前回はWordPressでのバックアップをrsyncを使って自動化する方法を紹介しました。
この後はメールサーバの構築、、、と行きたかったのですが、ある致命的なトラブル(後述)が発生してしまいこのサイトのメンテがこんなになってしまいました。
VPSを初期化して再構築という手もあるのですが、これを機にVPSの移転を検討することにしました。
発生したトラブル
このサイトはServersMan@VPSというVPSを借りてWordPressで構築しています。いつもはWordPressの舵手ボードでサイトの管理をしつつ、SSHでリモートログインして細かい操作をしていました。
ところがある日SSHでアクセスすると・・・アクセスを拒否されるようになってしまいました。

何かVPS側の設定をミスったようです(どうもPAM認証周りががくさいのですが確信持てず)。私はSSHではキー認証のみで接続できるようにしているので、キーをはじかれていまうともはやログインする手立てはありません。

一応WordPressのダッシュボードは使えるので、サイトの更新はできるのですが、これは不便で仕方がありません。ここから回復するにはVPSを初期化する必要があります。
ServersMan@VPSの不満点
私はServersMan@VPSのStandardというプランを使っています。このスペックは次の通りです。
| 仮想化システム | OpenVZ | 
|---|---|
| 仮想CPU | 非公開 | 
| 保証メモリ | 2GB | 
| ディスク容量 | 100GB (HDD) | 
| 月額 | 934円(税抜) | 
使っていてディスクの書き込みが遅いことが気になるものの、Webサイトを構築する分にはまずまずという状況でした。
しかし悩まされたのが、ソケット数の条件です。仮想化システムOpenVZではメモリやディスク容量のほかにソケット数などのリソースも上限が決められてしまいます。
その中で特にnumothersockといわれるTCP以外のソケット数の条件が運用上の障害となってきました。特に、メールサーバをpostfixで構築すると大量のunixドメインソケットを消費してしまいほかのプログラムが動けなくなってしまうことがありました。特にpostfixのマルチインスタンス機能を使うとあっという間に上限に達してしまいました。
このようなこともあってそろそろ移転の考えどきかな、と思っていたところ今回のトラブルで決心をすることができました。
移転先の条件
移転先に求める条件としては次のように整理しました。
| 仮想化システム | KVM | OpenVZは制限が多いため今度はKVMを使ってみたい | 
|---|---|---|
| 仮想CPU | 2コア | 2コア程度はほしい | 
| 保証メモリ | 2GB | これまでの使用量から2GBあれば十分 | 
| ディスク容量 | 100GB (HDD) | これまでの使用量から100GBあれば十分 | 
| OS | Debian 7.x | これまでと同様Debian Wheezyが使えるとうれしい。 ISOアップロード対応でもよい。 | 
| 月額 | 1000円強(税込) | (現状+α程度で収まるとうれしい | 
OpenVZので苦労した点があるので、今度はKVMを採用しているVPSを探そうと思います。
移転先の候補
さて日本国内でKVMを用いたVPSを展開している業者の有名どころをあげるとざっと次のようになるでしょうか?
この5社の中からメモリ2GBを基準にしてプランを選択して比較してみます。
| 会社 | お名前.com VPS | CloudCore VPS | ConoHa | さくらのVPS | GMOクラウドVPS | 
|---|---|---|---|---|---|
| プラン名 | メモリ2GBプラン | CV01 | 2GB | 2G | マイクロ | 
| CPU | 3コア | 2コア | 3コア | 3コア | 3コア | 
| メモリ | 2GB | 2GB | 2GB | 2GB | 2GB | 
| HDD | 200GB | 100GB | 200GB | 200GB | 100GB | 
| Debian 7.x | 〇 | △ | 〇 | 〇 | ×? | 
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 2000円 | 4000円 | 
| 月額(月払) | 1315円 | 1800円 | 1400円 | 1580円 | 1315円 | 
| 月額(年払) | 1099円 | 1200円 | 1400円 | 1449円 | 934円 | 
| 初年度合計 | 13187円 | 14400円 | 16800円 | 19380円 | 15208円 | 
Debian 7.xについてはすぐに導入可能な場合は「〇」を、ISOファイルをアップロードすることで導入可能な場合を「×」としました。
初年度合計については単純に年払いの利用料1年分と初期費用の合計です。
他と比べて優勢な部分は緑に、劣勢な部分は赤にしてみますと、とりあえずお名前.com VPSが一番良い気がしてきました。本当はネットワークの太さとか、安定性とかも気にしなけばいけないのですが、まずはお名前.com VPSが第一候補です。
お名前.com VPSはとりあえず月払い契約で利用しておいて、途中で年間契約に切り替えることもできます。ですので、まずは月払いで契約してみたいと思います。
まとめ
今回はServersMan@VPSからサイトを移転する先のVPSサービスについて検討しました。
条件を明確にして、国内でKVMを使っているサービスを比較したところ、お名前.com VPSが最も自分の用途に合っていることがわかりました。
次回はこのお名前.com VPSの契約から始めたいと思います。

 
  
  
  
  



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