GaN採用のUSBチャージャーを試す (Baseus GaN5 Pro Fast Charger 2C+U 65W)

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今回はGaNを採用したUSBチャージャーの紹介です。

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GaN (窒化ガリウム)

GaNとは窒化ガリウムの化学式です。

窒化ガリウム - Wikipedia

窒化ガリウムはエネルギー効率に優れた半導体とされ、近年は充電器などの電力制御を行う半導体に活用されています。

GaNをUSBチャージャーに活用すると、サイズならば高出力に、同じ出力なら小型にすることができ、近年採用が増えています。

最近はノートPCなどのデバイスもUSB PD (USB Power Delivery)に対応しており、USBチャージャーで充電・給電できるようになってきます。

ノートPCの充電には45Wや65Wなどの高出力のUSBチャージャーが必要になりますが、GaN採用のUSBチャージャーであれば小さいなサイズになることが期待できます。

細かいことは置いておいて「高出力で小型のUSBチャージャーを探すなら【GaN】がキーワード」と考えておけばOKと思います。

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持ち運び用のGaN採用USBチャージャーを追加する

先日は持ち運び用のチャージャーとして「Toocki」という会社のGaN採用USBチャージャーを購入したことを紹介しました。

GaN採用のUSBチャージャーを試す (Toocki 67W GaN USB Charger)
今回はAliExpressで購入したToockiというブランドのUSBチャージャーを紹介します。窒化ガリウム(GaN)を採用していると言うことで小型ながら67Wの出力が可能な製品です。MicrosoftのモバイルPCであるSurface 7 Proに対してもUSB給電ができることを確認しました。お出かけバッグに一つ入れておくと安心な製品です。
Toocki 67W GaN USB Charger (P067AK11A2C0)
この記事作成時点で11.63ドル

この製品は最大67W出力で、USB Type-C×2・USBスタンダードA×1の合計3ポートありながら、コンパクトでなかなか良い製品でした。

この手の製品はカバンに入れっぱなしということもあるので、複数持っていても困るものではありません。

そこでもう一個買おうと思ったのですが、同じものを買ってもつまらないので違う製品を買ってみることにしました。

そこで見つけたのがBaseusというブランドの製品です。

Baseus GaN5 Pro Fast Charger 2C+U 65W
この記事作成時点で29.39ドル(約4400円)

Baseusは既に日本に参入していますが、この記事作成時点ではこのUSBチャージャーは日本市場には投入していないようです。

Baseus Official | Practical. Reliable. Base on User.
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最大出力は65W、ポートはUSB Type-C×2、USBスタンダードA×1ということで、以前購入したToockiのUSBチャージャーにかなり近いものがあります。

比較しつつレビューをしたいと思います。

Baseus GaN5 Pro Fast Charger 2C+U 65W

今回は海外通販のAliExpressで購入することにしました。

Baseus GaN5 Pro Fast Charger 2C+U 65W
この記事作成時点で29.39ドル(約4400円)

AliExpressは全世界を対象に販売しているので、日本のコンセントにささらないプラグの製品も取り扱っています。

購入する際は「USプラグ」となっている製品を探しましょう。アメリカのコンセントは日本と同じ平形です。

私は2023年11月の11.11セールのタイミングでこの製品を購入したところ、各種割引きがあり21.24ドルの支払い(送料1.49ドルを含む)で購入することができました。1ドル150円とすると3186円になります。

海外通販というと配送が心配ですがこの製品は注文から10日程度で到着しました。なかなか順調な配送でした。

パッケージはこんな感じです。今回は黒色を購入しました。

パッケージ 正面

写真ではちょっと見にくいですが左下には「Gan5 Pro FAST CHARGER 2C+U 65W US」と書かれています。

パッケージの背面にはスペックなどの情報が4か国語で書かれています。

パッケージ 背面

この4か国語には日本語も含まれています。

日本語の部分を拡大すると次のようになります。

日本語の表記

これを文字に起こすと次のようになります。

項目 内容
名称 GaN5 Proファーストチャージャー
型番 CCGAN65S5
入力 AC 100-240V, 50/60Hz, 1.5A 最大値
Type-C1/Type-C2出力 5V=3A; 9V=3A; 12V=3A; 15V=3A; 20V=3.25A 最大値
USB出力 5V=3A; 9V=3A; 12V=3A; 20V=3A 最大値
Type-C1+Type-C2 出力 45W+20W 最大値
Type-C1+USB出力 45W+18W 最大値
Type-C2+USB出力 5V=3A 15W 最大値
Type-C1+(Type-C2+USB)出力 45W+15W最大値
18W 5V=3A; 9V=2A; 12V=1.5A 最大値
20W 5V=3A; 9V=2.22A; 12V=1.67A 最大値
45W 5V=3A; 9V=3A; 12V=3A; 15V=3A; 20V=2.25A 最大値
製品サイズ 61×36.3×32mm
製品重量 約117g
名称 ミニホワイトシリーズ急速充電データケーブル
素材 TPE
電流 5A(20V=5A 100W, Eマーカーチップ付き)
インターフェース Type-C-Type-C
長さ 1m

「USB出力」というのはUSBスタンダードAポートの出力のようです。

最大の65Wと引き出せるのはUSB Type-Cポートのいずれか一方だけを使ったときであることがわかります。

USB Type-CポートとスタンダードAポートを併用すると、USB Type-C1を利用した場合は45Wと18Wの合計63Wが最大となりますが、USB Type-C2の方を利用した場合は合計で15Wとなってしまうようです。

複数ポートを併用する場合はUSB Type-Cポートは1の方が大きな電力を引き出しやすいので、こちらを優先して使う方が良さそうです。

USBチャージャーの形状は直方体です。

側面にはブランド名の「Baseus」が書かれています。

本体側面 1

別の側面には「IEC 62368-1」という安全規格に関する情報が書かれています。

本体側面 2

また「65W」とモデル名などが書かれている側面もあります。

本体側面 3

コンセントに差すプラグがある面にはスペック等が記載されています。が、文字が小さいため少々見づらいです。

本体側面 4

プラグは折りたたみ式のため、持ち運び時にはコンパクトになります。

折りたたみ式のプラグ

プラグを折りたたんだときには側面からプラグが若干はみ出す形になり、ここに指をかけることで簡単にプラグを立てることができます。

USBケーブルを挿す面はプラグと反対側になります。

USBポート側

充電用のポートはUSB Type-Cが2個、USBスタンダードAが1個になります。

USB-C1とUSB-C2は全く同じに見えますが、上述の通り複数ポートを同時に使う際にはUSB-C1の方が大電力を出力できるようになっています。

重量はスペックは117グラムで、実測では116グラムでした。

重量

サイズがコンパクトなだけあって手に持った感じは思ったよりズッシリと感じます。しかし、スカスカのUSBチャージャーだと逆に不安になるので、これくらいの重さの方が作りがしっかりしている感があって良いかもしれません。

説明書はパッケージと同様に4か国語で記載されており、日本語のページもあります。

取扱説明書の表紙

日本語のページは次のようになります。

取扱説明書の日本語のページ

パッケージに記載されていた上に加え、このUSBチャージャーが「USB PD (Power Delivery)」規格だけでなく「QC3.0 (Qualcommの規格)」「SCP (Huaweiの規格)」「FCP (Huaweiの規格)」「AFC (Samsungの規格)」に対応していることが記載されています。

また「PPS (Programmable Power Supply)」にも対応していることがわかります。

ただ、PPSでどの範囲の制御ができるのかは記載されていません。

取扱説明書のほかにはUSBケーブルがついています。

付属のUSBケーブル

このケーブルはUSB Type-Cになっていて長さは1mです。パッケージの情報によると100Wの給電に対応しているとのことですので、USBチャージャーの能力を引き出すことができます。

プラグやバンドにBaseusのロゴがあるのでほかのケーブルと見分けがつけやすいのはよい点です。

類似製品(Toocki 67W GaN USB Charger)と比較してみる

先日レビューしたToockiというブランドのUSBチャージャーが、スペックが近いので比較してみます。

GaN採用のUSBチャージャーを試す (Toocki 67W GaN USB Charger)
今回はAliExpressで購入したToockiというブランドのUSBチャージャーを紹介します。窒化ガリウム(GaN)を採用していると言うことで小型ながら67Wの出力が可能な製品です。MicrosoftのモバイルPCであるSurface 7 Proに対してもUSB給電ができることを確認しました。お出かけバッグに一つ入れておくと安心な製品です。
Toocki 67W GaN USB Charger (P067AK11A2C0)
この記事作成時点で11.63ドル

まずスペックを比較すると次のようになります。

項目 BaseusのUSBチャージャー ToockiのUSBチャージャー
出力ポート USB Type-C×2
USBスタンダードA×1
USB Type-C×2
USBスタンダードA×1
入力 AC 100-240V
50/60Hz
1.5A
AC 100-240V
50/60Hz
1.5A
USB-C1 5V=3A
9V=3A
12V=3A
15V=3A
20V=3.25A
(最大65W)
5V=3A
9V=3A
12V=3A
15V=3A
20V=3.35A
(最大67W)
USB-C2 5V=3A
9V=3A
12V=3A
15V=3A
20V=3.25A
(最大65W)
5V=3A
9V=3A
12V=3A
15V=3A
20V=3.35A
(最大67W)
USAB-A 5V=3A
9V=3A
12V=3A
20V=3A
(最大60W)
4.5V=5A
5V=4.5A
9V=2A
12V=1.5A
(最大22.5W)
USB-C1+USB-C2 45W+20W 45W+20W
USB-C1+USB-A 45W+18W 45W+18W
USB-C2+USB-A 5V=3A 5V=3.6A
USB-C1+USB-C2+USB-A 45W+15W 45W+18W
サイズ 61×36.3×32mm 60×37×32mm
重量 約117g 約109g

スペックは非常に似通っていることがわかります。

USBスタンダードAポートを単独で使った場合に、Baseusの方が最大出力がかなり大きい点が目立つ違いです。

その他の違いはわずか数ワットなので気にすることはないと思います。

QuickCharge 3.0では60Wの出力はサポートしていないため、おそらくメーカー(HuaweiやSamsung)独自の方式を利用した場合だと思います。

USB Type-Cポートでの給電がメインであればどちらを購入しても差はなさそうです。

写真を見てもぱっと見はサイズの違いもわかりません。

写真による比較 1

長さもほとんど同じです。

写真による比較 2

ポートがある面を見ると若干Toockiの方が大きいようです。

写真による比較 3

写真では結構さがあるように見えますがスペックでも実測でも差は1mmです。

実際に使ってみる

それでは今回購入したUSBチャージャーで充電してみます。

USBケーブル

USBケーブルはUSBチャージャーについてきたものを利用しました。

付属のUSBケーブル

このケーブルは100W対応とされています。

充電対象

充電対象には2台のデバイスを用意しました。

ひとつ目はスマートフォンのPixel 4です。

Google Pixel 4で遊ぶ その2: 入手!
今回は個人輸入で入手した北米版Google Pixel 4の様子を紹介します。いま使っているPixel 2と比較するとボディにガラスを使っていたり高級感が高まっていることが分かります。気になっていたカメラユニットの突起もわずかだったのでケースを装着することでカバーできそうです。

Pixel 4のスペックはGoogleの記載されています。

Google Pixel のハードウェア仕様 - Google Pixel ヘルプ
Google Pixelの技術仕様は以下のとおりです。Google Pixel の購入については、Google ストアをご覧ください。 Google Pixel 9 Pro Fold(2024)

このスペックによるとUSB PDに対応しており最大18Wでの急速充電ができる、ということになっています。

Pixel 4の充電スペック

ふたつ目はモバイルPCのSurface Pro 7です。

Microsoft Surface Pro 7で遊ぶ その2: 入手
今回はアメリカから個人輸入したSurface Pro 7を紹介します。アメリカで売られているものではありますが、日本向けのロゴが確認できることから、おそらくハードウェア的には日本で売られているものと同一ではないかと思います。日本語配列タイプカバーだけ日本で購入してしまえばハード的には日本で使う準備はOKです。

Surface 7 Proのスペックはマイクロソフトのサイトに掲載されていますが、充電に関するスペックはありません。

Surface Pro 7 つの仕様と機能 - Microsoft サポート
Surface Pro 7 とその機能について詳しく説明します。

以前、100W出力を公称するUSBチャージャーを使ったときに40~50Wで充電できた実績があります。

100W出力対応のUSBチャージャーTQUQ PD-048PTを試す
今回は中華通販で購入した100W出力対応のUSBチャージャーを紹介します。手元にある機材では100W出力は試せませんでしたが、60W対応のSurface Pro 7やMacbook Proに対しては純正のチャージャーと変わらないスピードで充電ができました。純正のチャージャーは持ち歩きようにして、今回購入したUSBチャージャーは据え置きようとして使ってみたいと思います。

実験結果

実験は単純にUSBチャージャーと充電対象デバイスをUSBケーブルでつなげて充電を行いそのときの電圧・電流をチェックするというものです。

電圧・電流のチェックには下記のUSBチェッカーを利用しました。

USB Type-C対応のUSBチェッカーを入手する
今回はUSB Type-Cに対応したUSBチェッカー(USBテスター)を購入したことを紹介します。この製品はUSB Type-Cだけでなく、USB Type-Aポートの測定にも対応しているので、これを一つ持っておけば様々な環境での充電状況をチェックできるはずです。またBluetooth付きバージョンを購入すると、測定データをスマートフォンやPCで確認することができるのも便利です。

まずはPixel 4を充電した結果です。

Pixel4の充電中

この瞬間は電圧は9.04V、電流は1.72A、電力は15.53Wになっています。しばらく充電状態を確認すると、電圧は約9Vで固定となり、電流は1.0~1.7Vで変動する感じでした。

Pixel4の充電状況

このグラフでは緑のラインが電圧、青いラインが電流、黄色いラインが電力となっています。電圧がほぼ一定で、電流と電力は変動していることがわかると思います。

Pixel 4のスペック上限である18W(9V=2A)には到達していませんが、9Vで充電できているのでUSB PDでの動作になっていると思われます。

電流が2Aに到達しないのは、Pixel 4側の事情だと思います。

続いてSurface 7 Proへの充電です。

充電を開始するとすぐに20Vでの充電が開始されました。電流は2.74Aなので電力は54.99Wとなりました。

Surface 7 Proの充電中

しばらく充電状況を確認するとで電圧は約20Vで固定され、電流は1.0~2.5Vで変動する感じとなりました。

Surface 7 Proの充電状況

以前にテストした100WのUSBチャージャーでも同様の状況でした。

このUSBチャージャーはSurface 7 Proの充電にも十分使えそうです。

Baseus GaN5 Pro Fast Charger 2C+U 65W
この記事作成時点で29.39ドル(約4400円)

まとめ

今回はAliExpressで購入したBaseusというブランドのUSBチャージャーを紹介しました。

窒化ガリウム(GaN)採用のためコンパクトながら65Wの出力が可能で、モバイルPCであるSurface 7 Proの充電も可能です。

ただ中華製品の割には高価なので値段を追求するならToockiなどの別ブランドをおすすめします。

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