前回はCANONのミラーレスカメラEOS R10とサードパーティのEF/EF-Sレンズを組み合わせて使ってみました。
今回はEOS R10でつかうSDカードの話にになります。
EOS R10のスペック
デジタルカメラで撮影した画像を保存するには何らかのメディア(記憶媒体)が必要です。
私が購入したEOS R10の場合はSDメモリーカードに対応しています。スペック表には次のように書かれています。
SD/SDHC/SDXCの違いは主に容量の上限です。
SDアソシエーションのサイトから引用したのが下の表です。
「SD」だと最大2GBまでなので今どきは使うことはないでしょう。使うとすると最大32GBのSDHCか最大2TBのSDXCとなると思います。
SDHCの方はファイルシステムがFAT32ということもあり、1ファイルの最大サイズが4GBとなっている点に注意が必要です。
動画だとファイルが大きくなる可能性があるので注意が必要です。
EOS R10の場合、SDHCカードと動画のファイルサイズが4GBを超えると、新しいファイルを作成して記録を継続します。
つまり一つの動画が複数のファイルに分割して記録されることになります。
SDXCカードであればファイルサイズの4GBの壁はありませんので、長い動画が複数のファイルに分割されて記録されることはありません。
容量より気にするのはUHS-II・UHS-I対応という点です。これはSDメモリーカードとの接続方式(バスインターフェース)を示しています。
SDアソシエーションのサイトから引用したのが下の表です。
ところが、面倒なことにSDメモリーカードへの書き込み速度はこのバスインターフェースだけでは決まりません。バスインターフェースが早くてもSDメモリカード側の反応が遅いと書き込み速度が遅くなってしまうので。
最終的にはSDメモリカード側の「スピードクラス」というので実質の書き込み速度が決まってきます。
そしてEOS R10を使うときにどの程度のスピードクラスが必要なのかというのは、EOS R10のスペックに書かれています。マニュアルの方がわかりやすく表になっているので、マニュアルから引用します。
これを見ると4K/60pで撮影するにはUHSスピードクラス3以上、10bit HDRで撮影するならビデオスピードクラスV60以上が必要になります。
フルHD/60pだとSDスピードクラス10以上、UHSスピードクラス3以上という記載です。UHSスピードクラス1でも良い気がしますが、なぜかUHSスピードクラスは3以上となっています。
EOS R10の性能を引き出すならUHSスピードクラス3以上のSDメモリーカードを用意しておきたいところです。
用意したSDメモリーカード
今回は3枚のSDメモリカードを用意しました。うち2枚は以前から使っていたものです。1枚はEOS R10のために新調しました。
SANDISK SDHCカード 32GB (UHS-I)
1枚目はSANDISKブランドの32GBのSDHCカードです。
カードに書かれている情報を見ると
バスインターフェース | UHS-I対応 |
---|---|
スピードクラス | SDスピードクラス10 |
ということが読み取れます。UHS-IのSDカードなので、スピードクラスはUHSスピードクラス1に対応しても良さそうなものですが、マークはありません。
TOSHIBA SDHCカード 32GB (UHS-I)
2枚目は東芝ブランドの32GB SDHCカードです。
カードに書かれている情報を見ると
バスインターフェース | UHS-I対応 |
---|---|
スピードクラス | UHSスピードクラス1 SDスピードクラス10 |
ということが読み取れます。
SANDISKのカードと異なり、UHSスピードクラス1のマークが印刷されています。
SABRENT SDXCカード 128GB (UHS-II)
3枚目はEOS R10のために新たに購入したカードです。
私はAmazonで3,498円で購入しましたが今はもう少し値段が下がっているようです。
メモリカードのパッケージというと極薄いものが一般的ですが、このカードはしっかりとしたパッケージに入っていました。
パッケージを開けると金属製のケースが入っており、このケースはSDカードを持ち歩くときにも使えそうです。
カード本体の写真は次の通りです。
カードに書かれている情報を見ると
バスインターフェース | UHS-II対応 |
---|---|
スピードクラス | SDスピードクラス10 UHSスピードクラス3 ビデオスピードクラスV60 |
に対応していることがわかります。従ってEOS R10の要求する書き込み性能には完全に対応しています。
またカードの裏面をみると金属の端子が2列になっていることがわかります。2列になっているのはUHS-2のSDメモリカードの特徴です。
実験
SDメモリカードがそろったところでEOS R10に装着して実験してみます。
今回は「静止画連写」と「動画記録」の二つのテストを行ってみることにしました。
静止画連射テスト
EOS R10のマニュアルを見ると連続撮影可能枚数として次のような情報が書かれています。
JPEGの連射だとかなりの枚数が撮影できてしまうので、今回は「RAW+JPEG」で試してみようと思います。シャッター方式は電子シャッターとします。
マニュアルによればUHS-II対応ならば19枚まで、UHS-I対応なら18枚まで速度が低下せずに撮影できるとなっています。
静止画連写のテストでは、今回用意した3枚のSDメモリカードで何枚まで速度が低下せずに撮影できるかを確認してみます。また、連写が停止してからEOS R10の書き込み中のLEDが消灯するまでの時間もストップウォッチで計測してみました。
連写枚数 | 書き込み中LEDが 消灯するまでの時間 |
|
---|---|---|
SANDISK SDHC 32GB (UHS-I) | 18枚 | 36.2秒 |
TOSHIBA SDHC 32GB (UHS-I) | 16枚 | 41.1秒 |
SABRENT SDXC 128GB (UHS-II) | 20枚 | 5.2秒 |
RAW+JPEGで撮影しているので生成されるファイルは連写枚数の2倍となります。
連写枚数的にはあまり差が無いように見えますが、書き込み中LEDが消灯するまでの時間が大きく変りました。
おそらくEOS R10の本体のバッファにRAW+JPEGならば15枚程度は格納できるのだと思います。バッファがいっぱいになると、あとはSDメモリカードに書き出せた分だけ連射が継続できるという感じです。
また、連射が停止したあとの動作も大きく違います。UHS-IのSANDISKとTOSHIBAのカードの場合は、そのままシャッターボタンを押し続けると2~3秒に1回シャッターが切れます。
RAW+JPEGの1セットをSDメモリカードに書き出すので2~3秒かかるのだと思います。
一方、UHS-IIのSABRENTだとそのままシャッターボタンを押し続けると、1秒間に2・3枚ぐらいのスピード(0.3~0.5秒ぐらいの間隔)で連射が継続します。
ここまで連射することはそうそうないとは思いますが、はやりUHS-IIのSDメモリカードの方が快適な撮影体験となるでしょう。
動画記録テスト
EOS R10のマニュアルを見ると動画撮影時に要求されるSDメモリーカードのスペック津は次のようになっています。
そこでUHSスピードクラス3以上が必要とされている「4K UHD / 59.94fps / IPB(標準)」で動画を撮影して、撮影できるかどうかを確認してみます。
フレームレートを59.94fpsとするために、4K UHDの撮影はクロップ撮影となります。スマートフォンでストップウォッチを表示してその画面を撮影してみました。
撮影時間 | ファイルサイズ | |
---|---|---|
SANDISK SDHC 32GB (UHS-I) | 7.5秒 | 209MB |
TOSHIBA SDHC 32GB (UHS-I) | 5.5秒 | 155MB |
SABRENT SDXC 128GB (UHS-II) | 3分以上 | (3分7秒で5.05GB) |
予想はしていましたがUHS-IのSANDISKとTOSHIBAはすぐに撮影が停止してしまいました。このとき画面には「動画記録を停止しました」と表示されます。
しばらくすると「カードの書き込み速度が遅いため、動画記録を停止しました」と表示されます。
はやり使用しているSDメモリカードが原因で動画記録が止まってしまったようです。
一方、UHS-IIのSABRENTはこのように停止してしまうことはなく撮影を継続しました。今回は3分で打ち切ってしまいましたが、メモリカードの容量・温度・バッテリーの限界が来るまでは撮影を続けそうな感じです。
EOS R10の使用としては動画の最長記録時間は2時間になります。
やはり4Kで撮影するならUHS-IIのカードは必須のようです。
まとめ
今回はCANONのミラーレスカメラEOS R10をいくつかのSDメモリーカード得見合わせて使ってみました。
UHS-IのSDメモリカードだと撮影はできるものの連射に制限が出たり、4K動画の撮影が短時間しかできません。SDメモリカードも安くなっているのでカメラに合わせてUHS-IIのカードを購入することをお勧めします。
次回はEOS R10をUSB充電してみます。
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