前回はEOS R10をUSBチャージャーで充電・給電してみました。
今回はこのEOS R10を車内で充電することを考えてみます。
車内でEOS R10を充電
EOS R10はミラーレスカメラと言うことで一眼レフカメラ比べるとバッテリーが持ちません。
特にドライブなどで一日中移動する場合はバッテリー対策について考えておく必要があります。ハイブリッド車などコンセントがある車ならバッテリーをカメラ付属のチャージャーで充電すれば良いのですが、コンセントがない車だと少々面倒です。
コンセントがない車での充電となると
- カーインバーターを使ってシガーソケットを家庭用コンセント(100V)に変換してカメラ付属のチャージャーでバッテリーを充電する
- USB PD対応のモバイルバッテリーを使ってEOS R10に装着したバッテリーを充電する
- シガーソケットを充電用USBポートに変換してEOS R10に装着したバッテリーを充電する
などの手段がありそうです。
その中で今回は「シガーソケットを充電用USBポートに変換」という方法を試してみたいと思います。シガーソケットを充電用USBポートに変換するデバイスをここでは「USBカーチャージャー」と呼ぶことにします。
ちなみに私の車は12Vなので12Vで検証します。
用意したUSBカーチャージャー
今回は2つのUSBカーチャージャーを試してみました。いずれも海外通販のAliExpressで購入しています。
AliExpressでの購入に興味がある方は下記を参考にしてみてください。
ノーブランド70W USB PD Car Charger (Cc-PD1)
1つ目は海外通販のAliExpressで購入したノーブランドの製品です。
AliExpressのページには「USB PD」「70W」と書かれているので購入してみました。
私は1.26ドルで購入しました。200円弱になります。
ただ届いた製品をよく見ると出力は5V/3.1Aと書かれています。どう見ても70Wには到達しなさそうです。
ちょっと不安が残る製品です。
Olaf 100W USB PDカーチャージャー
2つ目も海外通販のAliExpressで購入しました。「Olaf」という名前がついています。
この製品は「100W」「PD」と書かれているので購入してみました。
こちらはセールで1.79ドル程度で購入しました。
ただこちらも本体が届いてから確認してみると、出力に関しては「5V/3.4A」という記載と「4.5V-12V/1.5-6.5A」という記載があります。
販売サイトの情報を見ると
USB-C : DC 5.0V * 3.4a Max
USB-A : DC 4.5V-23V/1.5-6.5a Max
となっていますので、USB Type-Cポートでは最大17Wまでしか供給できないことになります。
スタンダードAポートで仮に12V/6.5Aで充電できたとすると78Wです。USB Type-Cポートの17Wとこの78を合計して約100W (合計は95W)ということなのでしょうか。
こちらもちょっと怪しげな感じです。
検証環境
USBカーチャージャーの検証と言うことで、車内でやるのがまっとうですが、それもなかなか面倒なので今回は家庭用コンセントからシガーソケットに変換する変圧器を利用しました。
ケーブルには前回の調査でUSB給電・充電ともにOKだったToocki 60Wケーブル (1m)を利用します。
USBの給電状況を確認できるようにUSBチェッカーを用意しておきました。
ただ、このUSBチェッカーを介してしまうと充電状況が変ってしまうかもしれないので、参考程度と考えてください。
USB充電の実験
EOS R10のマニュアルを見るとUSB充電については次のように書かれています。
充電が始まるとアクセスランプが緑色に点灯すると言うことなので、USBカーチャージャーとUSBケーブルでEOS R10と接続してアクセスランプが緑色に点灯するかどうか確認します。
結果は次の通りです。○が充電できた組み合わせで、×が充電できなかった(アクセスランプが点灯しなかった)組み合わせです。
充電の可否 (充電中の電圧/電流) | |
---|---|
70W USB PD (Cc-PD1) | ○ (5.01A/1.03A) |
Olf 100W USB PD | ○ (5.02A/1.03A) |
両方とも無事に充電することができました。およそ5Wで充電しているのは[前回]((https://scratchpad.jp/canon-eos-r10-5)のUSBチャージャーを使ったときと同様です。EOS R10のUSB充電のスタイルなのかもしれません。
とりあえずこれで車内で充電することはできそうです。
ただし5Wでの充電ですの充電はゆっくりだと思います。車での移動スケジュールと充電時間には注意する必要がありそうです。
USB給電の実験
車でUSB給電をしながらの撮影というのはあまりないかもしれませんが、車窓をとるときなど給電が役に立つかもしれません。
EOS R10のマニュアルを見るとUSB給電については次のように書かれています。
USB給電中はバッテリーの残量表示がグレーになると言うことなので、グレーになるかどうかを確認します。
結果は次の通りです。
給電の可否 | |
---|---|
70W USB PD (Cc-PD1) | × |
Olf 100W USB PD | × |
残念ながらUSB給電はできませんでした。
[前回]((https://scratchpad.jp/canon-eos-r10-5)のUSBチャージャーを使った実験では、USB給電中は電圧が9Vとなっていました。
おそらく今回用意したUSBチャージャーは9Vの出力に対応していないのだと思います。
USBでの充電はできたので両方のUSBジャージャーともにUSB PDに対応しているのだと思います。しかし、5V出力のみしか対応していないと思われます。70Wや100Wというのはちょっと誇大ではないかと思います。
おまけ
今回試した「ノーブランド70W USB PD Car Charger (Cc-PD1)」と「Olaf 100W USB PDカーチャージャー」についてもう少し調べてみました。
確かめたかったのはUSB Type-Cポートを使って5V以外の出力が出せるかどうかです。
用意したデバイスはスマートフォンのPixel 4(18Wの急速充電対応)、モバイルPCのSurface 7 Proです。
Pixel 4 | Surface 7 Pro | |
---|---|---|
70W USB PD (Cc-PD1) | ○ (約5V/約2.5V) | △ (約5V/約2.7V) |
Olf 100W USB PD | ○ (約5V/約2.5V) | △ (約5V/約2.7V) |
Pixel 4は18V以上のUSB PDに対応しているUSBチャージャーで充電すると約9V/約2Aで充電できるのを確認しました。このことを考えるとやはり今回の二つのUSBチャージャーは9Vの出力に対応していないのではないかと思います。
Surface 7 Proに接続した場合も5Vできないことを確認しました。この状態ではSurface 7 Proは充電状態になるもののバッテリー残量は増えません。むしろSurface 7 Proを使っているとバッテリーが徐々に減っていきます。一応電力は供給できていますが、充電はできていない感じです。
両製品とも「USB PDには対応しているっぽい」「5Vの出力のみで9V出力はサポートしていない」と言うことは間違いなさそうです。
まとめ
今回はCANONのミラーレスカメラEOS R10を車内で充電するためにUSBカーチャージャーを試してみました。
海外通販のAliExpressでUSB PD対応のUSBカーチャージャーを購入したところなんとか充電できることは確認できましたが、USB給電は行えませんでした。充電だけならUSB PDをうたう安い製品でも良さそうですが、USB給電をしたい場合はちゃんとスペックを調べて購入した方が良さそうです。
コメント