntp1.jst.mfeed. 172.29.1.100 2 u 12 64 377 2.507 0.177 0.046 ntp2.jst.mfeed. 172.16.176.60 2 u 14 64 377 2.455 0.166 0.088 ntp3.jst.mfeed. 172.29.3.100 2 u 13 64 377 2.561 1.323 0.584
NTPサーバを再起動してから10分程度経つと、先頭に「*」や「+」がついて、同期していることがわかります。
NFSの停止
お名前.com VPSでOSをインストールした直後にカーネルの状態を確認したところ、NFSのモジュールがロードされていることに気づきました。
NFSはUNIX間でファイルシステムを共有する際に便利ですが、VPSで使うことはなさそうなので削除してしまいます。
apt-get remove --purge nfs-common rpcbind
この後に再起動すればNFS関連のカーネルモジュールはロードされなくなります。手動でカーネルモジュールを削除したい場合は下記を実行します。
sudo modprobe -r nfsd nfs
まとめ
今回はお名前.com VPSをインストールした直後に行うネットワーク関係の設定を紹介しました。
前回のSSHの設定とこの設定を行えば、外部からの不正アクセスもかなりやりにくくなるので、とりあえずは安全にVPSを使うことができるでしょう。
次回はその他の細かい設定を行っていきます。
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