今回は怪しげなグラフィックカードを購入したことを紹介します。
これまでのグラフィックスカード
現在使用しているグラフィックカードは中華通販のBanggoodで購入したものです。
このグラフィックスカードはGPUにNVIDIAの「GTX1660」を採用したものでVRAMは6GBとなっています。
GPU-Zで調べると次のようなスペックになっています。
ゲームをするならば非力なグラフィックカードですが、通常の用途ならば特に問題なく使用できます。
が、AIをやろうとすると不安な要素もあります。
CUDAに対応している野で基礎的なディープラーニング程度でしたら問題ないのですが、はやりの生成AIだと力不足感があります。VRAMが6GBなのが救いですがそれでも最低レベルというところです。
様々なグラフィックカードでStable Diffusionの速度を測った方のサイトを見るとGTX1660だと画像生成に3分以上かかかるようです。
グラフィックスカードを探す
グラフィックカードを選択するときにはGPUのアーキテクチャの新しさが気になる点ではありますが、AIをやろうとすると気になってくるのがVRAMのサイズです。
最近では一般的なグラフィックスカードは8GB程度のRAMを搭載してることが多いですが、ここは12GBを狙いたいところです。
NVIDIAのGPUを搭載してVRAM 12GBとするとお手軽なのがRTX3060を搭載した製品です。
この記事を作成している時点では4万円を切る製品もちらほら出てきています。
最新のRTX40シリーズでの12GB搭載製品だと一気に8万円以上になってしまい、ちょっと手が出ない感じです。
RTX3060はゲーム性能としてはイマイチという噂も聞きますが、今回はゲーム用途は本命ではないので「RTX3060 + 12GB RAM」という製品をターゲットにすることにしました。
[以前](https://scratchpad.jp/colorful-igame-gtx1660-ultra/は海外通販のBanggoodを利用したわけですが、最近はグラフィックカードは取り扱っていないようです。
そこで今回はAliExpressを利用してみることにしました。
AliExpressで「RTX3060 12GB」の製品を調べてみると、価格は300ドル(約43,000円)程度で国内で購入するとほとんど変らない価格であることがわかりました。
しかしよくよくみると「RTX3060M」という見慣れないGPUを搭載した製品が売られており、これだと240ドル程度(約35000円)で購入するできます。この価格でであれば、セールのタイミングでクーポンなどを使えれば、金額的なメリットも見いだせそうです。
気になるのは「RTX3060」と「RTX3060M」の違いです。Webで検索すると次のようになります。
RTX3060 | RTX3060M | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ampere |
コードネーム | GA106 | GA106 |
ターゲット | デスクトップPC向け | ノートPC向け |
CUDAコア | 3584 | 3840 |
Tensorコア | 112 | 120 |
RTコア | 28 | 30 |
コア周波数 | 1320MHz | 900MHz? |
ブースト周波数 | 1777MHz | 1425MHz? |
消費電力(TDP) | 170W | 115W? |
メモリ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス幅 | 192bit | 192bit |
メモリ周波数 | 1875GHz | 1750MHz |
メモリ帯域 | 360GB/S | 336GB/S |
スペックが優れている方にアンダーラインをつけておきました。消費電力については小さい方を優れているとしています。
RTX3060Mのコア周波数などで「?」をつけているのは、サイトによって情報が異なるためです。RTX3060MはノートPC用なので、搭載するノートPCによってクロックなどを調整しているのかもしれません。
スペックを比較してみると、クロックやメモリ帯域などの基本性能はデスクトップ向けのRTX3060の方が優れていることがわかります。これはデスクトップ向けと言うことで大きな電力を利用できるためと思います。
すべての項目でRTX3060が優れいているかというとそういうわけではなく、CUDAコアをはじめとする演算ユニットはRTX3060Mの方が多くなっているのが面白いところです。
また、消費電力もノートPC向けと言うことで、低くなっているのもRTX3060Mの特徴です。
ベンチマークのスコアだと、コアクロックの差で10%ほどRTX3060Mの方が低くなるようなのですが、RTX3060Mはなかなか面白そうな選択です。個人的には消費電力の低さがポイントでした。現状のGTX1660のTPDは120Wですので、RTX3060Mであれば電源ユニットを交換する必要がなさそうです。
今回は怪しいとは思いつつもRTX3060Mを搭載したグラフィックスカードを購入してみることにしました。
PCパーツ関連の製品は割と国内外の価格は変らなかったりします。これは全世界で取引されているため、特定の国だけ安いという現象が起こりにくいためです。
PCパーツで海外通販を使うメリットは国内で販売されていないレアなものを購入するケースではないかと思います。「RTX3060M搭載のグラフィックカード」というのはこのレアもの例ではないかと思います。
RTX3060M + 12GBのグラフィックカードを購入
AliExpressで「RTX3060M 12GB」で検索すると多くの製品が出てきます。
ただし、安い製品については「Refurbished」や「99% NEW」となっている場合があるので注意が必要です。
これらの製品はマイニングなどに利用されていた製品を再生したものです。ショップ独自で補償をつけている場合がありますが、返品の手間等を考えると避けておいた方が良さそうです。
私の場合は下記の製品を購入してみることにしました。
私が購入時の価格は256ドルでしたが、11.11セールのクーポンなどを使って213ドルで購入することができました。
1ドル150円としても約32,000円でVRAM 12GBのグラフィックカードとしては安かったのではないかと思います。
AliExpressでの購入方法については下記を参照してください。
購入したグラフィックスカード
注文したグラフィックスカードは1週間程度で到着したのですが、その姿には正直驚きました。
「GRAPHICS CARD」と書かれている箱をテープでぐるぐる巻きにした状態で届きました。中華通販では梱包は簡素なのは当たり前ですが、通常は少なくても何らかの袋に入って送られてきますが、ここまでむき出しに近い状態なのは初めてです。
テープや送付先のラベルなどを慎重にはがしてみましたが、このパッケージにはスペックや型番など中身を示す情報は一切ありませんでした。
販売業者的にはこのパッケージが梱包材という気持ちだったのかもしれません。
パッケージの角には輸送時についたものと思われるへこみがありますが、原型はとどめています。
開けてみると緩衝材が入っていたのでグラフィックスカードの保護はできていそうです。
グラフィックスカードはちゃんと帯電防止の袋に入っていました。
グラフィックスカードはこんな感じです。
ぱっと見た感じ傷や汚れは見当たりませんでした。一応見た目は新品ぽいです。
ファンの軸部分には販売店の「XINTUO」のロゴのシールが貼られています。
背面も綺麗な状態です。
背面に貼られているラベルを拡大したのが下の写真です。
上段にはスペックと思われる「RTX3060 12G 3840SP DDR6 192BIT」が、下段にはシリアル番号が印刷されています。
ラベルでは「RTX3060」となっていますが、コアの数が3840となっているのでRTX3060なのだと思います。
出力ポートはHDMIが2ポート、Display Portが2ポートとなっています。
補助電源コネクタは8ピン×1となっています。
グラフィックスカードを横から見るとグラフィックスチップの熱をヒートパイプとヒートシンクに送り、そこからファンで廃熱する設計であることがわかります。
とりあえず見た目は普通のグラフィックsカードという感じで、ノートPC向けのGPUを採用していることはうかがい知れません。
まとめ
今回は海外通販のAliExpressでRTX3060MというGPUを搭載したグラフィックスカードを購入したことを紹介しました。
RTX3060MはRTX3060をノートPC向けにしたバージョンで、クロックはやや低くなるもののCUDAコアなどは多くなっているという面白いスペックのGPUです。
RTX3060Mをグラフィックスカードに採用するのは一般的ではないですが、AliExpressならそのようなレア製品も入手できます。
次回はこのグラフィックスカードを実際に使ってみます。
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