前回は多機能USB Type-Cハブの紹介をしました。今回はUSBつながりでUSBチャージャーの紹介をしたいと思います。
なお、今回は中華通販のAliExpressを利用しました。
AliExpressでの購入に興味がある方は下記を参照してみてください。
USBチャージャーについて
ここではコンセントに差してUSBデバイスに電力を供給できる製品をUSBチャージャーと呼んでいます。
これまでいろいろ買ってきましたが、机の上等の置いておく据え置き用としてはXiaomiも6ポートUSBチャージャーCDQ06ZMを利用してきました。
このXiaomiのUSBチャージャーはUSB PDに対応しているのですが、USB PDによる出力は最大18Wになっています。
一方、Surface Pro 7を導入してUSBチャージャーで使って給電・充電をする機会がありました。
このときこのXiaomiのUSBチャージャーを使ったところ、出力不足で給電できないという問題が生じました。
そこでSurface Pro 7等のノートPC・タブレットで利用できるUSB PDに対応したUSBジャージャーを購入することにしました。
USBチャージャーTQUQ PD-048PT
出力が大きいUSBチャージャーは大型になることが多いですが、近年ではGaN(窒化ガリウム)を使った小型の製品が増えています。
そこでGaNと記載があり、100WのUSB PD出力がある製品を海外通販のAliExpressで探してみました。
その中で見つけたのが下記の製品です。
この販売サイトではケーブルのプラグのタイプが選択できるので「US Plug」を選択しましょう。また、85W対応のコンパクトモデルや、USB PDケーブルとのセットが選べるので、私は「156W出力・ケーブル無し」を選択しました。
このUSBチャージャーには4ポート(USB Type-C×2, USBスタンダードA×2)があります。
販売サイトによるとこのUSBチャージャーのスペックは次のようになっています。
- 入力: 100-240V, 50/60Hz
- 出力
- USB Type-C 1: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 20V/5A (最大100W)
- USB Type-C 2: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 20V/5A (最大100W)
- USBスタンダードA 1: 3.6-6.5V/3A, 6.5-9V/2A, 9-12V/1.5A (最大18W)
- USBスタンダードA 2: 3.6-6.5V/3A, 6.5-9V/2A, 9-12V/1.5A (最大18W)
USB Type-CポートはPD 3.0に、USBスタンダードAについてはQuick Charge 3.0に対応しているようです。
ポートと出力の関係は下記の図を見た方がわかりやすいかもしれません。
注意点は、出力の合計には上限があり、上限は156Wであるということです。
USB Type-Cポートを両方使って同時にそれぞれ100Wを出力するというのはできないということになります。
ただ、ノートPCやタブレットに給電する場合も常時100Wを供給することはあまりないと思うので、あまりこの上限は制約にならないと思います。
Surface Pro 7の場合は、バッテリーの充電時で40~65W程度、フル充電時は10W程度(動作状態に寄りますが)の消費になります。
少なくてもUSB Type-CでノートPCに給電しつつ、USBスタンダードAでスマートフォンを充電するというようなケースなら全く問題ありません。
配送状況
海外通販の場合に気になるのは配送です。
この製品は次のような日程で届きました。
イベント | 日付 |
---|---|
注文 | 2021/06/26 |
出荷 | 2021/06/28 |
輸出 | 2021/07/01 |
日本到着 | 2021/07/02 |
入手 | 2021/07/06 |
届くまでは日数にして10日、土日を除いた営業日だと7日です。
中華通販ではかなり順調な方です。これくらいの速さで届くと満足度が高いです。
到着した製品
到着した製品はビニール袋に入っていました。。
袋から中身を取り出してみるとエアキャップに包まれた箱が出てきました。
簡素な梱包ですが、一応輸送中のダメージには注意しているようです。まあ、USBチャージャーであればそれほど精密な物でもないので、輸送中にはそうそう壊れないと思います。
エアキャップを取り外してみると完全に無地の箱が出てきました・・
この箱を開けてみると目的のUSBチャージャーと電源ケーブルだけが入っていました。
USBチャージャー本体を取り出して写真を撮ってみました。
本体上面には「USB-C PD」と「Quick Charge 3.0」の文字が印刷されています。メーカーロゴもないシンプルな物です。
底面には型番に加えて対応規格が印刷されています。
印刷内容を文字に起こすと次のようになります。
- Model: PD-048PT
- Input: AC 10-240V 50/60Hz 1.8A
- Single Type-C PD Output:
- USB-C1 Output: 5V=3A or 9V=3A or 12V=3A or 15V=3A or 20V=5A (100W max)
- USB-C2 Output: 5V=3A or 9V=3A or 12V=3A or 15V=3A or 20V=5A (100W max)
- USB-A1 Output: 3.6-6.5V=3A or 6.5-9V=2A or 9-12V=1.5A (18W max)
- USB-A2 Output: 3.6-6.5V=3A or 6.5-9V=2A or 9-12V=1.5A (18W max)
- Total Output: 156W max
- Made in China
これらの文字の他にFCC等のロゴが印刷されています。ただし、日本の安全規格であるPSEマークはないの点には注意が必要です。
側面(正面)にはUSB Type-Cポートが2つ、USBスタンダードAポートが2つもうけられています。
USB Type-Cポートの上にあるのは通電状況を表すLEDです。LEDの色は青色です。
反対側の側面には電源コードを挿入するための穴が空いています。
電源コードは三つ穴ではなく2つ穴となります。いわゆるめがねケーブルが使えるのだと思います。
なお、注文時に「US Plug」を選択したので付属の電源ケーブルは日本のコンセントにささる形状の物が付属しました。
重量を量ってみると305グラムでした。
持ってみるとまあまあ重く感じます。カバンの中に入れて持ち歩くのは避けたいけど、スーツケースのような大きなカバンに入れるのは大丈夫、という感じです。
USB Type-Cケーブルの調達
USB PDで高いワット数で給電するためにはUSB Type-Cケーブルも重要です。
今回は100Wに対応したケーブルでナイロン編のタイプをAliExpressで探してみました。
そこで見つけたのが下記の製品です。
eMakerを内蔵しており100Wの給電に対応していると明記されています。また4K映像の伝送やUSB 3.1 Gen2での高速データ通信にも使え、汎用性が高そうなケーブルです。
私が購入したときには2mのケーブルが9.94ドル(約1100円)、3mのケーブルが11.58ドル(約1300円)でした。
こちらも購入から入手までは13日となかなか順調でした。
実際の使用状況
今回はUSB PDをメインに確認するということで、USB PDでの給電に対応したSurface Pro 7とMacbookを試してみました。
また、比較用にはMacbook Pro付属のチャージャーを用意しました。
このUSBチャージャーの出力スペックは
- 20.3V=3A (61W)
- 15V=3A (45W)
- 9V=3A (27W)
- 5.2V=3A (15.6W)
となっています。
今回購入したUSBチャージャーは最大100W出力に対応しているので、このMacbook ProのUSBチャージャーと同等あるいは同等以上の電力で給電できることを期待したいところです。
なお給電状況は下記のUSBチェッカーを利用して調査しました。
Surface Pro 7への給電
Surface Proのバッテリ残量が約30%の状態で調査を行いました。
まずは今回購入したUSBチャージャーであるTQUQ PD-048PTとUSB Type-Cケーブルで接続して充電してみました。
USBチェッカーで給電状況を確認すると電圧はほぼ20V付近で固定され、電流が2~2.5Aの間で頻繁に変動する感じです。従って電力は40~50Wとなります。
USBチャージャー側のUSB Type-Cポートを変更しても状況は同じでした。
ちなみにこのときにWindows10のバッテリ情報を確認すると「完全充電まで時間: 約1時間」となりました。
ここでUSBチャージャーを比較用に用意したMacbook Pro付属の物に変更してみます。 するとTQUQ PD-048PTを利用しているときとほとんど同じ状況でした。
電力は40~50Wで上下する感じです。バッテリの完全充電までの時間も同じです。
いずれのケースも供給側の電力上限より低い電力が供給されているので、おそらくSurface Pro 7側が上限になっているのではないかと思います。
なお、USBチャージャーではなくSurface Pro 7の純正ACアダプタ(専用ポートでの接続)を利用した場合は、同じく「完全充電までの時間: 約1時間」となりました。
従って、今回購入したUSBチャージャーTQUQ PD-048PTを使うと、純正のACアダプタと同じ使い勝手で給電することができるということです。
Macbook Proへの給電
Macbook Proのバッテリーが約50%の状態でテストを行いました。
まずは今回購入したUSBチャージャーであるTQUQ PD-048PTとUSB Type-Cケーブルで接続して充電してみました。
給電を開始すると電圧は最初から約20Vで安定していましたが、電流は徐々に増えていき1分程度で2.6A付近で上下するようになりました。
電力としては50~55Wの間で上下する感じです。
ちなみにこのときにMacOS上で充電完了までの時間を表示させると約2時間でした。
一方、Macbook Proの純正USBチャージャーに変えると次のようになりました。
TQUQ PD-048PTの場合と同様に電圧は20Vで安定し、電流は徐々に増えていき1分ほど経過するとほぼ安定しました。
ただ安定したときの電流は2.1~2.5Aで電力的には45W前後とTQUQ PD-048PTより一割ほど少ない感じです。
ただ、MacOSが表示する充電完了までの時間は同じく約2時間ということで変わりませんでした。
もっと長時間で測定するとTQUQ PD-048PTとMacbook Pro付属のUSBチャージャーは同じような電力になるのかもしれません。
今回調べた限りでは、今回購入したTQUQ PD-048PTは純正のMacbook ProのUSBチャージャーと同等以上の速度で充電ができることがわかりました。
Macbook ProユーザはTQUQ PD-048PTを常用しても問題になることはなさそうです。
おまけ: Pixel 4への給電
今回はより大きな電力での給電をチェックしたかったのテストのメインはSurface Pro 7とMacbook Proだったのですが、おまけとしてUSB PDに対応したスマホであるPixel 4でも試してみました。
TQUQ PD-048PTのUSB Type-Cポートと接続して充電した状況は下記になります。
電圧はおよそ9Vで安定し、電流は1.4A付近を上下します。従って、電力的には13~14Wで充電ができていることになります。
この電圧を見るとUSB PDで充電ができているのだと思います。
一方、TQUQ PD-048PTのUSBスタンダードAポートを使って充電すると次のようになります。
電力は約5V、電流は約1.4Aでの充電となり、電力は約7Wとなります。
TQUQ PD-048PTのUSBスタンダードAポートはQuick Chargeに対応しておりより高い電圧が利用できるはずですが、Pixel 4がQuick Chargeに対応していないので一般的な5Vでの充電になってしまうようです。
まとめ
今回は中華通販で購入した100W出力対応のUSBチャージャーを紹介しました。
手元にある機材では100W出力は試せませんでしたが、60W対応のSurface Pro 7やMacbook Proに対しては純正のチャージャーと変わらないスピードで充電ができました。
純正のチャージャーは持ち歩きようにして、今回購入したUSBチャージャーは据え置きようとして使ってみたいと思います。
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