久々にGoogle純正スマホPixel 2の話題です。Pixel 2向けのカメラアプリも更新されNight Sight (夜景モード)が使えるようになったので試してみました。
ちなみに前回のPixel 2の記事は下記になります。
Night Sight (夜景モード)
Night Sightは暗い状況でも美しい写真を撮影することのできるカメラモードです。
Pixel 3向けの機能と思いきや、Pixel 2でも利用することができます。
Night Sightでは連射撮影(バースト撮影)した写真を単純に合成するだけでなく、カメラを持つ手の揺れ・被写体の動きなどのデータを活用し、機械学習を使って合成することにより、暗所でもきれいな写真を撮影することができます。
原理はともかくとして、Night Sightを使えばPixelシリーズでは暗闇でもきれいな写真が期待できるということです。
ただし被写体早く動く場合はNight Sightの効果は期待できません。
得意なのは夜景の撮影というところでしょう。
比較対象
サンプル画像を出す前に、今回のテストに使った比較対象を紹介しておきます。
比較対象として今回はCANONの一眼レフカメラEOS 80Dを使用してみました。
EOS 80DはCANONの一眼レフの中ではミドルクラスになります。エントリークラスとして有名なEOS Kissのワンランク上のモデルと考えてよいでしょう。
レンズについてはCANON純正のレンズではなくSIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMを使用しています。
このレンズは手ぶれ補正には対応していますが、サードパーティーレンズのため「周辺光量補正」「色収差補正」「歪曲収差補正」には対応していません。
撮影条件
撮影は台湾の観光地・九份で行いました。夕刻から夜になるまでの間に数回風景を撮影しています。
撮影時には、Pxiel 2・EOS 80Dのいずれも手持ちで撮影しています。
EOS 80Dの場合、Night Sightのような画像合成による画質向上機能はありませんので手持ち撮影では不利になると言えるかもしれません。EOS 80Dの場合は、レンズの持つ手ぶれ補正機能が頼みの綱となります。
色に関しては特にいじらず、オートホワイトバランス・明るさ補正なしとなっています。
シャッター速度などの細かい情報に関しては、サンプル画像ともに示します。
EOS 80Dの画像はJPEG撮って出しです。RAW現像ではありません。
サンプル画像での比較確認
画像はブログ用に縮小しています
サンプル画像でNight Sightの効果を確認してみましょう。
サンプル1
1つめは台湾・九份の夕暮れです。時刻は17:20です。やや薄暗いぐらいで夜景と言うほどではありません。
まずはEOS 80Dの画像です。
撮影条件は次の通りです。
シャッター速度 | 1/30 |
---|---|
絞り | 3.5 |
ISO | 3200 |
焦点距離 | 18mm (35mm換算で28.8mm) |
ストロボ禁止のオートモードで撮影しているのでISO感度が3200まで上がっています。EOS80DではISO3200ぐらいならまだまだノイズが少ない画像が期待できます。
シャッター速度は1/30秒なので、焦点距離18mmだと手ぶれが置きにくいギリギリの速度です。
写真の印象としては十分きれいですが、夕暮れという雰囲気はわかりにくいかもしれません。印象的な画像にするには絵作りが必要な気がします。
同じ場所から撮ったPixel 2の画像が次の通りです。手で撮影しているので微妙に画角が異なっているのはご容赦ください。
撮影条件は次の通りです。
シャッター速度 | 1/6 |
---|---|
絞り | 1.8 |
ISO | 50 |
焦点距離 | 4.44mm (35mm換算で28mm) |
HDRが効いてかなり印象的な絵作りになっています。シャッター速度は1/6とかなり遅くなっていますが、手ぶれがあるようには見えません。
EOS 80Dの画像と比べるとPixel 2の方の画像を好まれる人の方が多そうです。
ついでに画像の切り出して比較してみました。上段は左側の建物の看板で、下段は右上の鉄塔です。
EOS 80D | Pixel 2 |
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看板の描写については明るさの違いと言うこともできるかもしれませんが、鉄塔の描写ではPixel 2の方が明らかにはっきりとしています。
特に電線についてはEOS 80Dでは背景に溶け込んでしまっているところが、Pixel 2でははっきりと描写されています。
Night Siteの実力恐るべしです。
サンプル2
2つめはほぼ同時刻で別の角度で撮影した画像です。
まずはEOS 80Dによる写真です。
シャッター速度 | 0.3 |
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絞り | 5.6 |
ISO | 1600 |
焦点距離 | 18mm (35mm換算で28.8mm) |
このときは風景モードで撮影したせいか夜空がややブルーが強めに出ています。それ以外には何の変哲もない写真です。夜景というよりは風景写真という印象かもしれません。
ISO1600ですがシャッター速度がギリギリ手ぶれがしないところに抑えられているのがさすがです。
一方、Pixel 2のNight Sightで撮影すると次のようになります。
シャッター速度 | 1/8 |
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絞り | 1.8 |
ISO | 76 |
焦点距離 | 4.44mm (35mm換算で28mm) |
HDRの雰囲気が強めですが、ぐっと夜景らしい写真となりました。
EOS 80Dではわかりにくい手前の木々の再現されていているのも注目ポイントです。
SNS受けを狙うならPixel 2のNight Sightによる画像の方が良さそうです。
サンプル3
3枚目はもう少し時間が経過して暗さも増してきた頃です。
丘の上から海側をとらえた夜景写真です。
まずはEOS 80Dによる写真です。
シャッター速度 | 1.6 |
---|---|
絞り | 5.6 |
ISO | 1600 |
焦点距離 | 22mm (35mm換算で35.2mm) |
撮影モードは風景です。夜空に夕日のオレンジがわずかに残っていて夕暮れから夜の雰囲気が出ています。
しかし、シャッター速度が遅く、よく見るとブレが発生してしまっています。
ほぼ同じ時刻でPixel 2で撮影したのが下の写真です。
シャッター速度 | 1/9 |
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絞り | 1.8 |
ISO | 1007 |
焦点距離 | 4.44mm (35mm換算で28mm) |
EOS 80Dの写真に比べややブルーが強い傾向になりました。これは好みが分かれるところです。
それよりEOS 80Dよりも明らかに解像度が高い点が驚きです。
左側中段にある赤い屋根の建物をアップしてみました。
EOS 80D | Pixel 2 |
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EOS 80Dの方は手ぶれの影響もあり、建物の扉や窓がはっきりしませんが、Pixel 2ではしっかりと描写されています。
暗い中で手持ちの撮影という悪い条件での撮影ですが、Pixel 2でここまできれいに撮影できるとは驚きでした。
サンプル4
最後のサンプルは完全に暗くなってから撮影した物です。
EOS 80Dではクリエイティブ全自動というモードでくっきり鮮やかになるように撮影しました。
シャッター速度 | 1/80 |
---|---|
絞り | 3.5 |
ISO | 6400 |
焦点距離 | 20mm (35mm換算で32mm) |
ISOが上がったことにより手ぶれのがないシャープな画像となっていますが、全体的に暗くなりすぎました。
少し明るさをいじって建物の壁がわかるぐらいにした方が良いかもしれません。
同じ建物をPixel 2のNight Sightで撮影すると次のようになります。少し画角が違うのはご容赦ください。
シャッター速度 | 1/11 |
---|---|
絞り | 1.8 |
ISO | 51 |
焦点距離 | 4.44mm (35mm換算で28mm) |
Pixel 2では暗いないかでの撮影ながら、建物の壁面のレンガの色合いもきれいに出ています。また、建物の室内の明るい部分も白飛びすることなくきれいに映っています。
この写真もPixel 2の方がきれいな画像と言うことができるでしょう。
その他 Night Sightの作例
Night Sightで撮影した写真がいくつかあるので紹介しておきます。比較のためのEOS 80Dの画像がないので、Night Sightの作例だと思ってください。
いずれも手ぶれを感じさせることなくきれいな写真となっていることがわかると思います。
まとめ
今回はGoogle Pixelシリーズに実装されたNight Sight(夜景モード)を試してみました。
実際に一眼レフカメラと手持ち撮影で比較したところ、遜色がないどころか、Night Sightを利用したPixel 2の画像の方が美しく感じる結果となりました。
Pixel 2の方がレンズ・センサーともにかなり小さいにもかかわらず、この結果にはかなり驚きました。Pixelユーザでは積極的に使っていきたい機能だと思います。
次回は台湾の小米之家 (Mi Store)で購入したトラベルポーチを紹介します。
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