前回まではServersMan@VPSでのOS入れ替え作業を紹介していましたが、ちょっと話題をかえて現在開催中のGoogle I/O 2014について紹介します。
Google I/OはGoogleの開発者向けの会議で多くの新技術やGoogleの方向性がアナウンスされます。今回はそのkeynoteで発表された内容を速報として紹介したいと思います。
ただし、英語で発表(ストリーミング)された内容を聞き取ってメモったものですので間違っている可能性がかなりあります。その点はご容赦ください。すぐに各種メディアで報道があると思いますので、そちらで内容を確認することをお勧めします。
andorid one
格安のスマートフォンの話題です。この話題は日本人にはほとんど関係ありません。
まだスマートフォンを所有していないユーザ(次の10億人だそうです)に向けて、格安のスマートフォンを提供するプログラムを進めているようです。
GoogleがHWのリファレンスデザイン(設計情報)を提供することによって、スマートフォンを作りたいベンダはすぐに製造に入ることができるるようになります。いわゆる「Turn Key Solution」です。
まず初めに下記のスペックのスマホを100ドル以下でインド市場に投入すると発表されました。
- 4.5インチスクリーン
- SDカード (Nexusシリーズとは異なりSDカードをサポートする)
- Dual SIM
- FM Radio
発売元は3社になるようです。
Android oneではNexusデバイスと同様にFWのアップデートが自動で(OTAで)行うことができるそうです。
インドでは多くの人が携帯電話を使っていますが、スマートフォンの普及率は10%以下だそうです。この発表をした人がインド系の方のようで、感慨深く(?)話していました。
material design
Googleの各デバイス・サービス(Androidスマホ・Androidタブレット・Chrome・Webアプリ)に「material design」というコンセプトで、新しいデザインガイドを導入するという発表です。
もちろん、AndroidのAPIを使うこととによって他のアプリ開発者も「material desgin」を導入できますし、Webアプリ用にもGoogleがPolymerライブラリというライブラリを提供するので「material desgin」を導入できます。「material desgin」の考え方(ガイドライン)についてはWebで公開されることになります。
さて、問題はではその「material desgin」がなにかということです。説明が広範囲に及んだので、正直理解しきれませんでした。私が理解できたのは下記の内容です。
- GUIに”高さ”という概念(パラメータ)が導入される
- “高さ”に合わせて最適な影(シャドウ)がリアルタイムにレンダリングされて、ユーザには浮き上がっているように見える
- リアルタイムのアニメーションやフィードバック(ユーザの操作に応じたアニメーション)ができる
- アプリケーション間、アクティビティ間のアニメーションが可能になる
- よりかっこいいスクロールができる(スクロールで画面外に出る部分のアニメーションや消し方など)
Andoidで「material desgin」を実装するためのAPIは本日より提供されるSDKで利用可能のようです。
ユーザ・エクスペリエンスでの革新
いくつかAndroidでのユーザ・エクスペリエンスに改善を加えるそうです。その一つが「material desgin」なわけですが、そのほかに紹介されたのは次の通りです。
- ロックスクリーンでの操作性の向上
ロックスクリーンに表示された「お知らせ」に対する操作やロックの解除の仕方など - ヘッドアップNotification(お知らせ)の導入
ゲーム中などステータスバーが表示されていない状態でも、ポップアップでお知らせを表示することができ、また簡単な操作でそのお知らせを消せる。 - ユーザ認証
今まではロックスクリーンの解除には解除パターンを入力したりしていたわけですが、デバイスを使った解除もできるようになるようです。腕時計(スマートウォッチ?)を装着しているとき(=近くにある時)はロックなしで、腕時計がない場合には通常通りパターン入力が必要なロック画面が表示される、というデモが行われました。 - AndroidのChromeブラウザの機能追加
AndroidのChromeブラウザから検索結果に基づいてAndroidアプリダイレクトにを起動できたり、Androidアプリでの過去の操作内容(コンテキスト)が検索結果に出るようになる。
Androidのパフォーマンスの改善
続いてはAndroidに対するパフォーマンスの改善です。ランタイム・GPU・バッテリについて紹介されました。
ランタイムについては既報のとおりDalvikからARTに変更になるというアナウンスです。ARTはARM・Intel・MIPS向けに用意され、アプリの実行速度はざっとDalvicの2倍になり、またガーベージコレクションによる停止時間も五分の一程度に短縮されているようです。
Androidアプリには一切の変更を行わずこの効果が得られるので、期待が大きい技術です。
なおARTは64bit(ARM・Intel・MIPS)に対応しているとのアナウンスもありましたが、64bit版Androidの発表は残念ながらありませんでした。
GPUに関しては「Android Extension Pack」というものが提供され、よりGPUの能力が引き出せるようになるようです。Androidでデスクトップ並みのゲームができるようになる、というのが売りのようでした。
最後にバッテリです。Project Voltaというチームを立ち上げて、バッテリ伸ばすことに挑戦しているとのこと。定期的にあるいはバックグラウンドで動くタスクを調整することで、バッテリ寿命を稼げるようになるみたいでした。この最適なスケジューリング用に新しいJob Schedule APIが導入されるようです。
ここで紹介されたような改善は間もなく提供されるSDKですぐ使えるようになることと、Nexus5・Nexus7等のデバイスでは今日から使えるようになるという発表もありました。
その2へ
まだまだ発表があったで、とりあえずその2に続きます。
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