死亡した中華Padの話から、気を取り戻して再びAQUOS PHONE SH-12Cのお話。
以前、micorSDカードを交換したとき(「AndroidでmicroSDカードの交換」と「AndroidでmicroSDカードを交換 その後」参照)に、「AndroidのアプリはmicroSDカードに読み書きをするものが多いため、microSDカードが劣化しやすいかも」と記載しました。
microSDカードを交換してから1ヶ月ほどたちましたので、今回はこれをちょっと検証してみたいと思います。
この3ヵ月後の様子は→「AndroidとmicroSDカードとデフラグ その2」
「アンドロイドデフラグFREE」というAndroid用ソフトについては「AndroidとmicroSDカードとデフラグ その3」
microSDカードの劣化?
一言で劣化と書きましたが、実は2レベルあります。
一つ目はファイルのフラグメンテーションによる劣化。ファイルを何度も削除&書き込みしていると、ディスク上でファイルが分断されて記録されてしまう現象です(詳細はWikipediaへ)。分断されていてもAndroid(もちろんPCも)はがんばって解読しくれますので、ユーザには影響がありません。しかし、がんばる分だけ読み書きの性能が確実に劣化します。重要な点としてこの劣化からは復活することができます(後述のデフラグ)。
二つ目はmicroSDカードの寿命による劣化。microSDカードで使用されているフラッシュメモリは書き換え回数に上限があります(*)。この上限は普通は何万回とか何十万回とかかなり桁数が多いと思われます(東芝とサンディスクのサイトを見てみましたが特に寿命に関する記載はありませんでした)。このため、デジタルカメラなどの通常の使用上ではこの書き換え回数の上限が特に問題になることはありません。
あくまでも私の推測ですが、Androidの場合、各アプリが細かいデータをたくさん書き込むのでこの寿命が問題になってくるかもしれないと考えています。
問題なのはこの劣化から復活する手立てはない、ということです。
(*)寿命に達したからといって突然死するわけではありません。書き込みエラーなどが発生しやすくなり、何度も書き込みしたりするため、読み書きの性能が低下する、という形で影響が現れることになると思います。
1ヵ月後の状態
(購入直後の状態は「AndroidでmicroSDカードの交換」を参照してください。)
使用感
使用している感触としてはやっぱり動作に「引っかかり」を感じるようになりました。
定量的に測定していたわけでありませんが、例えば、産経新聞のアプリで紙面を見ていて、表示を拡大してもしばらく文字が拡大されずギザギザのままという感じです。
Android上でのベンチマーク
まずはAQUOS PHONE SH-12C上でベンチマークソフト(SD Tools)を実行してみます。
左側が昨日の結果、右側が本日の結果です。ちなみに購入直後は書き込み16.1MB/s, 読み込み15.5MB/sでした。
昨日と今日で数字がかなり違うので少々おどろています。実は昨日と今日はそれぞれ2回ずつ実行して、昨日は昨日で、今日は今日で、それぞれ近い値が出ているので測定ミス(?)ではないと思います。
昨日と今日でいったい何が違うのかはさっぱりわかりませんが、少なくても購入直後からは書き込み速度は低下しているようです。
Windows上でのベンチマーク
前回と同じ条件でCrystalDiskMarkを使用しました。
前回と比較して、読み込みはほぼ同じ、書き込みはSeqはほぼ同じ(前回は4.440)、512kは早くなり(前回は1.093)、残り二つはやや遅くなった(前回は1.231と0.833)という状況です。
フラグメンテーションの状況
SDカードのファイルがどれだけフラグメンテーションされているか、Auslogics Disk Defragというデフラグツールで確認してみました。
結果は5%ファイル(総数で1176ファイル)がフラグメンテーション(分断化)されているとでました。ちなみに分断化されているファイルを確認すると、ざっと半分は産経新聞アプリに関するものでした。
はやりフラグメンテーションが怪しいかも・・・?
デフラグ(最適化)
というわけで、microSDカードをデフラグ(最適化)します。
デフラグはmicroSDカードをWindows PCに挿して、「マイコンピュータ」⇒「microSDカードのドライブを右クリックしてプロパティ」⇒「ツール」⇒「最適化する」です。
microSDのドライブを選んで「ディスクの最適化」を押します。
もちろん上で分析に使用した「Auslogics Disk Defrag」でも最適化できます(こちらのほうが高速)。
これで復活したはず!?AQUOS PHONE SH-12CにmicroSDカードを戻して確かめてみます。
デフラグ後の状態
Androidでのベンチマーク
早速microSDカードをAQUOS PHONE SH-12Cに戻して、SD Toolsを実行したところ・・・1割程度ですが書き込み速度が向上しています! 購入直後の値には及びませんが、まずまずでしょう。
Windowsでのベンチマーク
デフラグ後のWindowsでのCrystalDiskMarkの結果です。
「4K QD32」は大幅に改善(0.692→1.278)しているものの512Kが劣化(1.274→1.027)。うーん、評価に困りますね・・・
まとめ
1ヶ月たってmicroSDカードの状態を確認したところ、書き込み速度は落ちており、ファイルも断片化(フラグメンテーション)していました。
対策としてPC上でmicroSDカードのデフラグ(最適化)をしてみたところわずかながら書き込み速度も向上しました。一度もmicroSDカードのデフラグを実施していないという人には試してみる価値があるかもしれません。
なお、ベンチマーク・デフラグ(最適化)の両方とも、microSDカードへの書き込みが発生する作業です。これ自体がmicroSDカードの負担になりますので、あくまでも自己責任でお願いします!
コメント
最適化したら携帯にマウントできなくなりました。フォーマットしてくださいと表示されます。どうすればいいですか?機種はdocomoのSH-02Eです
microSDカードの中身はPCで見えるのでしょうか?
見えるのならばmicroSDカードの中身すべてをパソコンにバックアップしてから、microSDカードをフォーマット後に書き戻してはどうでしょうか?
下記のページの「microSDカードの交換」のところが参考になるかもしれません。
http://blog.scratchpad.jp/2012/03/11/android-micro-sdcard-upgrade/