今回は海外のクラウドファンディングサイトであるIndiegogoで出資を募っていたChuwiの新製品の状況を紹介します。
新製品の名前はSurBookとなっていて、マイクロソフトのSurfaceを思いっきり意識したものとなっています。クラウドファンディングということになっていますがすでに募集金額は達成しており、まもなく一般発売される模様です。
一般発売されればGearBest・GeekBuying等の中華通販サイトで購入できることとなるでしょう。
Chuwiとは
Chuwiとはいわゆる中華タブレットメーカーです。最近ではノートPCに進出し、精力的に製品を発表しています。
このブログでもいままでいくつかのChuwi製品のレビューをしてきました。
最初に試したHi8 Proというタブレットはプラスチックボディで少々安っぽかったですが、最近レビューしたLapBook 12.3というノートPCではメタルボディになっておりかなり品質が上がってきていました。
メタルボディと言っても加工精度が悪ければお話にならないのですが、Chuwi LapBook 12.3は見た限りでは加工精度も問題ありませんでした。
競争力の高い値付けをすることもあり、中華ガジェットを語る上ではチェックが必要なメーカーの一つとなっています。
Indiegogoとは
IndiegogoとはKickStarterと人気を2分するクラウドファンディングサイトです。
詳しくはWikipediaを参考にするとわかりやすいと思います。
本来はクラウドファンディングサイトでは、アイデアがあっても開発資金が会社や個人が資金を調達するのが主な目的のはずです。
それから考えると、これまで多くのガジェット類を発売しているChuwiがIndiegogoで資金を調達するのは少々奇妙な気がします。
おそらく、Indiegogoに新製品のプランを出すことで、Chuwiは広告効果を狙っているようではないかと思います。
またユーザの声を聞きながらデザインなどの最終仕様を決めていきたいという意図もあるのかもしれません。
Chuwi SurBook
さて、そのIndiegogoでクラウドファンディングしているのが「SurBook」という2-in-1タブレットです。
「SurBook」という名前は明らかにマイクロソフトの「Surface」を意識しているのがわかります。
キャッチフレーズが「Affordable 2-in-1 Intel PC Tablet (Intelを搭載した手ごろな価格の2-in-1タブレット)」なので、マイクロソフトのSurfaceに対してそのクローンを安く提供するという狙いがあるのは明らかです。
スペックについて
スペックについてはIndiegogoのサイトにわかりやすい比較表があるのでスクリーンショットで紹介します。
赤字のところがChuwi SurBookの方が優れているとアピールしたいところなのでしょう。
ただ、いくつか注意しておきたいところがあります。
CPU
上記の表ではChuwi SurBookのCPUが「2コア・4スレッド (最大クロック2.2GHz)」でSurface Pro 4では「2コア・4スレッド (最大クロック 2.2GHz)」となっていますが、CPUのモデル名で比べると
Chuwi SurBook | Microsoft Surface Pro 4 | |
---|---|---|
CPU | Apollo Lake N3450 | Skylake Core m3-6Y30 |
となります。Apollo Lakeはタブレットなどで使われていたAtomアーキテクチャのCPUで、Skylakeはデスクトップで用いられるCoreアーキテクチャのCPUです。
Atomアーキテクチャは最大限省電化をするためにシンプルさを特徴としていますので、同じクロックの場合は一般にCoreアーキテクチャの方が高速に動作します。
従って、コア数の違いはあるものの、赤で示されているChuwi SurBookの処理速度が高いとは言えない気がします。
ただ、私が以前レビューしたChuwi LapBook 12.3というノートPCは同じくApolloLake N3450を搭載した上で、RAMが同じ6GBというスペックでした。
RAMが6GBと余裕があるせいか、動作にはあまりストレスは感じませんでした。
さすがに動画の編集や写真のRAW現像などの重い処理ではストレスを感じると思いますが、ドキュメント作成やWebブラウジングならSurBookも同様に快適に使えるのではないかと思います。
重さ (Weight)
上記の比較表によるとSurBookの重さは967グラム、Surface Pro 4の重さは766グラムとなっています。
Surface Pro 4の重さは本体だけでキーボード(タイプカバー)の重さは含まれていません(キーボードの重さは310グラム)です。
一方、SurBookの967グラムという重さが本体だけなのか、キーボードを含んでいるのかは調べた限りではわかりませんでした。
仮に本体だけだとすればSurface Proに対して200グラムも重いと言うことなので、大きなマイナスポイントです。たかが200グラムのように思いますが、持ち歩く前提のデバイスだと思うので重量は大切です。
一方、967グラムがキーボードを含んでいるとなると、Surface Pro 4+タッチタイプの合計重量1076グラムよりも軽いことになります。
後発のプロダクトだけに軽さも狙ってくると思うのですが、真実はわかりません。
一般発売の時にはもっとレビューが上がると思うので、この辺も明らかになるでしょう。
価格 (Price)
価格はストレージ128GBで比較すると、SurBookが473ドル (Indiegogoで出資者となると429ドル)で、Surface Pro 4は799ドルです。
これだけで比較するとSurBookはSurface Pro 4の4割引程度の価格となります。
しかし、実際には
Chuwi SurBook | Microsoft Surface Pro 4 | |
---|---|---|
価格 | キーボード・スタイラスを含む | 本体のみ |
というような違いがあります。
Suface Pro 4用のタイプカバーとスタイラスを合計すると実勢価格で200ドルほどしますので、実際には次のようになります。
Chuwi SurBook | Microsoft Surface Pro 4 | |
---|---|---|
キーボード・スタイラス込みの価格CPU | 473ドル | 999ドル |
つまり、実質価格はSurBookはSurface Pro 4の半額以下、ということになります。
Chuwi SurBookのコストパフォーマンスの良さがわかります。
発売について
発売にむけたスケジュールもIndiegogoのページに載っているので引用します。
このタイムラインを見るとすでに2017年6月に量産(Mass production)を開始していることになります。
そして、今月(2017年7月)からIndiegogoでの出資者に先行出荷、今月末から一般販売ということになります。
予定通りに行くかどうかはわかりませんがまもなく各中華通販サイトに出てくるのではないかと思います。
どのような価格付けになるのか楽しみなところです。
まとめ
今回はIndiegogoでクラウドファンディングをしているChuwi Surbookという2-in-1タブレットを紹介しました。
このタブレットはその名の通りMicrosoftのSurfaceを思いっきり意識した製品で、同じ2-in-1タブレットながらキーボード込みの価格では半額以下という驚きのコストパフォーマンスです。
まもなく一般販売とのことなので実勢価格が楽しみなところです。
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