前回まではフランスのSFRのプリペイドSIMカードについて紹介してきました。
今回から大きく南半球に移動してアルゼンチンのプリペイドSIMカードについて紹介です。
アルゼンチン以外のプリペイドSIMカード情報については下記のまとめページを参照してください。
なお私のスマートフォンはSIMロックを解除した状態(いわゆるSIMフリー)です。海外でプリペイドSIMを使おうと思っている方は、SIMロック解除してあることを確認してください。
ドコモのローミング情報
いつものように渡航前にドコモのローミング情報を確認します。
この情報でドコモ端末で確実に通信ができる携帯電話会社を把握することができます。また、3G対応やサービスエリアについても確認可能です。最近ではLTEのローミング情報も記載されています。
ドコモのアルゼンチンでのローミング情報は下記のページから入手することができます。
2016年1月現在の状況は下記の通りです。
AR TP(Personal)、CLARO AR, Movistarの3社とローミング可能でいずれも3Gが利用可能です。ただし、3Gではなく3G850MHzの「〇」がついています。調べてみるとバンド5を使っており、ドコモのバンド19とは違うのですが重なっている部分があるので使えるということでしょうか。
このドコモの情報によれば、ドコモのスマホでFOMAプラスエリアに対応しているスマホであれば、アルゼンチンで3Gが使えることになります。
また、アルゼンチンについてはドコモのサイトにはローミング情報が載っていませんでした。まだローミングの提携ができていないようです。
Wikipediaの情報
Wikipediaには各国の携帯電話会社の情報がまとまっています。
ドコモのローミング情報に出ていた3社のほかにNextelという会社もありますが、ダントツに規模が小さいので無視してよさそうです。Calro・Movistar・Personalの3社の加入者数はほぼ同じなので、会社の規模的にはこの三社のいずれかならば大丈夫そうです。
上の表で赤線を引いたのは3Gの情報です。Claro・Movisar・Personalの3社とも1900MHz(バンド2)を3Gに使用しており、それに加えてMovistarだけが850MHz(バンド5)を利用しています。ただ、ドコモのローミング情報を見るとPersonal・Claroも3G850MHzに〇が付いているので、Wikipediaの情報が古いのかもしれません。
LTEについては3社とも1700MHzとなっています。これはバンド4になり日本では使われていない周波数です。したがって国内モデルのスマホを持ち込んだ場合、LTEが使えない可能性があります。LTEにこだわりたい方はiPhoneやNexusシリーズのような国際的に売られているモデルのほうがよさそうです。
私の場合は北米モデルのNexus5(D820)を使っており、これはバンド4対応なのでうまくいけばLTEも使えそうです。
インターネット上の情報
渡航前にインターネットで情報を探したのですが、まとまっているのは英語の情報しかなかったと記憶しています。私は下記の2のサイトをメモって行きました。
この二つのサイトの内容を見比べると「APN Change」のほうが古い情報をもとにしているような感じでした。
スマホでプリペイドSIMカードを使う場合の情報を、この二つのサイトからまとめると次のようになります。なお、アルゼンチン通貨の1ペソは2016年1月現在で9円弱ですが、アルゼンチンはインフレが激しく価格がすぐに変更になります。下記を読む場合は1ペソを12~3円程度で換算するとよいと思います。
Claro
- SIMカードは50ペソ程度
- データ通信
- 標準価格は1日50MBで4ペソ。
- 超過すると128kbpsに速度低下。
- 「252」に「TURBO」という内容のSMSを送ると速度制限を解除できる(1回50MB, 1日3回まで)。1回あたり4ペソ。
- 1日50MB×7日のパッケージは23ペソ。
- 「454」に「PACK7D」という内容のSMSを送る
- 標準価格は1日50MBで4ペソ。
- 残高照会: 「555」に「SALDO」という内容のSMSを送る
- APN情報
- APN: igprs.claro.com.ar
- ユーザ名: clarogprs
- パスワード: clarogprs999
Movistar
- SIMカードは40ペソ程度
- キオスクなどで売っている
- データ通信
- 標準価格は1日50MBで4ペソ。
- 超過すると32kbpsに速度低下。
- 「772」に「SI」という内容のSMSを送ると速度制限を解除できる(1回50MB)。1回あたり3.15ペソ。
- 1日15MB×7日のパッケージは19.9ペソ。
- 「2345」に「Internet」という内容のSMSを送る
- 標準価格は1日50MBで4ペソ。
- 残高照会: 「444」に「SALDO」という内容のSMSを送る
- TOP UP: 「*444」に発信して表示されるメニューで「2」を選択したあとにリチャージカードの番号を入力
- APN情報
- APN: wap.gprs.unifon.com.ar
- ユーザ名: wap
- パスワード: wap
Personal
- SIMカード価格は不明(10ペソ?)。初期残高は10ペソ。
- データ通信
- 標準価格は1日50MBで3.15ペソ。
- 超過すると32kbpsに速度低下。
- 速度制限は解除できるが方法は不明。
- 7日間無制限 (ただし1日10MBを超えると64kbpsに速度制限)のパッケージは19.9ペソ。
- 「152」に「ACT SIMPLE」という内容のSMSを送る
- 標準価格は1日50MBで3.15ペソ。
- 残高照会: 「150」に「SALDO」という内容のSMSを送る?
- APN情報
- APN: gprs.personal.com
- ユーザ名: gprs
- パスワード: gprs
公式サイトの情報
上記の二つのサイトの情報が古い用の感じたので、Movistarのサイトだけはチェックしてから渡航しました。アルゼンチンのMovistarのプリペイドSIMは下記のURLで説明されています。当然ながらスペイン語ですが、Google翻訳などでがんばればなんとかなります。
MovistarのプリペイドSIMカード(Prepago)は2種類ありますが、私が読み取った限りでは「Prepago Multiplicate」と「Prepago Nacional」の2種類があるようです。Prepago Nacionalは最もベーシックなプランで、Prepago MultiplicateはSMSや通話時間が含まれている分ちょっと高めに設定されているようです。いずれのプランでもデータ通信は3G・LTE(4G)で利用することができます。
データ通信については
Ahora tenés 50MB para Navegar 3G ó 4G hasta el final del día. Si te quedas sin megas antes de las 0 hs. Te renovamos otros 50 MB
Para conocer más acerca del servicio Internet por Día PLUS entrá acá.
と書かれていて、翻訳すると
3Gと4Gのデータ通信を1日で50MB利用できる。午前0時までに使い切った場合はさらに50MB追加することができる。詳細はhttp://www.movistar.com.ar/atencion-al-cliente/#/pregunta/como-funciona-internet-por-dia-en-prepagoを参照のこと。
となります。
詳細が書かれているページを確認してまとめると
- 23:59まで3Gおよび4Gで50MBを3.90ペソで利用できる。
- 初回にデータ通信をすると「Ya estas navegando con INTERNET x DÍA PLUS!…」というSMSが送られてくる。
- 50MBを使い切ると「Alcanzaste los 50MB de navegación…」というSMSが送られてくる。
- このSMSが送られて来たら「SI」を「772」にSMSすると、3.90ペソで50MB追加できる。
- 「NO」を「772」に送るとデー通信の自動更新(50MBの追加)を停止する。
- 自動更新の有無を変更したい場合は「ALTA」を「772」にSMSする。
- 2016/03/13より50MBあたり4.50ペソに価格が変更になる
となります。
まとめると、とにかくMovistarのプリペイドSIMカードを入手できれば、特に申し込みをしなくても50MBを3.9ペソ(50円程度)で使うことができるということになります。
なお、データパッケージとして、1日50MBを7日間使用できるプランが19.9ペソで発売されています。下記のページの「Internet」というプランです。
1日50MB(3.9ペソ)を7回繰り返すよりは安くなりますので、7日間以上滞在するのならばこれを使う手もあります。申し込み方法は「Internet」という内容で「2345」にSMSを送るだけです。1週間1GBというような大容量のプランは発見できませんでした。
まとめ
今回は事前に調査したアルゼンチンのプリペイドSIMカード事情について紹介しました。
アルゼンチンには大手携帯電話会社が3社ありますが、あまり大きな差がないことがわかりました。いずれの会社も大容量のデータパッケージを用意していないので、50MBずつ使っていくことになりそうです。
次回は現地でプリペイドSIMカードを購入したことを紹介したいと思います。
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