前回は海外Wi-FiルーターサービスのGLOCAL NET(グローカルネット)の端末を再び入手したことを紹介しました。
今回は実際にGLOCAL NETのWi-Fiルーター端末を中国(上海)で利用したときの情報を紹介したいと思います。
この記事を書くにあたり、グローカルネット様より試用のための端末を無料レンタルしていただいています。
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グローカルネットの申し込みページにクーポンコードを入力するところがあるので、そちらに貼りつけてください。
GLOCAL NETの利用可能国
GLOCAL NETは2017/12時点で次の国々に対応しています。
- ヨーロッパ
オーランド諸島、アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ガーンジー、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、モナコ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、サンマリノ、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、イギリス、バチカン - アジア
バーレーン、バングラデッシュ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、イスラエル、日本、ヨルダン、カザフスタン、マカオ、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、カタール、サウジアラビア、シンガポール、韓国、スリランカ、台湾、タイ、ラオス、アラブ首長国連邦、ベトナム、 - アフリカ
アルジェリア、アンゴラ、エジプト、ガーナ、ケニア、モーリシャス、モロッコ、ナイジェリア、レユニオン、南アフリカ、タンザニア、チュニジア、西サハラ、ザンビア - 南アメリカ
アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、バルバドス、チリ、コロンビア、エクアドル、フランス領ギアナ、マルティニーク、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ - 北アメリカ
カナダ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、プエルトリコ、アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン) - オセアニア
オーストラリア、フィジー、ニュージーランド
今回はまず中国の上海に入国したので、そのときのレポートです。
前準備
GLOCAL NETのWi-Fiルーターを海外で使う前に推奨の設定が提供されているので確認しておきましょう。
- リンク
GLOCAL NET 使い方ガイド(リンク切れ)
この使い方ガイドに「海外にご出発前位に下記の設定をおすすめいたします」という項目があるのでチェックすることをおすすめします。
特にアプリの更新やデータの同期がWi-Fi接続のときに自動で行われているようになっていると、GLOCAL NET利用時(これもスマホから見るとWi-Fi接続です)に大量のデータ通信が行われてしまうので注意が必要です。
Wi-Fiルーターのファームウェアを更新すると「データ容量 節約機能」が使えるようになります。
この機能を有効にしておくと、アプリの自動更新が行われないようになります。スマホの設定を変えたくない方は「データ容量節約機能」を有効にしておきましょう。
GLOCAL NETを利用するための設定
ここからは現地(中国・上海)に着いてからの話です。
GLOCAL NETは既に何回も使っていますのでもう慣れた物です。上海の空港に着いたらすぐにWi-Fiルータの電源を入れてしまいます。
私は写真を撮る必要があったので、入国を済ませてから電源を入れたのですが、もちろん着陸して飛行機のドアが開いたらすぐに電源を入れてしまってOKです。長い入国待ちの時間の暇つぶしに使えます。
電源をONにするとWelcome画面が表示されます。
このあとは起動中を示すアニメーションが表示されます。
次は「しばらくお待ちください…」と表示されます。
画面に「インターネット接続中」と表示されればあと一息です。ここまで1分ぐらいです。
「インターネット接続中」の画面で1分ほど待っていると、画面が変わり利用データ合計が表示されます。
これがWi-Fiルーターがインターネットに接続(=ルーター内蔵のSIMでデータ通信ができるようになる)したタイミングです。画面の右上にも電波の強さを表すアンテナアイコンが表示されます。
上海ではキャリアは不明ですが4Gで接続しました。
あとは、スマートフォンのWi-Fi設定で、画面に表示された「Wi-Fi名(SSID)」と「パスワード」を使ってWi-Fiルータに接続します。
手順としてはかなり簡単な物であることがわかると思います。
2回目からはWi-Fiルーターの電源をオンにして、スマホのWi-Fiを有効にしておけば自動的に接続しますのでさらに簡単になります。
現地でプリペイドSIMカードを購入する場合は
- プリペイドSIMカードを売っているところを探す
- プリペイドSIMカードを買う
- プリペイドSIMを入れ替える
- インターネットパッケージをアクティベートする
という手順が必要なのですが、GLOCAL NETの場合はWi-Fiルーターの電源を入れるだけです。手順にかなり差があることがわかると思います。
実際の使い勝手
それでは実際に中国・上海でGLOCAL NETのWi-Fiルーターを使用した状況と感想を紹介していきたいと思います。
今回は2017年11月末と2017年12月上旬にそれぞれ半日ほど上海に滞在しました。本来は遠方に行く旅程で、飛行機のスケジュールの都合により上海で一時滞在したという状況です。
通信速度
まずは気になる通信速度です。
上海市内をうろうろしていたので、いろんな時間・場所で測定してみました。
14時頃 龙阳路駅
最初は空港からのリニアモーターカーの終点の駅です。割と賑やかなところです。結果は次の通りです。
ちゃんと通信はできていますが、速度的にはいまいちな結果となりました。
時間帯的にネットワークが混雑していた可能性もあります。
19時頃 上海市内 (確か南京東路付近だったと思います)
次は夜の繁華街です。人も多く通信量が多い時間帯なので条件としてはかなり悪いと思います。
16時頃 浦東国際空港
これは帰国前に測定した結果です。これまでの2回に比べかなり状況は良くなりました。
多少上りが遅いですが、これくらいのスピードが出ていると日本でスマートフォンを使っているのと変わらない感じです。
上海での通信速度まとめ
中国の上海といえばかなり発展している地域です。
インフラは整備されているためモバイルネットワークの速度は速いほうだと思います。
それを考えればGLOCAL NETの通信速度はイマイチかもしれません。
おそらくですがWi-Fiルーターの端末としては高速通信できる実力があるとは思うのですが、現地キャリアとの契約によって通信速度が制限されているのではないかと思います。
日本でも格安SIMだとスピードが出なかったり、混雑する時間に速度が大きく低下したりするのと同じ感じです。
それでもメールやブラウジングでしたら問題ないので、動画でも見ない限り気にしなくても大丈夫だと思います。
つながりやすさ
通信ができても安定してつながっていないと使い物になりません。
実際に上海で使ってみた感じでは「ほとんどの場所でつながる」ということです。
上海は地下鉄が発展しており、地下鉄で移動することが多いと思います。
私は地下鉄で移動しつつGLOCAL NETのWi-Fiルーターで通信をしていましたが、切断されたと感じることはありませんでした。地下鉄でも使用できると思って良さそうです。
ただ1箇所だけ通信が途切れるところがありました。
それは浦東空港からでているリニアモーターカーでの高速通信中です。
高速移動が悪いのか、リニアモーターカーの磁界が悪いのかわかりませんが、GLOCAL NETのWi-Fiルーター経由でインターネットにアクセスしていると「インターネットに接続していないアクセスポイント」となってしまいました。Wi-Fiルーターがモバイルネットワークから切断されてしまったのでしょう。
ただこれはGLOCAL NETが悪いのではなく、普通に現地のSIMカードを使っていても同様だったと思います。
中国のインターネット規制に対する状況
今回GLOCAL NETを評価するときに一番興味があったのは「中国で使用すると中国のインターネット規制」はどうなるかということです。
中国のインターネットには「グレートファイアウォール」というシステムがあります。
このシステムによって中国国内からはGoogleの各種サービス・Facebook・Instagramなどにはアクセスできません。LINEについても受信はできますが、送信できないという状況です。
実際にGLOCAL NETのWi-Fiルーターを使っている状態で、FacebookやGMailにアクセスしてみると・・・アクセスできました!
GLOCAL NETはインターネット規制の影響を受けないようです! これは大きなメリットです。
グレートファイアウォールを回避するにはVPNを使うなど面倒な手順が必要ですが、GLOCAL NETがあればVPNは不要です。
中国国内でも慣れたGoogle Mapが使えるのはとても便利と感じました。
通信量
GLOCAL NETでは選択したプランにより1日の通信量が決まっています。
通信量のリセットは世界協定時の24時(日本時間の午前9時)です。
実際にどれくらい通信をするかというのはユーザの使い方次第と思います。
私は半日の上海滞在でかなりの時間スマホを使っていました。その結果370MBほど消費してしまいました。
実際のところ、これは自分としてはかなり通信量が多い方です。普通のユーザなら1日300MBの契約でも大丈夫なような気もします。
バッテリー持ち
半日間使った結果、バッテリーは三分の1も減りませんでした。
バッテリー容量が大きいということもありますし、バッテリーを消費するディスプレイをほとんど使うことがないということも大きいと思います。
370MB通信してこの程度のバッテリーの減り具合ならば、普通に使っていれば1日は軽く持つと思います。
バッテリーを心配せずに使えるというのは、旅行者にはうれしいポイントだと思います。
費用
今回は乗り継ぎで上海に2回滞在しました。二回とも昼頃に到着し、夜に上海を離れる日程です。
そのため、いずれもGLOCAL NETの料金の切り替えである世界標準時0時をまたぐことはありませんでした。
従ってGLOCAL NETの利用料金はシンプルに2日分となります。
月額料などを除いて、500MB×2日で比較すると次のようになります。
日額 | 2日間合計 | |
---|---|---|
GLOCAL NET | ¥1,200 | ¥2,400 |
ドコモ 海外パケ・ホーダイ | ¥2,980 | ¥5,960 |
イモトのWi-Fi (LTE) | ¥1,280 | ¥2,560 |
イモトのWi-Fi (3G) | ¥680 | ¥1,280 |
イモトのWi-Fiの3Gプランが一番安いですが、高速通信ができるLTE対応のプランだとGLOCAL NETが一番安くなります。
ただし、イモトのWi-FiはWi-Fiルーターのレンタル代が無料ですが、GLOCAL NETはWi-Fiルーターが24,000円の買い切り制です (更に月額基本料金が400円かかります)。
今回のように2日間使うだけだと、GLOCAL NETの端末代の負担が大きくGLOAL NETがお得とはいえませんが、海外に頻繁に出かける方だとGLOCAL NETのほうがお得になってくると思います。
頻繁に海外渡航する場合、Wi-Fiルーターのレンタルは貸出・返却の手間も負担になると思います。そのような場合は買い切りのGLOCAL NETのようなサービスのほうが良いでしょう。
まとめ
今回はGLOCAL NETのWi-Fiルーターを中国・上海で使ってみました。
使用方法は至って簡単で電源を入れてスマホからWi-Fiで接続するだけです。さらにうれしいことにGLOCAL NETを使うことで中国のインターネット規制を回避することができ、Google MapやFacebookも使えるようになります。
次回はこのGLOCAL NETのWi-Fiルーターをタイで使ってみたいと思います。
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