この方法の目標は下図のネットワークを構築することです。 設定は3段階あります。
- coLinux設定ファイルの修正
- Host PCの設定
- coLinux内の設定
coLinux設定ファイルの修正
TAP-Win32の確認
インストール時に TAP-Win32をインストールするように選択しておくと、 「ネットワークとダイヤルアップ接続」に アイコンが一つ増えているはずです (coLinuxが起動していない状態では×印がついています)。 プロパティを見ると接続の方法のところに 「TAP-Win32 Adapter V8 (coLinux)」と表示されるので判別できるはずです。
TAP-Win32のアイコンが一つだけの人は、 coLinuxの設定ファイルを特にいじる必要はありません。 設定ファイルに以下の様な行があればOKです。 coLinuxが自動的にTAP-Win32を認識します。
eth0=tuntap
TAP-Win32のアイコンが2個ある人 (coLinuxを同時に複数立ち上げる場合等)はちょっと注意が必要です。 coLinuxの設定ファイルに使用するTAP-Win32を指定しなければなりません。 これはcoLinuxの設定ファイルで行うのですが、 TAP-Win32のアイコンの名前が 日本語だとうまくいきません。 まず、アイコンの名前を半角英数字に変えます (例えば、"coLinux Network"とします)。
次に、 coLinuxの設定ファイルのtuntapの部分を以下のように書き換えます。
eth0=tuntap,"coLinux Network"
このようにすると、coLinuxが使用するTAP-Win32を指定することができます。
設定ファイル例
この方法の場合の私のcoLinux設定ファイルは以下の通りです。 必要に応じてnetworkの部分を書き換えてください。
kernel=vmlinux cobd0=c:coLinuxroot.img cobd1=c:coLinuxswap.img root=/dev/cobd0 ro initrd=initrd.gz mem=128 eth0=tuntap
Host PCの設定
TAP-Win32の設定
以下の設定をする前にcoLinuxを起動しておきましょう。 coLinuxを起動していないとTAP-Win32が無効状態になっていて、 正常に設定ができません。
また、この方法ではcoLinuxが繋がる仮想LANのネットワークアドレスが 192.168.0.0/24に設定されてしまうため、 Host PCのIPアドレスが192.168.0.xxxだとバッティングしてしまいます。 既存のLANの設定を変更することをお勧めします。
まず、TAP-Win32側のネットワークから 既存のLAN側にデータが流れるように設定します。 これにはWindowsのネットワークの共有機能を使います。
「コントロールパネル」→「ネットワークとダイアルアップの設定」 と開いて、 「ローカル エリアの接続 (デバイス名がTAP-Win32 Adapterでないもの)」 を右クリックしてプロパティを表示させます。
その「共有タブ」で 「この接続でインターネット接続の共有を使用可能にする」に チェックをつけます。これだけでOKです。
プロパティを閉じようとするといろいろ文句を言われますが、 怯まずOKを押しましょう。
次に、仮想ネットワークデバイスのTAP-Win32のアドレスを 192.168.0.1に設定します。
TAP-Win32のアドレスの設定は簡単です。 「コントロールパネル」→「ネットワークとダイアルアップの設定」 と開いて、 「ローカル エリアの接続 (デバイス名がTAP-Win32 Adapterのもの)」を 右クリックしてプロパティを表示させます。
さらに、「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選んで 「プロパティボタン」を押します。 すると、IPアドレスが設定できるので、「次のIPアドレスを使う」を選んで
- IPアドレス: 192.168.0.1
- サブネットマスク: 255.255.255.0
- デフォルトゲートウェイ: (空欄)
- 優先DNSサーバ: (空欄)
- 代替DNSサーバ: (空欄)
とします。 というか、ネットワークの共有を設定すると勝手にこのようになります。 Host PCとcoLinuxを結ぶ仮想ネットワークアドレスを 192.168.0.0/24以外にしたい人は、 ここでIPアドレスを変更しておきましょう。
hostsファイルの修正
最後に、Host PCのhostsファイルを修正して、 coLinxのホスト名とIPアドレスを追加しておきましょう。 hostsファイルはC:WINNTsystem32driversetcにあります (Windowsのフォルダがc:WINNTの場合)。 メモ帳で開いて、以下の行を追加しておきましょう。
192.168.0.2 colinux
以上で、host PC側の設定は完了です。
coLinux側の設定
colinux-consoleからrootでログインします。 以降はcolinux-consoleから操作します。
coLinuxのIPアドレスを変更するには、 /etc/network/interfaceを変更します。 変更する為のエディタコマンドはviかeditorが良いでしょう。
# cd /etc/network # editor interface
変更する内容は次のようにします。 IPアドレスをこれ以外にしたい人はaddressとgatewayのところを 書き換えてください。
auto lo eth0 iface eth0 inet static address 192.168.0.2 gateway 192.168.0.1 netmask 255.255.255.0 iface lo inet loopback
/etc/network/interfaceの書き換えが完了したら、 以下のコマンドでそれを反映させます。
# /etc/init.d/networking restart Setting up IP spoofing protection: rp_filter Reconfiguring network interface...done. done.
確認にはifconfigコマンドを使います。次のように表示されればOKです。
# ifconfig eth0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.0.2 Bcast:192.168.0.255 Mask:255.255.255.0 ---- 省略 ---- lo Link encap:Local Loopback inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0 ---- 省略 ----
細かな数字は違うかもしれませんが、eth0とloの2つ出力があることと、 eth0のinet addrが192.168.0.2であればOKです。 またゲートウェイの設定は以下のコマンドで確認します。
# route Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface 192.168.0.0 * 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 default 192.168.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0
ここではdefaultで始まる行のGatewayの列が192.168.0.1であればOKです。
colinux自身のホスト名はデフォルトではdebianとなっています。これを変えるには/etc/hostnameファイルを変更します。ここではホスト名をcolinuxにするために/etc/hostnameを以下の様にします。
colinux
変更したら以下の様に反映と確認を行います。
# /etc/init.d/hostname.sh # uname -n colinux
次に、/etc/hostsファイルを作成し、 自分の名前とhost PCの名前を追加しておきましょう。 Host PCの名前をwin2kの場合は、/etc/hostsを以下のようにすればOKです。
127.0.0.1 localhost 192.168.0.1 win2k 192.168.0.2 colinux
次に、最後に/etc/resolv.confを編集して、 自分のプロバイダのDNSサーバのアドレスを記入します。 例えば、 DNSサーバのアドレスが123.123.123.123と123.123.123.124の場合は、 /etc/resolv.confの内容を次のようにします。
nameserver 123.123.123.123 nameserver 123.123.123.124 search
動作確認
ここまできたら、host PCとcoLinuxが通信できるかテストしてみましょう。
まずはhost PC→coLinuxです。pingコマンドで調べましょう。 host PCのコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行して 返事が返ってくることを確認しましょう。
> ping 192.168.0.2 Pinging 192.168.0.2 with 32 bytes of data: Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<10ms TTL=64 Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<10ms TTL=64 Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<10ms TTL=64 Reply from 192.168.0.2: bytes=32 time<10ms TTL=64 Ping statistics for 192.168.0.2: Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss), Approximate round trip times in milli-seconds: Minimum = 0ms, Maximum = 0ms, Average = 0ms
うまくいったら、 「ping colinux」でもうまく動くことも確認しておきましょう。
次はcoLinux→host PCの確認です。 まあ、host PC→coLinuxが大丈夫なら問題ないと思いますが 念のためやっておきます。 colinux-consoleで次のコマンドを打ちましょう。
# ping -c 4 192.168.0.1 PING 192.168.0.1 (192.168.0.1): 56 data bytes 64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=0 ttl=128 time=4.4 ms 64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=1 ttl=128 time=4.9 ms 64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=2 ttl=128 time=5.0 ms 64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=3 ttl=128 time=5.1 ms --- 192.168.0.1 ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 packets received, 0% packets loss rount-trip min/avg/max = 4.4/4.8/5.1 ms
こちらも、「ping -c 4 win2k」でうまく動くことも確認しておきます。
ここまでうまくいったら、 最後にインターネットに出れるかどうかを確認しましょう。 colinux-consoleで自分のプロバイダのサイトにpingしてみて、 返事が返ってくることを確認します。
# ping -c 4 scratchpad.f2c.com PING scratchpad.f2c.com (69.25.27.171): 56 data bytes 64 bytes from 69.25.27.171: icmp_seq=0 ttl=243 time=18.7 ms 64 bytes from 69.25.27.171: icmp_seq=1 ttl=243 time=20.1 ms 64 bytes from 69.25.27.171: icmp_seq=2 ttl=243 time=15.5 ms 64 bytes from 69.25.27.171: icmp_seq=3 ttl=243 time=17.6 ms --- scratchpad.f2c.com ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 packets received, 0% packets loss rount-trip min/avg/max = 15.5/17.9/20.1 ms
以上で、この方法の設定はおしまいです。
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