今回はクラウドファンディングサイトのIndiegogoに面白い製品が登場したことを紹介します。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとはインターネットを通じて多くのユーザから資金を調達する方法です。
優れたアイデアを持っていても製品化や製造を行う資金がないベンチャーが活用する資金調達方法です。
このクラウドファンディグのプラットフォームとして世界的に有名なのが「Indiegogo」「KickStarter」の二つです。
今回紹介するのはIndiegogoで立ち上げられたプロジェクトです。
All-In-One 38 360度 VR カメラ Pilot Era
今回紹介するのは下記のプロジェクトです。
このプロジェクトは「Pisofttech」というベンチャー企業が立ち上げたプロジェクトです。
クラウドファンディングの対象となるプロダクトは360度カメラ(VRカメラ)になります。製品名は「Pilot Era」と命名されています。
Pilot Eraの特徴
360度カメラというとなじみがあるのはリコーのThetaシリーズ、そして、最近では中国のInsta 360シリーズが知られています。
これらの従来の製品とPilot Eraの違いを箇条書きにすると次のようになります。
- 8Kビデオの撮影とステッチングに対応
- 3.1インチのタッチスクリーン搭載
- Ethernet・LTE・5G・Wi-Fiに対応
- 撮影しながら4Kストリーミングが可能
これらのポイントがPilot Eraの特徴とになりますので、簡単にチェックしてみたいと思います。
8Kビデオの撮影とステッチング
ThetaシリーやInsta360 ONEなどは4Kで360度のビデオを撮影することができます。
撮影した動画データはPCやスマートフォンなどに転送し、360度映像として楽しむことができます。
実はThetaやInsta360 ONE等で撮影した360度映像は、二つの魚眼レンズで撮影した動画を平面に展開した動画だったりします。
この平面になっている動画をスマートフォンやPCで球面上につなぎ合わせて(ステッチングして)いることになります。
一方、8Kの360度ビデオを撮影できる機器となると[productlink shop=”gb” text=”Insta 360 Pro” link=”https://jp.gearbest.com/action-cameras/pp_009431273733.html?wid=1349303″]のようなプロ向けの機器になります。
しかしこれらはとても高くて一般人が手が出せるものではありません。Insta360 Proだと40万円知覚します。
さらに面倒なのは、8Kで撮影した場合の後処理です。8K動画になるとかなりのデータ量になるため、スマートフォンでは処理できません。
結局、PCに取り込んで、PCアプリで平面データから360度画像を合成する必要があります。
今回のPilot Eraは、単に8Kの360度動画を撮影できるだけでなく、撮影したデータをPilot Era内でステッチングして360度になった動画データを生成できるとのことです。
これが「All-In-One」という冠名をつけている理由のようです。
3.1インチのタッチスクリーン搭載
Pilot Eraには3.5インチのタッチスクリーンが搭載されています。
3.5インチというと小さいと感じるかもしれませんが、メニューなどを表示させるには十分です。
従来のThetaやInsta360 Oneなどは動作を確認できるLEDがあるぐらいで、上位機種でステータス確認用の小さな液晶がついているだけです。
OSはAndroidベースということなので、タッチ操作もこなれているはずです。
ボタンだけで操作するとかなりストレスがたまりますので、これはうれしいポイントです。
ちなみにAndoridベースのOSはOTA(インターネットからの自動配信)でどんどんアップグレードしていくとしています。
Ethernet・LTE・5G・Wi-Fiに対応
Pilot EraのネットワークインターフェースはWi-FiだけでなくEthernetやLTE・5Gに対応しています。
5Gについては将来のアップグレードのようです
後述するようにライブストリーミング機能を持っていることから、スタジオなどのEthernetが利用できる環境では安定してコンテンツを配信することができます。
一方、LTE・5Gを使えば、ストリーミングの解像度は落とす必要があるものの、Wi-Fiがないアウトドアでもストリーミングが可能です。
GPSも内蔵しているので、Google Street Carのようにカメラに固定して、360度映像を位置情報とともにリアルタイムに配信するということもできそうです。
4KであるThetaなどはスマートフォンでステッチングできるので良いのですが
Insta360 Proなどプロ向けの360度カメラでは8Kでビデオを撮影できる機種はあります。しかし、
撮影しながら4Kストリーミングが可能
Pilot Eraは撮影している360度映像をそのままリアルタイムにストリーミングすることができます。
これはPilot Era内にサーバを内蔵することにより実現しています。
これれは二つのカメラによる映像をリアルタイムに合成(ステッチング)して、さらにネットワーク処理をしなければいけないということでかなりの負荷のかかる処理です。
さすが8K 360度ビデオでは7fpsまでフレームレートが落ちてしまうのですが、4K 360度ビデオなら30fpsでのストリーミングが可能です。
ライブの360度配信など新しい体験のシェアができそうです。
Pilot Eraの詳細なスペック
いま明らかになっているハードウェアスペックは次の通りです。
センサー | 12MP ソニー製CMOSセンサー×2 |
---|---|
レンズ | F2.2 非球面フィッシュアイレンズ×4 |
スクリーン | 3.1インチ 800×480 TFT液晶ディスプレイ (マルチタッチ対応) |
OS | Android-based Pilot OS |
メモリ・ストレージ | 4GB RAM + 512GB UFS ROM |
動画記録 | リアルタイムステッチング |
8K 7680*3840@7fps | |
6K 5760*2880@15fps | |
4K 3840*1920@30fps | |
2K 1920*960@30fps | |
カメラ内ステッチング | |
8K 7680*3840@24fps | |
6K 5760*2880@30fps | |
4K 3840*1920@30fps | |
静止画記録 | 8192×4096 |
6144×3072 | |
4096×2048 | |
フォーマット | 静止画 MP4 |
静止画 JPG | |
オーディオ | ステレオ |
ライブストリーミング | サーバ内蔵 (プロトコル: RTMP) |
4K@30fps | |
2K@30fps | |
設定 | HDR / ISO / EV / WB / stitch focus |
ジャイロスコープ | 9軸 高精度ジャイロスコープ |
GPS | 高精度GPS内蔵 |
バッテリー | 7200mAhリムーバブルバッテリー |
約3.5時間動作可能 | |
5V/3A充電 | |
インターフェース | 100M / 1000M Ethernet |
USB-C(充電・ファイル転送) | |
無線 | 802.11a/b/g/n/ac 2.5GHz・5GHz |
4Gモバイル通信 (SIM card) | |
Bluetooth 4.1 | |
アプリ | Pilot Go mobile App (IOS・Andriod) |
サイズ | 159×61.4×61.4 mm |
重量 | 690グラム |
ちょっとサイズが大きいのが気になりますが、プロ用のInsta360 Proに比べたらずっと小型です。
価格と購入方法
気になるPilot Eraの価格ですが残念ながらまだ発表されていません。
ただ限定で800ドルのディスカウントの特別価格を用意しているようです。
最新の情報を入手したい方はIndiegogoのサイトからメールアドレスを登録しておきましょう。
まとめ
今回はクラウドファンディングサイトIndiegogoにAll-In-One 360度カメラ Pilot Eraまもなく登場することを紹介しました。
Pilot Eraは8Kの360度ビデオを撮影できるだけでなく、カメラ内のステッチング・リアルタイムのストリーミングができます。
8Kの360度カメラというとこれまでは高価・大型でプロ向けだったのが、どこまで安くなるのか楽しみなところです。
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