前回はキヤノンのデジタルカメラEOS R10で使っていたブラックラピッド(BLACKRAPID)のカメラストラップが壊れ、カメラが落下してしまったことを紹介しました。
前回の記事では無事にカメラが使えるようになったので、今回は新しいカメラストラップを紹介したいと思います。
ブラックラピッドのカメラストラップ
私はBLACKRAPID(ブラックラピッド)というブランドのカメラストラップを利用しています。
使用しているのは「BLACKRAPID RS-7」で、2012年2月に購入してから13年以上も使ってきました。
私の場合は「RS-7」という型番を使っていますが、現在は販売終了のようなため、ここでは「RS-4」を紹介しておきます。

ブラックラピッドのカメラストラップで有名なのは「スリングタイプ」と呼ばれる斜めがけのスタイルです。
カメラを体の横に下げて、ストラップの上をスライドさせながら構えるという独自のスタイルで、多くのプロカメラマンや写真愛好家に愛用されています。
ブラックラピッドの特徴をまとめると次のようになります。
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斜め掛けスタイルで疲労軽減
肩から斜めに掛けることで、カメラの重さを首ではなく肩と体全体で支える設計。
長時間の撮影でも首の疲労を軽減できます。 -
スライド機構で素早く構えられる
カメラを固定する部分がストラップ上をスライドするので、撮りたい瞬間にすばやく構えてシャッターが切れるのも魅力。 -
丈夫なパーツと安全設計
耐久性の高いナイロン素材と、強度のあるカラビナ・金具を採用。
このような特徴からブラックラピッドのカメラストラップは「速写ストラップ」とも呼ばれることがあります。
カメラストラップの買い替え
私は2012年2月に購入したブラックラピッドの「RS-7」というモデルを使ってきたのですが、ついに買い替えることしました。
理由はシンプルに破損です。RS-7にEOS R10をぶら下げていたのですが、RS-7の金具が壊れてしまい、カメラを落下させてしまいました。

壊れたのはこの部分です。
力をかけると元に戻るのですが、もうこのカメラストラップは怖くて使えませんので、買い替えとなります。
RS-7にデザインが近いシンプルなRS-4でも18,000円はします。
ちなみに私が「RS-7」を2012年に買ったときには6,267円でした。
ちょっと気軽に買える値段ではなくなってしまっているので、安い代替品を探すことにしました。
ブラックラピッド風代替カメラストラップの捜索
私が代替品に求めるのは次のポイントです。
- 斜めがけスタイル
- 脇の下を通す補助ストラップはないか、取り外せること
- カメラの三脚穴にストラップを固定 (カメラは逆さまになる)
- カメラを固定する部分がストラップ上をスライドできる
脇の下の補助ストラップ(アンダーアームストラップ)はあったほうがカメラストラップが安定する(肩からずれ落ちなくなる)のだと思いますが、これまで困っていなかったので、なくても良いとしました。
実はAmazonなどで「速写ストラップ」で検索すると、それっぽい品がでてきます。
たとえば、下記の製品は上記の条件を満たしそうです。
これらの代替品でも確かにブラックラピッドを新規に調達するより安くなりますが、もっと安く代替品を調達する方法があります。
それは中華通販を使うということです。私がよく使っているAliExpressで試したところ、「camera sling strap」や「camera quick strap」で検索するとそれっぽいものがでてきました。
関係ない商品もかなり表示されますが、写真を見ると見つけられると思います。
私が気になったのは下記の製品たちです。
この製品は、アンダーアームストラップがない、もっともシンプルな形状をしています。カメラと接続する金具の部分もブラックラピッドのものとそっくりです。また、肩パッドのところに小物入れがついています。
この製品もアンダーアームストラップがないタイプです。ただストラップを固定するためにカメラに三脚穴に取り付けるパーツがプレート状の大きめなものになっているのが気になります。なお、この製品も肩パッドに小物入れがあるようです。
こちらは脇の下を通すストラップがあるタイプです。このアンダーアームストラップを取り外せるかどうかは写真からはわかりません。また、肩パッドには小物入れはないようです。
いずれにしろ1000円を切る激安価格です。ここで紹介した3製品はいずれも他の製品と合わせて15ドルを超えると送料無料になりますので、なにか買い物があるときについでに購入するのも良さそうです。
ブラックラピッド風代替カメラストラップを試す
私は一番シンプルな形が良いと考えて、今回はPULUZのストラップを購入しました。
ただ、先日カメラを落下させてしまったばかりなので、落下防止用のストラップも合わせて購入することにしました。
AliExpressでの購入方法は下記で紹介しているので参照してみてください。

届いたPULUZのカメラストラップ
届いたカメラストラップはこんな感じです。
AliExpressの写真とほぼ同じように見えます。
重要パーツであるカメラを止める金具はブラックラピッドと同じ感じです。
この金具がスライドしないようにするためのストッパーが背中側に1個だけあります。
AliExpressの写真ではストッパーは2個あるように見えるので、私が受け取った製品だけの問題かもしれません。
ストラップの長さは調整可能です。
ただ調整するための部材が胸側にくるデザインになっています。このため、
- 余ったストラップがプラプラしてしまって邪魔
- 撮影するときにカメラを固定する金具をスライドさせるとこの部材にあたってしまう
という2点が気になるところです。
肩パッドの部分には小物入れポケットがついています。
あまり大きなポケットではありませんが、EOS R10のバッテリーであれば入ります。予備バッテリーやSDカードの格納に良さそうです。
ブラックラピッド RS-7との比較
古い品ですが手元にあるブラックラピッドRS-7と比較してみます。写真は左側が今回購入したPULUZのカメラストラップで、右側がブラックラピッドRS-7になります。
まずは肩パッド部分です。
肩パッドの長さはブラックラピッドRS-7のほうが、やや長くなっています。
また、ブラックラピッドRS-7は左肩にかけることが想定されているのでやや弧を描いた形状をしているのに対し、PULUZのカメラストラップどちらの肩でも使えるようにするためか、緩やかなS字の形状となっています。
肩パッドを横から見ると若干PULUZのカメラストラップのほうが厚いようです。
ただ、これまでブラックラピッドRS-7でも痛くなったことなどはなかったため、この厚さがメリットになるかどうかはわかりません。
カメラを固定する金具の部分はそっくりです。
むしろカラビナのロック部分の金具に滑り止め加工がされているなど、PULUZのカメラストラップのほうが良くできているように見えます。
微妙な違いですが使い勝手に差が出そうなのがストッパーです。
ブラックラピッドRS-7のストッパーは若干反りがあり、指が引っかかりやすくなっています。
このため、撮影する状況になったらロックを移動させカメラの可動範囲を広げる→撮影が終わったらまたロックを移動させカメラが動かないようにする、という一連の動作が素早くできます。慣れるとストッパーを見ることなく手探りでこれができるようになるので、大変便利です。
一方、PULUZのカメラストラップのストッパーは指が引っかかりにくい構造のため、上記のような操作には不向きです。基本的にストッパーは動かさないという前提なのかもしれません。
もうひとつ使い勝手に違いが出そうなのが余ったストラップの取り扱いです。
カメラストラップはさまざまな体型の人が使うので、ストラップ長さには余裕があります。多くの場合は使いやすいようにストラップの長さを調整すると、ストラップが余ってしまうはずです。
PULUZのカメラストラップでは余ったストラップはそのままプラプラすることになるので、見た目がイマイチです。しかも、上述の通りストラップの長さを調整する部材が正面側にくるため、このプラプラしたストラップがカメラを使う際にも結構邪魔になります。
一方、ブラックラピッドRS-7では、ストラップ終端にはリングがついていますし、余ったストラップを挟む部材もついているので余ったストラップがプラプラすることはありません。
しかも、余ったストラップは背中側にくるようになっているので、見た目もスッキリします。
PULUZのカメラストラップは形状こそブラックラピッドに近いですが、細かいところを見るとやはりブラックラピッドのほうが間違いなく良くできていると思います。
ただ、価格差が10倍以上あることを考えると、贅沢は言えないところです。
実際に使ってみる
使い方は簡単です。カメラストラップの金具についているネジを三脚穴に固定するだけです。
これが取れてしまうとカメラが落下してしまいますので、しっかりネジを締めましょう。また、カラビナがう用意に開かないようにカラビナのロックもしっかり締めておきます。
私の場合は落下防止ストラップも購入してあります。
落下防止ストラップは、こんな感じで接続すればよいでしょう。
反対側(シャッターボタン側)にも取り付けられますが、カメラを右手で持つときに邪魔になるので液晶ディスプレイ側の金具に装着するのが良いと思います。
なお、落下防止ストラップの反対側をカラビナ部分につなげるのはやめておきましょう。経年変化でカラビナごと取れてしまうことがあります。
必ずカラビナの根本の金属部分かストラップ本体に接続するようにしましょう。
カメラストラップにカメラを接続できたらストラップの長さを調整します。斜めがけにしてカメラが横に来るぐらいが使いやすいと思います。カメラをしっかり固定したい人は、もう少し短めでも良いかもしれません。
「ストラップの長さを調整する部材」の場所調整できるので、ストラップの長さを調整するときはできるだけ肩パッド側に持ってくることをオススメします。
この部材がお腹のあたりに位置すると、カメラを構えるときにスライドする金具の邪魔になります。
また、私の場合はストラップがかなり余りました。そのままだとプラプラして見苦しいので、折り返して肩パッドの中に通しておくことにしました。
それでもかなり余ってしまうので、邪魔な場合は思い切って切ってしまっても良いかもしれません。
実際にこの状態で装着してみると、ブラックラピッドRS-7にまあまあ近い使い勝手と感じました。
ブラックラピッドRS-7と同様に、カメラを腰の横にぶら下げた状態から写真撮影体制にはスムーズに移行できることは間違いありません。気になる余ったストラップも肩パッドに通しておくことで邪魔にならなくなりました。
ただ、気になるのは肩パッドがずれやすい点です。
試用したときの服の素材のせいなのか、肩パッドがやや短いせいなのか、よくわかりませんがカメラを上げ下げしていると肩パッドがズレてしまうことがよくありました。
すぐに直せるので致命的ではありませんが、少し気になる部分ではありました。
ただ10分の1以下の費用でほぼブラックラピッドの使い勝手が得られるのでお買い得なのは間違いないと思います。
まとめ
今回はブラックラピッドの速写ストラップの代替品となる格安のカメラストラップを紹介しました。
私の場合は海外通販のAliExpressでPULUZというメーカーのストラップを約870円で購入して試してみたところ、気になるポイントはあるもののブラックラピッドに近い使い勝手を得ることができました。
細かいところはブラックラピッドには届きませんが、速写ストラップを試してみたい、という方には良い製品なのではないかと思います。
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