前回は中華カーナビHizpo AD601でバックカメラの動作などを確認してみました。
今回はいよいよ車への設置です。まずは配線から確認します。
配線の準備
まずは中華カーナビHizpo AD601を車に装着するために必要な配線関係の準備をしていきます。
ギボシ端子の装着
まずは中華カーナビHizpo AD601側のハーネスにギボシ端子をつけていきます。
このギボシ端子の装着についてはその2で紹介しました。
ヒューズの用意
中華カーナビHizpo AD601本体にはヒューズが入っています。このため中華カーナビHizpo AD601に入る信号についてはヒューズを入れる必要はなさそうです。
一方、バックカメラ・フロントカメラなどを接続する場合には、それぞれのカメラにはいる電源ライン(バックカメラの場合はリバース信号あるいはバックライト信号)にはヒューズを入れておきましょう。特にカメラを車外に設置する場合は必須です。
私の場合は次のようなものを買ってきました。ヒューズは5Aで十分だと思います。
管ヒューズをヒューズホルダーに入れて、ヒューズホルダーの両端にギボシ端子をつけます。
こんな感じのケーブルを二つ作っておきましょう。
パーキング信号の加工
日本で市販されている普通のカーナビはパーキング信号を見て、停車中のみ操作ができるようになっています。
一方、中華カーナビHizpo AD601については、AC-DCコンバータを使って家で動作確認したときにパーキング信号全く処理しない状態でも操作ができました。
おそらくパーキング信号は見ていないと思いますが、念のためグランドに接続することにします。
このために次のようなケーブルを作っておきます。ギボシ端子側をカーナビからでているパーキング信号のケーブルにつなげ、くわ形端子の方を車のアースに接続します。
このケーブルは前のナビの時に使っていたものを流用していますが、ターミナルセットと電線があれば簡単に自作することができます。
ちなみにアース用の線なので自作する方は黒い配線にしておきましょう。
配線の確認
材料が集まったらまずは配線を確認しておきましょう。
電源系・オーディオの配線
車側の信号を取り出すのは困難なので、オーディオハーネスを入手しておくことをお勧めします。
私の場合はトヨタ車なので下記の製品を用意しました。
このオーディハーネスのパッケージには各端子の信号が書かれています。
これと中華カーナビHizpo AD601本体に書かれている信号を照らし合わせて接続できることを確認します。
対応は次の通りです。ケーブルの色が対応しているのでわかりやすいと思います。
カーナビ側 | オーディハーネス側 | |||
---|---|---|---|---|
色 | 信号 | 色 | 信号 | |
Orange | ILL+ | ⇔ | 橙/白 | イルミネーション用電源 |
Yellow | Battery B+ | ⇔ | 黄 | メイン電源 |
Red | ACC+ | ⇔ | 赤 | アクセサリー用電源 |
Blue | Power ANT | ⇔ | 青 | アンテナコントロール |
Black | GND | 黒 | アース | |
White | Left Front Speaker(+) | ⇔ | 白 | フロントスピーカ L(+) |
White/Black | Left Front Speaker(-) | ⇔ | 白/黒 | フロントスピーカ L(-) |
Gray | Right Front Speaker(+) | ⇔ | 灰 | フロントスピーカ R(+) |
Gray/Black | Right Front Speaker(-) | ⇔ | 灰/黒 | フロントスピーカ R(-) |
Green | Left Rear Speaker(+) | ⇔ | 緑 | リアスピーカ L(+) |
Green/Black | Left Rear Speaker(-) | ⇔ | 緑/黒 | リアスピーカ L(-) |
Purple | Right Rear Speaker(+) | ⇔ | 紫 | リアスピーカ R(+) |
Purple/Black | Right Rear Speaker(-) | ⇔ | 紫/黒 | リアスピーカ R(-) |
Black | Parking Brake | |||
Pink | Reverse | |||
Yellow/Green | SWC+ |
「Parking Brake」については上で用意したケーブルを使ってアースに接続します。
「Reverse」については、バックカメラを使わない場合は接続不要です。バックカメラを使う場合はバック信号を車から取り出してここに接続する必要があります。
バックカメラについては後述します
「SWC+に」ついては使い道がないので私は未接続にしています。SWCというのは「Stearing Wheel Control」の略っぽいですが、私の車では使い道がなさそうでした。
AV信号系の配線
車にAV信号を利用する機器がある場合はRCA端子(ピンジャック)のハーネスの方に接続していきます。
AV信号を利用する機器とは、TVチューナーや、セカンドディスプレイ等です。
接続は次の通りです。
カーナビ側 | 主な用途 | ||
---|---|---|---|
信号 | 端子の色 | 配線の色 | |
AUX CVBS IN | Yellow | Gray | TVチューナーからの映像入力 |
AUX R IN | Red | Black | TVチューナーからの音声入力(右) |
AUX L IN | White | Black | TVチューナーからの音声入力(左) |
CCD CVBS IN | Yellow | Gray | バックカメラからの入力 |
FRONT CAMERA CVBS IN |
Blue | Black | フロントカメラからの入力 |
Line FR Out | Red | Brown | 外部スピーカーへの出力 (ステレオ右) |
Line FL Out | White | Brown | 外部スピーカーへの出力 (ステレオ左) |
Line RR Out | Red | Gray | 外部スピーカーへの出力 (ステレオ右) |
Line RL Out | White | Gray | 外部スピーカーへの出力 (ステレオ左) |
CVBS-OUT1 | Yellow | Black | セカンドディスプレイへの出力 |
CVBS-OUT2 | Yellow | Black | セカンドディスプレイへの出力 |
EXT MIC | Black | 外部マイク | |
CAN TX | Brown | カーコンピュータとの通信(送信) | |
CAN RX | Black | カーコンピュータとの通信(受信) |
もちろん使用しない端子は接続不要です。RCA端子についてはむき出しですので、使わない端子についてはキャップをつけておくことをお勧めします。
バックカメラの配線
バックカメラの配線は少々面倒かもしれません。
バックカメラをカーナビと連動させるためには、車から
- リバース信号
- バックライト信号
の両方、あるいは、いずれか一方を取り出す必要があります。
リバース信号は通常はカーコンピュータ(MCU)から出ており、カーナビを設置する場所の近くまで線が来ているはずです。
バックライト信号はバックライト付近から取り出せます。
いずれも、検電テスターを使って、シフトレバーを「R」にしたときだけ検電テスターが光る信号線を見つけます。
信号線を見つけたら、信号分岐アダプターでその信号線を挟んで必要な信号を取り出せるようにします。
配線のパターンは取り出した信号により3パターンあります。
リバース信号とバックライト信号の両方取り出せた場合
この場合はカーナビにリバース信号を、バックカメラにバックライト信号を接続します。バックライト信号とバックカメラの間にはヒューズを入れておきます。
カメラ付属のビデオケーブルには赤い線がついていますが、これは接続しなくてもOKです。
リバース信号のみを取り出せた場合
バックライト信号が取り出せず、リバース信号のみを取り出せた場合は、カメラ付属のビデオケーブルを使ってリバース信号をバックライト側まで回します。
また、バックカメラの電源ケーブルと、ビデオケーブルの赤信号線の間にはヒューズを入れておきます。
前のカーナビで使っていたときにリバース信号を取り出していたので、私はこのパターンで配線することにしました。
バックライト信号のみを取り出せた場合
バックライト信号のみを取り出せた場合、このバックライト信号をカメラ付属のビデオケーブルを使ってカーナビ側まで回します。
ここでもバックカメラの電源ケーブルへの入力にはヒューズを入れておきます。
リバース信号を取り出す部分は多くの信号を線があるので、リバース信号を見つけるのが大変な方はこちらの配線の方が良いかもしれません。
その他の配線
その他の配線としてはGPS信号とラジオアンテナがあります。
GPSについては中華カーナビHizpo AD601に付属していますので、あらかじめ車に設置して、カーナビを設置する場所までケーブルを引っ張っておきましょう。
私は車の左前(助手席の前)にGPSユニットを置き、Aピラーの隙間→グローブボックスの裏→ナビの設置場所とケーブルを伸ばしました。
GPSからの配線は中華カーナビHizpo AD601のGPSと書かれているコネクタに接続することになります。
ラジオアンテナは車から下の写真の様なケーブルが出ていれば問題ありません。
これはカーナビの左下の穴に差し込むことになります。
取り付けの準備
配線を確認したら、次は中華カーナビHizpo AD601が無事に車に取り付けられるかどうかを確認します。
実はこれが大変です。
車側の金具(ステー)が取り外せる場合は金具をいったん取り外して、しっかりカーナビに固定できるかどうかをチェックすることをお勧めします。
ネジ穴の位置の確認
海外製品だけあって中華カーナビHizpo AD601のネジ穴位置はかなり特殊です。
それまで使っていたパナソニックのカーナビと並べたのが下の写真です。上側がパナソニックのカーナビです。
パナソニックのカーナビのネジ穴にはトヨタ用の「T」と日産用の「N」というマークがあります。国産車の場合これらのネジ穴で車の金具と固定できます。
ところが中華カーナビHizpo AD601の場合は、中央に5つの穴があるだけです。
私の車の金具は下のようになっています。
この金具と中華カーナビHizpo AD601を合わせると
- 金具の突起(位置合わせの突起)に対応する穴がカーナビにない
- カーナビのネジ穴と合う金具の穴は1箇所のみ
という状況でした。
位置合わせの突起がある以上は、金具がカーナビ側面にぴったりとつかず、ネジ止めすら不可能な状態です。
解決するためには「カーナビを凹ませる」あるいは「位置の合わせ突起をけずる」しかありません。
私はヤスリで突起を削って対応しました。
ネジとワッシャーの用意
私は当初はそれまでのカーナビを固定していたネジがそのまま中華カーナビHizpo AD601の固定にも使えると予想していました。
ところが実際にネジを留めようとしてみるとネジが全く入りません。ネジ穴の大きさが違うのです。
いくつか買って試した結果、M4のネジがぴったり合いました。中華カーナビHizpo AD601を見る限り、空洞になっているので長さは10mmで問題なさそうです。
上で説明したように私の場合は車の金具に留められるネジ穴は片サイドにつき一つしかありません。
この小さなネジだけではしっかり固定できるのか、かなり不安があります。
そこで接触面積を増やすために下の写真のようなワッシャーを購入しておきました。
25mmの方がネジ穴にもぴったり合って良いのですが、私の車の場合は25mmだと後述するスペーサーと重なってしまうため、最終的には20mmのワッシャーを使うことにしました。
取り付けスペースの確認
最後に取り付けスペースに問題なくカーナビが入るかどうか確認しましょう。
くせ者なのが中華カーナビHizpo AD601の側面にある突起です。
車によってはこの突起が邪魔で取り付けられない可能性があるので注意が必要です。
私の車の場合はカーナビの取り付けスペースは若干広く、社外カーナビを取り付ける際にはカーナビの左右にスペーサーを取り付ける必要があります。
下の写真がこれまで使っていたスペーサです。
このようなスペーサを使っていると、カーナビの突起が邪魔になりスペーサが取り付けられません。
この場合は、
- カーナビ側の突起を削る
- スペーサーに穴を変える
のいずれかで対処する必要があります。
スペーサはAmazonでも500円程度で購入できるので、今回はスペーサに穴を開けることにしました。
ドリル系の工具は持ち合わせていないので、半田ごてで穴を開けてヤスリで調整しました。
ちょっと汚いですが目のつくところではないので、問題ないでしょう。
また、私の車には2DIN用のスペースがありますが、この中華カーナビHizpo AD601は1DINサイズのナビです。
そこで余ったスペースは下のような製品で活用することにしました。
仮組み
ここまで用意できたらあとはカーナビを金具に留めて仮組みをしてみます。
こんな感じになりました。
中華カーナビHizpo AD601の下に収納スペースがついていて、左右にスペーサーがついているのがわかるでしょうか。
ちなみに、中華カーナビHizpo AD601の背面にあったUSBポートは、延長ケーブルでカーナビの下のボックスまで引き出してあります。
ここまできたらあとは車に装着してケーブルを接続するだけです。
まとめ
今回は中華カーナビHizpo AD601を車に装着するための準備を行いました。
ケーブル・配線類は動作確認でいろいろ用意しておいたのそれほど問題はないと思います。問題は固定するためのネジ穴が国内製品と全然違うことでしょう。
また、Hizpo AD601の側面にある突起も要注意です。
次回は車に装着した結果を紹介します。
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