いつもは中華ガジェットのレビューが中心でしたが、今回は久々に日本メーカーの製品の話題です。
これまでの一眼レフカメラ
最近は頻度が減りましたが以前は頻繁に旅行をしていたので、旅行記録用に一眼レフカメラを利用していました。
これまでは次のようなキヤノンのAPS-Cカメラ(EF-Sマウント)を利用してきています。
初代はCANON EOS 40Dでした。発売は2007年9月です。
約1010万画素、本体サイズは145.5×107.8×73.5mm、本体重量は約740gです。
一眼レフのデジタルカメラは一般人にはなかなか手が届かない製品だったのですが、このEOS 40Dの一世代前のEOS 30Dで一気に一般化しました。
私の場合はEOS 30Dで様子見をしていて、次のモデルがついに一眼レフに手を出したという感じです。
二代目はCANON EOS 60Dでした。発売は2010年9月です。
約1800万画素、本体サイズは144.5×105.8×78.6mm、本体重量は約675gです。
バリアングル液晶がついたのもこの機種からです。EOS 60Dが発売されてからしばらくはEOS 40Dで粘っていたのですが、2011年のゴールデンウィークの旅行の前にEOS 60Dに買い換えました。
三代目はCANON EOS 80Dです。発売は2016年3月です。
約2420万画素、本体サイズは139.0×105.2×78.5mm、本体重量は650gです。
EOS 70Dから導入されたデュアルピクセルCMOS AFが利用でき、液晶画面を使った撮影時にも高速にオートフォーカスができるようになったのが印象的です。
購入履歴をみると2016年3月に購入しているので発売直後に購入したようです。
まとめると次のようになります。
モデル | 発売時期 | 画素数 | 本体サイズ | 本体重量 | 利用期間 |
---|---|---|---|---|---|
EOS 40D | 2007年9月 | 約1010万 | 145.5×107.8×73.5mm | 740g | 約3年 |
EOS 60D | 2010年9月 | 約1800万 | 144.5×105.8×78.6mm | 675g | 約5.5年 |
EOS 80D | 2016年3月 | 約2420万 | 139.0×105.2×78.5mm | 650g | 約7.5年 |
こうみてみるとCANON EOSの二桁クラスを、2世代ごとに買い替えてきたことがわかります。
そしてその間
- センサーは高精細化(高画素化)
- 本体はコンパクト化・軽量化
- 利用期間は長期化
していることがわかります。
EOS 80Dを買い換える
EOS 80Dを購入してから7年以上経過した2023年のレンズ交換式カメラはミラーレスカメラ一色です。
ミラーレスカメラとなるとカメラ本体の小型軽量化だけでなく、瞳AFや被写体認識など、これまでの一眼レフではできなかったような撮影が可能になります。
EOS 80Dでは液晶画面を利用したライブビュー撮影では顔を認識してフォーカスを合わせることができました。
しかし、ファインダーを使った通常撮影では顔認識はできませんでした。
いつまでEOS 80Dで粘るか迷っていたところ、2022年・2023年とCANONが立て続けにEOS Rシリーズを発表しました。これでそろそろと思い、買い換えるモデルを見当することにしました。
メーカー
私の場合はキヤノンのEFレンズ。EF-Sレンズを複数本もっています。
ミラーレスカメラにする際にメーカーを切り替えるということもできたかも知れませんが、やはりこれまでのレンズ資産が使えるキヤノンを選択することにしました。
ただしキヤノンのEOS RシリーズでEFレンズ/EF-Sレンズを使用するためにはマウントアダプタが必要です。
マウントアダプタを購入しても、レンズに新規投資しなくても良いので、カメラを乗り換える総費用を抑えられるという算段です。
センサーサイズ
キヤノンのレンズ交換式カメラにはセンサーサイズで「フルサイズ」と「APS-C」で大きく分かれます。
フルサイズの方がセンサーが大型で高画質であることが期待できますが、本体サイズが大きくなり、価格もかなり高くなります。
これまで使っていたEOS 40D/60D/80DはAPS-Cだったので、ここで思い切ってフルサイズにステップアップするかどうか迷うところですが、フルサイズで最も安いEOS R8でも20万円以上となかなかのお値段です。
またフルサイズのカメラにしてしまうと、これまで愛用していたEF-Sレンズが使用できません。
正確にはフルサイズのEOS Rシリーズにマウントアダプタ経由でEF-Sレンズを装着することができます。
ただし、センサーの中央部分(APS-Cセンサー相当のエリア)しか使えなくなるため、カメラの性能を引き出せなくなります。
やはりこれまで通りAPS-CセンサーのEOS Rシリーズに絞ることにしました。
比較
2023年9月時点で購入できるAPS-CのEOS Rシリーズは4モデルあります。
全スペックを比較すると大変なので気になる部分だけ比較してみます。スペック上、優れている部分は太字にしています。
モデル | EOS R7 | EOS R10 | EOS R50 | EOS R100 | (参考) EOS 80D |
---|---|---|---|---|---|
リンク | リンク | リンク | リンク | リンク | リンク |
発売時期 | 2022年6月 | 2022年6月 | 2023年3月 | 2023年6月 | 2016年3月 |
画素数 | 3250万画素 | 2420万画素 | 2420万画素 | 2410万画素 | 2420万画素 |
サイズ | 132×90.4 ×91.7 |
122.5×87.8 ×83.4 |
116.3×85.5 ×68.8 |
116.3×85.5 ×68.8 |
139×105.2 ×78.5 |
重さ | 530g | 382g | 328g | 309g | 650g |
画像 エンジン |
DIGIC X | DIGIC X | DIGIC X | DIGIC 8 | DIGIC 6 |
ボディ内 手ぶれ補正 |
あり | なし | なし | なし | なし |
撮影枚数 | 約380枚 | 約210枚 | 約230枚 | 約320枚 | 約1390枚 |
実勢価格 | 177,000円 | 118,700円 | 93,800円 | 72,800円 | (販売終了) |
撮影売僧はファインダーを利用して撮影した場合です。
実勢価格はボディ単体のカカクコムの最安値を記載しました。
スペック上はやはりEOS 7Dの系譜を継ぐEOS R7が圧倒的です。しかし、価格もダントツに高く、重量も他のAPS-CセンサーのEOS Rシリーズよりも明らかに重くなります。おそらくこれはボディ内手ぶれ補正機能を搭載しているためと思います。
この価格と重さの2点でEOS R7は選択肢から外しました。
一方、最軽量のEOS R100については画像エンジンがDIGIC 8になっている点が気になります。DIGIC 8でも顔を認識してのAFにはできますが、DIGIC Xを搭載した機種ではディープラーニングを活用した追従と顔以外の被写体の追跡が行えます。
この画像エンジンの差を考えてEOS R50も選択肢から外しました。
つまり、EOS 80Dから乗り換えるなら「EOS R10あるいはEOS R50」のどちらかというところまで絞り込みました。
EOS R10かEOS R50か!?
EOS R10とEOS R50の比較は非常に難しいところです。
公式サイトによる比較は下記の通りです。
キヤノンの考えるカメラのランクではEOS R10の方が上位になります。このため基本的にはEOS R10の方がスペックが高くなります。
具体的には下記などの点でEOS R10の方が優れています。
- メカシャッターの搭載
EOS R10はメカシャッターを搭載していますが、EOS R50はメカシャッターがなく電子先幕シャッターあるいは電子シャッターによる撮影になります。メカシャッターがないと移動する被写体を撮影した際のローリングシャッター歪みが気になりますが、EOS R50でも電子先幕シャッターを使えば、ローリングシャッター歪みなを避けることができます。 - 4K60Pでの動画撮影
EOS R10は動画撮影時に4K60Pでの撮影ができるのに対し、EOS R50では4K30Pが上限となります。ただし、EOS R10で4K60Pで撮影する場合はセンサーの中央部を使ったクロップ撮影になり画角が狭くなります。センサー全体を使った動画撮影ではEOS R10も4K30Pが上限となります。 - 連写性能
EOS R10はメカシャッター時に約15コマ/秒、電子シャッター時に約23コマ/秒の連写が可能です。一方、EOS R10は電子先幕シャッターで約12コマ/秒、電子先膜シャッターで約15コマ/秒となります。これだけ見ると微妙な差のように見えますが、連写可能枚数ではEOS R10では約231枚、EOS R50では約42枚とかなりの差があります(いずれもJPEG撮影時の上限)。
すべての面でEOS R10がEOS R50より優れていれば、迷わないところですが、実はEOS R50の方が優れて居るところもあります。
- 液晶ディスプレイ
EOS R10の液晶ディスプレイは約104万ドットであるのに対し、EOS R50の液晶ディスプレイは約162万ドットになります。なんと下位機種のEOS R50の液晶ディスプレイの方が高解像度なのです。液晶ディスプレイの用途は従来のメニュー表示や撮影画像の他に、ミラーレスカメラの場合は撮影時にも使います。このため液晶ディスプレイの解像度は撮影時の使い勝手にも効いてくるのではないかと思います。
ちなみに約104万ドットというのは解像度にして720×480、約162万ドットというのは解像度にして900×600となると思います。 - バッテリー
EOS R10とEOS R50は同じバッテリーパックを利用します。しかしスペックを見ると、EOS R50の方が撮影可能枚数も動画の撮影可能時間も優れているのです。
この差がなぜ生じているのか謎ですが、ミラーレスカメラはバッテリー消費が大きいので、気になる差です。
EOS R10 | EOS R50 | |
---|---|---|
ファインダー撮影 | 約210枚 | 約230枚 |
ライブビュー撮影 | 約350枚 | 約370枚 |
動画撮影(常温) | 約2時間 | 約2時間 |
動画撮影(低温) | 約1時間50分 | 約2時間 |
EOS R10とEOS R50のどちらかを選ぶとなると、非常に悩ましいところです。
強いていえば、早く動く被写体(スポーツ、動物、子供、乗り物、など)がメインの被写体ば場合はEOS R10、そうでなければEOS R50という感じではないかと思います。
そして私は悩んだあげくEOS R10を購入することにしました。
理由はEOS 80Dからの乗り換え先としては同じ二桁シリーズのEOS R10が妥当そう、という割としょうもないものです。EOS R100はEOS RにおけるKISSに相当するといわれており、EOS 80DからEOS R100に乗り換えるとランクダウンした印象になり、避けてしまいました。
それならEOS R8等のフルサイズ機にステップアップしろと言われそうな気もしますが・・・
EOS R10を購入!
モデルを決めたらあとは購入するのみです。
EOS R10には、レンズが付かない「EOS R10 ボディ」、コンパクトなズームレンズが付いた「EOS R10・RF-S18-45 IS STM レンズキット」、高倍率ズームレンズがついた「EOS R10・RF-S18-150 IS STM レンズキット」の三つの販売形態があります。
私の場合は出費を抑えるのと、従来のEF/EF-Sレンズを流用するつもりなので、「EOS R10 ボディ」を購入しました。
私はレンズキットからレンズを取り除いて新品のボディをのみを販売しているのをみつけ、それを購入することにしました。価格は123,680円で、楽天スーパーセールとかで15,000円分ぐらいのポイントが付いたと思います。
EF/EF-SレンズをEOS R10で使いたい場合はマウントアダプターを購入する必要があります。CANON純正のマウントアダプターは「マウントを変換するだけのシンプルタイプ(EF-EOSR)」「コントロールリングが付いたタイプ(CR-EF-EOSR)」「フィルターを内蔵できるタイプ(DP-EF-EOSRPLC/DP-EF-EOSRND)」の三つがあります。
私の場合は最も価格の安いシンプルタイプ(EF-EOSR)を購入することにしました。
私が購入した時は12,480円で、楽天スーパーセールでポイントが1,500円ぐらい付いたと思います。
カメラ本体をマウントアダプタの合計で実質12万円ぐらいだったので、まずまずの買い物だったと思います。
ちなみに届いたときのパッケージ(化粧箱)はなかなかのサイズでした。
EOS R10とEOS 80Dの比較
EOS R10の写真は公式サイトに載っているので、ここでは乗り換え前のEOS 80Dとの比較を紹介したいと思います。
EOSの二桁シリーズからの乗り換えを考えている方には参考になるのではないかと思います。
まずは正面から見た写真です。左がEOS 80D、右側がEOS R10です。
全体的な雰囲気は似ているのはさすがは同じEOSシリーズです。しかし一目見てわかるように大きさが全然違います。
特に中央上部(軍艦部)がぐっと小さく(薄く)なっていることがわかります。これはミラーレスになって光学ファインダーから電子ファインダー(EVF)に変わったためです。レンズから入った光をファンダーに導くためのプリズムなどが省略できるミラーレスのメリットが現れています。
正面からの写真を見るとEOS R10の方がマウント径が大きいように見えます。しかしこれは本体が小さいことと写真の写り具合のせいで、実際のところは54mmで同じマウント径になります。
ボディキャップを外してみたのが下の写真です。
EOS 80Dではミラーがありイメージセンサーが見えなかったのが、EOS R10はイメージセンサーが見えるようになっています。また、マント部の接点の個数が8個から12個に増えていることもわかります。EOS Rシステムになって、レンズとボディがより密に通信できるようになったのだと思います。
上から見ると本体の薄さ似も違いがあることがわかります。
ミラーレスになってミラーボックスが不要になったため、マウントからセンサーまでの距離を短くすることができるようになったためです。
グリップが小型化(薄型化)もしています。EOS 80DもEOS R10もグリップ部分に電池が入ります。グリップが小さくなったということはバッテリーも小さくなったということになります。
またサイズだけでなく、EOS 80DからEOS R10になったことで
- ダイヤルの位置が左肩から右肩に移動
- 電源レバーが左肩から右肩に移動
- サブ電子ダイヤルが背面から右肩に移動
- 動画撮影ボタンが独立して右肩に移動
- 上面のモニターが廃止
- ISOやドライブモードなどのボタンの廃止(M-Fnボタン+サブ電子ダイヤルへ変更)
などの操作部の変更があります。操作感はかなり違うことになりそうです。この辺は慣れるしかないと思います。
背面から見ても大きさの違いが際立ちます。また、EOS 80Dではやや曲線が強めだったデザインが、EOS R10になり少し直線的なデザインになったようです。
バリアングルの液晶ディスプレイについてはサイズが異なるように見えますが、スペック上は同じ3.0型(3:2)になります。ベゼル部分の大きさの違いで閉じたときの印象が異なるようです。
背面のボタンについても大きくレイアウトや数が異なっています。ただ、メニュー操作時に多用する「MENUボタン」「SETボタン」「上下左右ボタン」については同じ位置関係にあるので、メニュー操作に関しては同じ感覚でできそうで安心しました。
メニュー画面の構成はEOSシリーズとEOS Rシリーズでほぼ共通になっているようなので、EOSユーザならEOS Rシリーズはすぐに使い始めることはできると思います。
バッテリーとバッテリーチャージャー
バッテリーとバッテリーチャージャーについてもEOS R10用とEOS 80D用を比較してみます。
まずはバッテリーです。左がEOS 80D用、右がEOS R10用です。
EOS 80D用がLP-E6Nというバッテリーで容量は1865mAh、EOS R10用はLP-E17で1040mAhです。この容量の分だけ、EOS R10用は小型軽量になっています。
厚みもかなり削減されています。
これがカメラ本体の小型化にも大いに貢献しているわけですが、それがEOS R10の撮影可能枚数の少なさに直結しているわけで一長一短というところです。
バッテリチャージャーを比較してみたところ、EOS 80D用がやや大きいもののそれほど違いはありません。
厚みはEOS R10用の方が少し薄くなります。
せっかくバッテリーが小型化したのでバッテリーチャージャーも小型化することを期待したいところです。
しかし、よくよく考えると、両方のバッテリーの電圧は一緒です、そのため充電のための制御回路は同等で、いきなり小型化できるわけではないのかもしれません。
マウントアダプター EF-EOSR
EOS R10と同時に購入したマウントアダプター EF-EOSRの紹介もしておきます。公式サイトはこちらです。
このマウントアダプターを使うとEFレンズ・EF-SレンズをEOS Rシリーズに装着できるようになります。
EF-SレンズをフルサイズのEOS Rシリーズにこのアダプタで接続すると、センサーの中央部分を使ったクロップ撮影になります。
EOSシリーズからEOS Rシリーズに乗り換える際にレンズを継続利用したい場合には、必須のアクセサリーです。実勢価格も12,000円程度と新しいレンズを買うことを考えれば入手しやすい価格です。
EF-EOSRはこんな感じです。
マウントアダプター(右上)だけでなく、ケース(右下)も付属しているのが良心的です。私の場合はEF/EF-Sレンズしかまだ持っていないのでマウントアダプターはEOS R10に装着しっぱなしになるのですが、RFレンズを入手してEF/EF-Sレンズと併用するようになった場合はケースがあった方が助かります。
マウントアダプターEF-EOSRの厚みはスペックによれば24mmです。
この厚みによってEFマントとRFマウントのフランジバッグの違いを吸収していることになります。
マウントアダプターEF-EOSRのボディ側(EOS R10に接続する側)には電子接点が12個見えます。
また「MADE IN TAIWAN」の文字も見えます。
マウントアダプターEF-EOSRのレンズでは電子接点は8個になります。また、EFレンズの取り付け位置のサインである赤丸と、EF-Sレンズの取り付け位置を示す白い四角ががあることがわかります。
両面ともマウント面は金属になっていることもポイントです。重量的には不利となりますが耐久度ではプラスチック素材よりは金属素材の方が上と思います。
マウントアダプターEF-EOSRをEOS R10に取り付けてみると、なんとなくパンケーキレンズをつけているような雰囲気になります。
もちろんこの状態では撮影することができません。
重量としては本体382gにマウントアダプター110gで合計が約492gとなります。これでも従来使用していたEOS 80Dの650gよりは軽くなります。
ただ小型の一眼レフデジカメであるEOS Kissシリーズとほぼ同等の重量となってしまい、軽量であるというミラーレスの利点を失っている気もします。
側面から見るとこんな感じです。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが、マウントアダプターを加えた厚みはEOS 80Dとほぼ同じになるのではないかと思います。
まとめ
今回はCANONの一眼レフデジタルカメラであるEOS 80Dの後継カメラとしてミラーレスカメラであるEOS R10を購入したことを紹介しました。
初期投資を抑えるために、EOS R10はボディのみを購入し、これまで使っていたEFレンズ・EF-Sレンズを活用するためにマウントアダプターEF-EOSRを合わせて購入することにしました。
次回はEOS R10とEFレンズ・EF-Sレンズを組み合わせて使ってみたいと思います。
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