お名前.com VPSへ移転 その8: カーネル更新後のベンチマーク

比較

前回はお名前.com VPSのDebian wheezyのLinuxカーネルをデフォルトの3.2.0から4.0.0に更新してみました。

基本的にCPUが変わったわけではないので、性能に大きな差はないと思いますが、ディスク周りやスレッド周りで性能かかわっている可能性があるので、念のためベンチマークを実行してみました。

お名前.com VPSのプランは月額1315円のメモリ2GBプラン(メモリ2GB, CPU 3コア, HDD 200GB)です。カーネル3.2.0時代のベンチマークの数値は以前実施した結果から持ってきています。

今回は名前.com VPSと従来使っていたServersMan@VPSを各種ベンチマークテストで比較します。 ベンチマークテストにより若干のブレはあるものの、全体を通してお名前.com VPSのほうが性能が高い数値が出ています。WordPressでサイトを構築したときにどのような差が出るのか興味があるところです。

今回は結果だけ示すのでベンチマークの実行方法は上記のページを参照してください。

bonnie++: ハードディスク性能

数値がよいほうを水色の背景にしています。

お名前.com VPS
64bit Debian 
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian 
Kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
スループット
(K/sec)
レイテンシ
(us)
スループット
(K/sec)
レイテンシ
(us)
シーケンシャル
アウトプット
キャラクタ単位 657 19,539 550 22,618
ブロック単位 264,862 243,000 220,315 389,000
ブロック単位
(再書き込み)
79,097 390,000 58,460 466,000
シーケンシャル
インプット
キャラクタ単位 3,938 66,323 2,722 58,840
ブロック単位 158,433 117,000 227,438 100,000
ランダムシーク 1.017 174,000 0.8624 235,000
シーケンシャル
クリエイト
クリエイト 7,113 6,494
リード 636 531
デリート 1,166 1,322
ランダム
クリエイト
クリエイト 499 494
リード 104 25
デリート 1,123 1,219

一進一退という感じです。このベンチマークは結構実行毎に値のブレがあるので参考程度と考えた方がよさそうです。

dbench: ハードディスク性能

これも数値がよいほうを水色の背景にしています。

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 4.0.0
(Virtio ON)
スループット
(MB/sec)
MAXレイテンシ
(ms)
スループット
(MB/sec)
MAXレイテンシ
(ms)
1 スレッド 203.468 109.789 189.081 103.137
2 スレッド 338.866 179.441 301.817 150.347
4 スレッド 557.197 95.768 476.881 89.118
8 スレッド 722.040 371.383 649.858 405.110
16 スレッド 777.967 447.950 722.800 500.485

このベンチマークはKernel 3.2.0のほうが優勢です。

mbw: メモリ性能

これも数値がよいほうを水色の背景にしています。

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
スループット
(MB/sec)
スループット
(MB/sec)
MEMCPY 3169.863 2917.219
DUMB 3564.740 3264.228
MCBLOCK 4981.688 4850.690

このベンチマークは差が出ないと思ったのですが・・・若干、Kernel 4.0.0のほうが悪いです。

sysbench: 総合テスト

sysbenchはテスト項目が「cpu」「threads」「mutex」「fileio」「oltp(データベース)」が選択できます。

いずれもこれも数値がよいほうを水色の背景にしています。

CPU

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差
1 スレッド 12.1561 0.00 12.2005 0.00
2 スレッド 6.1630 0.00 6.1855 0.00
4 スレッド 4.0717 0.00 4.1481 0.00
8 スレッド 4.0813 0.01 4.0724 0.01
16 スレッド 4.0681 0.01 4.1070 0.01

優勢の数はKernel 3.2.0のほうが多いですが、ほとんど数値は同じです。誤差の範囲といえるでしょう。

マルチスレッド

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差
1 スレッド 2.7124 0.00 2.6332 0.00
2 スレッド 2.4271 0.00 2.7278 0.00
4 スレッド 1.7948 0.00 1.3900 0.00
8 スレッド 3.4392 0.00 3.1305 0.00
16 スレッド 4.7680 0.01 4.2907 0.00
32 スレッド 5.7740 0.01 5.3605 0.01
64 スレッド 4.6216 0.02 4.7452 0.01
128 スレッド 4.0160 0.01 4.0336 0.01

こちらは優勢の数はKernel 4.0.0のほうが多いですが、微妙な違いです。こちらも誤差の範囲といえるでしょうか。

ファイルI/O

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差
1 スレッド 0.0701 0.00 0.0789 0.00
2 スレッド 0.0420 0.00 0.0502 0.00
4 スレッド 0.0330 0.00 0.0310 0.00
8 スレッド 0.0327 0.01 0.0252 0.01
16 スレッド 0.0598 0.05 0.0236 0.01

スレッド数が多くなるとKernel 4.0.0のほうが性能がよくなっています。スケジューラを変更したせいかもしれません。

データベース(MySQL)

お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 3.2.0
(Virtio: ON)
お名前.com VPS
64bit Debian
Kernel 4.0.0
(Virtio: ON)
平均処理時間 標準偏差 平均処理時間 標準偏差
1 スレッド 21.0473 0.00 23.7902 0.00
2 スレッド 23.0392 0.00 27.0136 0.00
4 スレッド 23.4389 0.00 25.9938 0.00
8 スレッド 22.7548 0.01 27.1775 0.01
16 スレッド 22.6705 0.01 26.4026 0.01

ファイルI/Oでスレッド数が多いときにKernel 4.0.0のほうが多かったので期待していましたが、データベースのベンチマークではKernel 3.2.0の完勝となりました。

まとめ

今回はお名前.com VPSのDebian wheezyのカーネルを4.0.0にバージョンアップした状態でベンチマークを実行してみました。

バージョンアップ前のKernel 3.2.0のときのベンチマーク結果と比較すると微妙に遅くなっているような気もしないこともありません。Kernel 4.0.0の新しい機能を使いたいということでなければ、無理にバージョンアップする必要もなさそうです。

次回はWordPressを引越しするための準備を進めます。