Ubuntu 24.04 LTSをWindows 11上で動かす その3 Windows Terminalの設定

Ubuntu
スポンサーリンク

前回はWSL2を利用して導入したUbuntu 24.04 LTSの初期設定を行いました。

今回はこのUbuntuを使いやすくするためにWindows Terminalの設定をします。

なお今回の記事の内容はWindows Terminal 1.21.3231.0で確認しています。

以前、WSL1を使っていた頃はWSLttyというターミナルアプリを利用していました。

DebianをWindows10上で動かす その3: ターミナルをWSLttyに変更
今回はWindows Subsystem for LinuxのターミナルとしてWSLttyを導入しました。

メニューなどは日本語化されており、動作もLinuxのターミナルを使っているのと同じような使い勝手です。動作も軽いのでデフォルトのターミナルでフラストレーションを抱えている方にお勧めです。

しかし、最近ではWindows Terminalの方が評判が良いようです。

ちなみにCopilotにWSL2用のターミナルについて訪ねてみたところ、次のようなリストが作成してくれました。

ターミナルソフト 特徴
Windows Terminal Microsoftが提供するターミナルアプリケーション。複数のタブをサポートし、カスタマイズが可能。
PowerShell Microsoftのスクリプト言語とコマンドラインシェル。WSL2でも使用可能。
Git Bash Gitのバージョン管理システムに付属するターミナルで、Bashシェルを使用。
Cygwin Windows上でUnixライクな環境を提供するツール。WSL2と組み合わせて使用可能。
ConEmu カスタマイズ可能なターミナルエミュレーター。複数のシェルをサポート。
Mintty Cygwinの一部として提供されるターミナルエミュレーター。ユーザーフレンドリーなインターフェイス。
Cmder ConEmuをベースにしたポータブルなターミナルエミュレーター。ユーザーフレンドリーなインターフェイス。
Alacritty 高速かつ軽量なクロスプラットフォームのターミナルエミュレーター。GPUアクセラレーションを活用。
Hyper JavaScript、HTML、CSSで開発された拡張性の高いターミナルエミュレーター。プラグインを通じて機能を追加可能。
Terminus カスタマイズ可能でクロスプラットフォーム対応のターミナルエミュレーター。多数のプラグインをサポート。
WezTerm モダンなターミナルエミュレーター。GPUアクセラレーションを使用し、高度なレンダリング機能を提供。

この記事はWindows Terminalについて紹介しますが、いずれは他のターミナルソフトも試してみたいところです。

スポンサーリンク

Windows Terminal

Windows Terminalは、コマンドライン操作用のターミナルアプリケーションです。

下記がオフィシャルな情報になります。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/terminal/”

Windows Terminalはタブ表示やGPUレンダリングなどに対応しており、従来のPowerShellやコマンドプロンプトに比べると大幅に高機能化しています。

Windows Terminalは、Windows Subsystem for Linux用のターミナルとしても使うことができ、Microsoftが推奨する使い方でもあります。

スポンサーリンク

Windows Terminalのインストール

Windows11の場合はWindows Terminalはすでにインストールされているかもしれません。

Windowsのスタートメニューに「Windows Terminal」が見つからない場合は、Microsoft Storeから入手しましょう。

Windows Terminal - Windows に無料でダウンロードしてインストールする | Microsoft Store
Windows ターミナルは、コマンド プロンプト、PowerShell、WSL などのコマンドライン ツールおよびシェルのユーザーのための、高速、効率的、強力な、生産性を向上させる最新のターミナル アプリケーションです。主な機能には、複数のタブ、ウィンドウ、Unicode および UTF-8 文字のサポート、GPU アクセラレータによるテキスト レンダリング エンジン、カスタマイズできるテーマ、スタイル、構成が含まれます。これはオープン ソース プロジェクトで、コミュニティ...

インストールをするとWindowsのスタートメニューに「Windows Terminal」が追加されるはずです。

Windows Terminalの設定

WindowsのスタートメニューのWindows Terminalを選択して起動してみましょう。

デフォルトではPowerShell用のターミナル画面が開きます。

PowerShellが起動したWindows Termina

ここでタブエリアにある下向きのアイコンを選択してみましょう。

Windows Terminalのメニューアイコン

これでWindows Terminalを操作するメニューが表示されます。

メニューから設定を選択

まずは「設定」を選択しましょう。これでWindows Terminalを設定するためのタブが生成されます。

なお、上の4つは利用できるプロファイルです。プロファイルを選択すると、そのプロファイルに結びつけられたアプリのタブがWindows Terminalに生成されます。

私の場合(Windows 11の場合?)は、Windows Terminalがデフォルトでインストーされており、その状態でWSL2をインストールしました。

このため、自動的に「Ubuntu」のプロファイルが生成されています。

Windows TerminalをWSL2のあとにインストールした場合は、WSL2のプロファイルは自動的にできないかもしれません。

プロファイルの作成

すでにUbuntuのプロファイルがあればこの作業は不要です

最初にUbuntu用のプロファイルを作成しておきましょう。

画面左の「新しいプロファイルを追加します」を選択し、右側の「新しい空のプロファイル」を選択します。

新しいプロファイルを追加

次の画面では

  • 名前: Ubuntu
  • コマンドライン: wsl.exe -d Ubuntu
  • 開始ディレクトリ: ~
  • アイコン: https://www.ubuntulinux.jp/sites/www.ubuntulinux.jp/files/favicon.ico

アイコンは任意のpngファイルを指定可能です

を入力して「保存」を選択します。

プロファイルの設定を入力して保存

これでUbuntuのプロファイルができたはずです。

再びWindows Terminalのメニューを表示させ「Ubuntu」を選んでみます。

作成したプロファイルを選択

これで新しいタブが生成され、Ubuntuのプロンプトが表示されればプロファイルの設定完了です。

Ubuntuが起動したWindows Terminal

フォントの変更

これは個人の好みなので必須ではありません。

デフォルトでは「Cascadia Mono」というフォトになっています。このフォントで表示すると次のようになります。

Cascadia Monoの例

いわゆる半角文字は似ている文字も見分けやすくなっていますが、ちょっと日本語(全角文字)の間隔が広くなってしまっています。

ここではプログラミングフォントとして定評がある「UDEV Gothic」を利用してみます。

GitHub - yuru7/udev-gothic: UDEV Gothic は、ユニバーサルデザインフォントのBIZ UDゴシックと、 開発者向けフォントの JetBrains Mono を合成した、プログラミング向けフォントです。
UDEV Gothic は、ユニバーサルデザインフォントのBIZ UDゴシックと、 開発者向けフォントの JetBrains Mono を合成した、プログラミング向けフォントです。 - yuru7/udev-gothic

あらかじめUDEV Gothicフォントをダウンロードしてインストールしておきましょう。

作成したプロファイルの編集画面で下の方に進むと「外観」があります。

「外観」を選択して表示される「フォントフェイス」で「UDEV Gothic JPDOC」を選択します。

フォントを変更

フォントフェイスを変更したらあとは右下の「保存」を選択します。

これでフォントが次のように変更になります。

UDEV Gothic JPDOCの例

これで半角文字と全角文字のバランスが良くなったと思います。

なお文字が小さすぎる場合は同じ画面でフォントサイズを変更できるの調整しておきましょう。

デフォルトのフォントサイズは「12」です。

ウィンドウサイズの変更

Windows Terminalはデフォルトでは120×30のサイズで開かれます。

これだと狭い場合はWindows Terminalの設定を開き、左側で「スタートアップ」を選択しましょう。

スタートアップには「起動サイズ」という項目があるので、これを変更して「保存」します。

ウィンドウサイズの変更

私は120×60に変更しました。

既定プロファイルの変更

Windows Terminalは起動するとPowerShellが立ち上がるようになっています。

PowerShellよりUbuntuの方が使う機会が多い方はこれでは不便だと思います。Windows Terminalの起動時にはUbuntuが使えるようにしておきましょう。

Windows Terminalの設定を開き、左側で「スタートアップ」を選択し、既定のプロファイルを「Ubuntu」に変更します。

既定のプロファイルの変更

これでWindows Terminalを起動すると、すぐにUbuntuが使えるようになります。

PowerShellを使いたい場合は、Windowsのスタートメニューから「Windows PowerShell」を選択するか、Windows Terminalを立ち上げてからプロファイルとして「Windows PowerShell」を選択します。

Windows Terminalの使い方

Windows Terminalはキーボード操作用の環境なので、細かい操作はマウスではなくキーボードで行います。

キー操作は設定メニューの「操作」を選ぶと一覧を表示させることができます。

Windows Terminalのキー割り当て

これらのキー割り当ては追加・変更することもできます。

多くの機能がありますが、活用したいのが「タブ」と「ウィンドウ」です。

Ubuntuで複数の作業を同時に行う場合はタブを活用しましょう。デフォルトでは「shift+ctrl+tで新しいタブを追加できます。

タブの追加

このとき新しいタブでは既定のプロファイルが利用されます。そのため、既定のプロファイルはUbuntuにしておくことをオススメします。

一方、あるデータを見ながらファイルを修正などする場合は、ウィンドウ機能(ペイン機能)を使って画面を分割すると使いやすいと思います。デフォルトでは「alt+shift+」で上下に分割できます。

上下に画面を分割

また「alt+shift++」で縦に分割することもできます。

左右に画面が分割

2つのファイルを比較したい場合などは縦分割の方が良いかもしれません。

ペイン機能については公式で詳しく解説されているので参照してみてください。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/terminal/panes”

まとめ

今回はWindows Subsystem for LinuxのターミナルとしてWindows Terminalを導入しました。

MicrosoftがWSL用に推奨しているターミナルアプリケーションだけあって、導入も簡単です。UTF-8に対応しているので日本語の表示などもまったく問題ないのもうれしいところです。

何を使ったら良いのかわからない場合は、まずはWindows Terminalを試すと良いでしょう。

次回はターミナルを多重化してみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました