前回は海外Wi-FiルーターサービスのGLOCAL NETをタイで使った状況を紹介しました。
今回はこのGLOCAL NETをしばらく使った感想を紹介します。以前もGLOCAL NETの感想は紹介しているので、一部かぶるところがあるかもしれません。
この記事を書くにあたり、グローカルネット様より試用のための端末を無料レンタルしていただいています。
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グローカルネットの申し込みページにクーポンコードを入力するところがあるので、そちらに貼りつけてください。
試用期間・環境
今回は複数の国を移動する旅程でした。アフリカ(GLOCAL NETサービス対象外の国)へ行くのに、中国・上海とタイ・バンコクを経由していったという状況です。
そのため実際に試用したのは
- 中国・上海 2日 (往路1日、復路1日)
- タイ・バンコク 4日 (往路2日、復路2日)
となります。
1日の計算はGLOCAL NETの料金計算に合わせ世界協定時の0時で1日をカウントしています。
なお、上記は上海からバンコクに移動した日をそれぞれ1日として記載していますが、世界協定時の0時をまたいでないのでGLOCAL NET的には一日としてカウントされます。
従って海外では5日利用したことになります。
使い勝手
いくつかのカテゴリに分けて、使い勝手に関する感想を紹介します。
設定の簡単さ
これまでのレビューで紹介しているように、GLOCAL NETの使い方はとても簡単な物です。
現地に着いたらGLOCAL NETのWi-Fiルーターの電源を入れて2・3分ほど待てばインターネットにつながります。
スマホ側は初回はWi-Fiアクセスポイントの設定が必要ですが、2回目以降は何も変更する必要はありません。
重要なのはどの国でも操作を変える必要が無いということです。
現地でプリペイドを入手する場合だと、入手の仕方も国ごとに違いますし、装着後の操作方法も異なります。
操作が簡単というのはGLOCAL NETのメリットの大きな一つだと思います。
通信速度
通信速度に関しては、現地のキャリアの通信速度(実際に通信可能な速度)に対して、少し抑えられていることもあるようです。
通信速度が抑えられているかどうかは国によって変わると思います
通信速度は、おそらくGLOCAL NETと現地のキャリアとの契約によって決まるのだと思います。これは日本の格安SIM(MVNO)と同じ状況です。
とはいえ、通常の利用(Web・メール・SNS・マップアプリ)で必要な通信速度は十分に確保されているようです。
動画ストリーミング(それも高解像度)でも見ない限り問題ないと思います。
現地SIMカードの利用
GLOCAL NETのWi-Fiルーターの特徴は、SIMスロットがあり、現地のSIMとGLOCAL NETのサービス(クラウドSIM)が簡単に切り替えることができる点です。
現地のSIMカードの入手性・価格は国によって大きく異なります。
今回の訪問した国では、中国・上海ではSIMを空港で購入できるものの結構値段が高く、タイ・バンコクでは空港で安い値段で入手できます。
GLOCAL NETの料金体系は「使用日のみ課金システム、試用しない日は0円」となっています。
そのため現地SIMカードを首尾良く入手できた場合は、現地SIMカードを使えばGLOCAL NETの費用はかかりません。
このように柔軟に使い分けることができるのもGLOCAL NETのメリットだと思います。
費用
気になる費用を計算してみます
比較対象はドコモの海外パケ・ホーダイとイモトのWi-Fiです。
条件は次のとおりです。
- ドコモの月基本料金はカケホーダイライトプラン(定期契約あり)
- イモトのWi-Fiでは複数国に対応している世界周遊ブランを想定
この条件で計算すると次のようになります
月基本料金 | 現地費用 | 合計 | |
---|---|---|---|
GLOCAL NET | 400円 | 1200円×5日=6000円 | 7600円 |
ドコモ 海外パケ・ホーダイ |
1700円 | 2980円×5日=14900円 | 16600円 |
イモトのWi-Fi | 0円 | 1580円×5日=7900円 | 7900円 |
ドコモの海外パケ・ホーダイがダントツに高く、GLOCAL NETが一番安くなりました。しかし、この計算にはちょっとトリックがあります。
それは初期費用です。GLOCAL NETで初期費用として、端末代金 24000円・事務手数料 3000円の合計27000円がかかります。
一方、イモトのWi-Fiは初期費用は無料です。ただし、イモトのWi-Fiにも次のような注意点があります。
- 渡航する国の組み合わせによっては端末が複数になる場合がある
- 申込時に渡航先を申告する必要がある(事前申告外の国では使えない)
バックパッカーでもない限り後者の方は問題にならないと思いますが、前者の方は少し問題です。
旅行では荷物を減らしたいと思う方が多いと思いますが、そこに複数のWi-Fiルーターを持たなければいけなくなる(しかもバッテリ製品なので機内持ち込みが必要)だとするとうんざりしてしまうかもしれません。
こう見ると、
- GLOCAL NET:
- 初期費用が高いもののランニングコストは安い。
- サービス対象国であればWi-Fiルーターの電源をいれるだけで自由に使用できる
- イモトのWi-Fi
- 初期費用が不要で、ランニングコストはまあまあ。
- 使用国はレンタル時に指定する必要あり、自由度がやや低い。
とそれぞれ特徴があることがわかります。
注意点
今回使ってみて注意点を1つ発見しました。
それはPC(Windows10)をつなげるとあっという間にデータ量を使い切ってしまう場合があるということです。
実際にバンコクのホテルでGLOCAL NETのWi-FiルーターにWindows 10のノートPCを接続して使っていたところ、あっという間に500MBを超えてしまいました。
ホテルにはWi-Fiがありましたが、ホテルのWi-FiよりGLOCAL NETの方が早くて安定していたためです。
「FUP」というのは「Fair Use Policy」の略で、これが出ているときは通信速度が大幅に制限されます
これはWindows10のバックグラウンドでWindows Update等が走ってしまったためと思います。
GLOCAL NETのWi-Fiルーターには「データ節約機能」があり、この機能をオンにするとスマホ(Android・iPhone)がバックグランドでデータ通信するのを抑えることができます。
しかし、これはWindows10にはデータ節約機能で遮断できるサービス以外にもバックグランド通信をするようで、これがデータ容量を使ってしまうようです。
どこまで意図しない通信をカットできるかわかりませんが、Windows10の場合はGLOCAL NETのWi-Fiルーターを「従量制課金接続」として指定しておくと良いと思います。
この設定は「コントロールパネル(設定)」→「ネットワークとインターネット」→「接続プロパティの変更」で行うことができます。
おすすめのユーザ
この内容は前回の感想と一緒です
今回はGLOCAL NETのレビューなので、GLOCAL NETはどのようなユーザに向くのか考えてみたいと思います。
思いつくのは下記のユーザです。
- 海外出張が多いビジネスパーソン
初期費用が高いものの、ランニングコストが安いことから、海外で使う回数が多ければ多いほどお得度が増してくるのがGLOCAL NETです。
それを考えると、海外出張が多いビジネスパーソンにピッタリのサービスだと思います。
また、急な海外出張等の場合、レンタルWi-Fiルーターだと間に合わないということもありそうですが、Wi-Fiルーターが買い切り制のGLOCAL NETならその心配も必要ありません。
忙しい方だと、出張先から更に出張というということのあると思いますが、使用国の事前指定が不要なGLOCAL NETならばそんな状況も対応できます。
もちろん海外出張時だけでなく、家族旅行のときなども活用できると思います。 - 海外拠点を持つ企業(法人利用)
一人で利用するのではなく法人として契約するのもありだと思います。
日本でも1日単位で使用できるので、海外出張に行く社員に持たせるだけでなく、海外拠点から日本に出張してきた人に日本滞在中に利用してもらうというようなこともできます。
日本でも訪日観光客向けのプリペイドSIMも入手しやすくなっていますが、短期間の利用ならばGLOCAL NETの1日単位プランのほうがお得だと思います。 - いつどこに行くかわからないバックパッカー
世の中には滞在日数とかを決めずに気ままに旅行する方もいます。
そのような方には事前に使用国を指定する必要のないGLOCAL NETのほうが便利なのではないかと思います。
まあ、このようなスタイルで旅行するバックパッカーはたいてい旅費を費用を抑えることに執念を燃やしているので、1日1200円と言うのは受け入れがたいかもしれませんが…
まとめ
今回は海外Wi-FiルーターサービスのGLOCAL NETをしばらく使った感想を紹介しました。
GLOCAL NETを使うのは3回目となり、今回も快適に利用することができました。1つのWi-Fiルーターで多くの国に対応しており電源を入れるだけでインターネットが利用できるようになります。
頻繁に海外に行く方や、海外出張が多い企業には魅力的なサービスではないかと思います。
次回はSIMフリーのモバイルルータを紹介します。
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